2008年10月06日 (14:33)
催眠が乳癌(がん)患者の顔面紅潮を軽減
米医学誌「Journal of Clinical Oncology(臨床腫瘍学)」9月号に掲載された今回の研究で、米ベイラーBaylor大学(テキサス州)心理学教授のGary Elkins氏らは、顔面紅潮を有する乳癌生存者60人を、催眠セッションを週1回、5週間行う催眠群、治療を行わない無治療群のいずれかに無作為に割り付けた。
催眠セッションでは毎回、被験者に心的イメージを与え、くつろぎ落ち着くように暗示をかけた。また、顔面紅潮と自分自身を切り離して考えるように指示し、自己催眠時は肯定的な暗示と心的イメージを使うことを教えた。
その結果、催眠群では、顔面紅潮の頻度と重症度が平均68%低下し、不安や抑うつも少なく、無治療群に比べて、睡眠と日常活動の遂行能力が有意に改善した。研究者らは「ホルモン療法や薬物学的介入の代替療法として催眠を行うことができる可能性と有効性が示された」と結論付けている。
米国癌協会(ACS)のTed Gansler博士は「乳癌生存者における顔面紅潮の有病率は高いが、安全かつ有効な治療法はほとんどないため、重要な問題となっている。今回は対照群が無治療であったため、改善の一部またはすべてが“プラセボ効果”かどうかは不明だが、研究者らが改善度が大きいので完全にプラセボ効果である確率は低いとした点は理にかなっている」としている。
米ウェイク・フォレストWake Forest大学医学部(ノースカロライナ州)教授で、同誌の論説著者のNancy E. Avis氏も、顔面紅潮が癌治療において注意すべき症状であるとしており、「多くの心身的アプローチが有望であり、今回の催眠に関する研究結果はすばらしいが、有用であるとするにはさらなる研究が必要。ただし、これらが安全でないとする理由はなく、試みることには害はない」と述べている。

