ガン完全克服マニュアル

当ブログはガンを克服するための最新治療法を全て掲載しています。
ガンの部位別に適した治療法のわかる国内最大級の完全データベースです。

2009年1月28日より、新しく掲示板と、病院評価ランキングを追加しました。 どんどん活用して下さい。


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日本生化学大会で発表された新しい癌治療法SOLWEED

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2014年03月24日 (13:08)

がん検査薬など市販解禁 政府方針、来年度にも3品目

がんなどの兆しを調べる尿潜血検査薬、便潜血検査薬と、不妊治療に使用する排卵日検査薬の3品目について、調剤機能のないドラッグストアなどで販売されている「一般用検査薬」として政府が認可する方針を固めたことが分かった。早ければ2014年度中にも市販が開始される。新たな一般用検査薬は1992年に認可された妊娠検査薬以来となる。簡単に買える一般用検査薬の普及によって、体調管理や病気の予防に活用し医療費抑制につなげる狙いがある。

 尿潜血検査薬や便潜血検査薬は、採取した尿や便に血液が混ざっていないかを判断する薬。血液が混ざっている場合は、臓器の炎症や腫瘍の存在が疑われ、精密検査につなげられる。

 排卵日検査薬は、採取した尿に含まれている女性ホルモンの変化から排卵日を予測する薬。欧米では主に不妊治療目的で一般用検査薬として市販されている。

 日本では、これらの検査薬は販売規制の厳しい医療用検査薬に分類され、購入するには処方箋の提示が必要だった。近年は採血技術や検査機器の精度向上を背景に、欧米では、がんや鬱病など幅広い分野の一般用検査薬が販売されている。

 これに対し、日本では製薬会社などが規制緩和を要望してきたが、厚生労働省が「誤診の恐れがある」と慎重姿勢を崩さず、新規認可が見送られてきた経緯がある。

 政府は昨年6月に策定した成長戦略で「病気の予防や健康管理の推進」を掲げており、規制改革会議が厚労省に一般用検査薬の品目拡大を求めていた。これを受け同省も、一般用検査薬の品目拡大を容認した。

 規制改革会議が一般用検査薬への転換を目指しているのは49品目。厚労省は検査の結果、病気や体調の変化の有無が容易に判断できる検査薬を優先的に審査し、認可する方針だ。

 今回の3品目は厚労省の方針にも合致しており、早ければ14年度中にも一般用検査薬として認可、販売される見通しだ。厚労省は有識者会議を立ち上げ、認可のルール作りや使用者が結果を誤って判断しないための情報提供も併せて検討を進める。
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2014年03月24日 (12:11)

. お酒で顔が赤くなる人は要注意 食道がんの発症リスクが高い人とは〈週刊朝日〉

 食道がんは早期で見つかれば内視鏡治療で食道を残せる。だが、診断された人のうち、内視鏡治療を受けられるのは20%程度だ。どうすれば早期に見つかるのか。早期がんの診断に詳しい慶応義塾大学病院内視鏡センター副センター長の大森泰(たい)医師に聞いた。

*  *  *
 早期の食道がんは、ほとんど自覚症状がありません。しかし食道がんを発症する危険がある人は明らかになっています。

 WHO(世界保健機関)の下部機構であるIARC(国際がん研究機関)が示す食道がんの危険因子は、高度喫煙と高度飲酒です。飲酒に関しては、特にアルコールを代謝する際に発生するアセトアルデヒドが発がん物質として判定されています。飲酒でアセトアルデヒドが分泌されても、アセトアルデヒド脱水素酵素が体内にあれば分解できますが、日本人の約10%は遺伝的にこの酵素を全く持たないためお酒を飲めません。約40%は多少この酵素がありますが十分ではなく、飲酒によりアセトアルデヒドが体内に残ります。こうした人が飲酒をすると、お酒を飲まない人と比べると食道がんの危険性が1日1合で約7倍に、4合だと103倍に跳ね上がるのです。

 お酒を飲むと顔が赤くなる、胸がドキドキする、二日酔いになりやすいといった人はアセトアルデヒドを分解する酵素が少ない証拠です。「昔は顔が赤くなったけれど今は赤くならない」という人もいますが、体の反応が鈍くなっただけで、アセトアルデヒドを分解する酵素が増えたわけではないので要注意です。

 喫煙の場合、1日20本のたばこを30年間続けると非喫煙者に比べて食道がんの危険性は30倍になります。飲酒も喫煙もする人はさらに危険性が高まります。

 また、1年間で食道がんになった人のうち、80%が50歳以上の男性というデータもあります。このため、50歳以上の男性で飲酒や喫煙をしている人は、1年に1回は検診を受けましょう。

 食道がんを早期発見するための最も有効な方法は内視鏡検査です。食道がんの危険因子は咽頭(いんとう)がんにも当てはまり、食道がんに咽頭がんが合併する確率は3割近くにのぼります。咽頭がんも早期なら内視鏡治療で治ります。内視鏡検査を受ける際には食道と咽頭ともに診てもらいましょう。

※週刊朝日  2014年3月28日号

2014年03月24日 (12:04)

「アスピリン」に新たな期待 がん予防の臨床報告相次ぐ

 ここ数年、アスピリンを用いたがん予防の臨床試験の報告が相次いでいる。日本でも先月、厚生労働省研究班がアスピリンの大腸ポリープ(腺腫)抑制効果を明らかにし、大腸がんの予防につながることが期待されている。(平沢裕子)

 ◆1・5次予防

 がんの予防には主に、ライフスタイルの改善などでがんになる人を減らす「第1次予防」と、早期発見・治療でがんから治る人を増やす「第2次予防」がある。アスピリンなどの化合物を用いてがんになることを減らす「化学予防」は1次と2次の中間の「1・5次予防(先制医療)」と位置付けられている。

 先制医療とは、がん発症前に医療的な介入をして発症を防止、または遅らせることで、乳がん予防のために米国女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが両乳房を切除した治療もこれに含まれる。乳がんでは、タモキシフェンとラロキシフェンが米国で乳がんリスクが高い女性への予防薬として承認されている。

アスピリンは欧米で実施された複数の臨床試験で、がんによる死亡リスクを低下させる効果があると報告されている。中でも、英オックスフォード大のチームの研究が有名で、2010年に医学誌『ランセット』に掲載された研究では、アスピリンを5年以上服用した人は、服用しない人に比べ大腸がんによる死亡率が約半分近く減ったことが報告されている。

 日本でもアスピリンのがん予防効果を探る臨床研究が厚労省第3次対がん総合戦略事業の下、国立がん研究センターや京都府立医大など国内19施設が参加し、平成19年から実施。国立がん研究センター研究所がん予防研究分野の武藤倫弘・ユニット長は「アスピリンは欧米における大腸ポリープの再発を抑制することが分かっているが、日本人を含むアジア人で同様の効果があるかは分かっていない。研究は、日本発のがんの予防薬を出すことが目的でもある」と説明する。

 ◆喫煙者には逆効果

 研究は、大腸がんへ進行する可能性の高い大腸ポリープを摘出した患者311人について、アスピリン、またはプラセボ(偽薬)を2年間投与した後、大腸ポリープの再発を減らせるかを検証した。使われたアスピリンは、医師により抗血小板薬として処方されている薬剤(有効成分はアセチルサリチル酸、100ミリグラム)。結果は、アスピリンを飲んだグループはプラセボに比べ、再発リスクが約40%減少した。ただ、喫煙者ではアスピリンの服用により大腸ポリープが増加することが示された。

京都府立医科大学分子標的癌(がん)予防医学の石川秀樹特任教授は「大腸ポリープの再発予防におけるアスピリンの有効性が日本人でも示されたのは大きな成果」と喜ぶ。ただし、今回の結果は「アスピリンが大腸がんを完全に予防する」というものではなく、「アスピリンには消化管出血などの副作用を起こす危険もある。自己判断での服用は絶対にしないでほしい」(石川特任教授)。

 大腸がんは欧米人に多く日本人では少なかったが、近年、日本人の罹患(りかん)率が急速に増加。『がんの統計2007』(財団法人「がん研究振興財団」)によると、2015年には大腸がんの患者数は胃がんを抜いて1位になると予測されている。

 国立がん研究センター中央病院内視鏡科の松田尚久医長は「今回の結果は大腸がんの化学予防法の確立を期待させるものだが、さらに大規模な検証が必要だ」と話している。

 【用語解説】アスピリン

 100年以上にわたって解熱鎮痛薬として世界中で使われてきた。約40年前、少量使うことで血栓をできにくくし、血液をさらさらにすることが分かり、心筋梗塞や脳卒中を予防する薬として脚光を浴びるようになった。がんの予防薬としての使用を認めている国はまだないが、心筋梗塞や脳卒中の予防薬として認めている国はある。日本でも、一度心筋梗塞や脳卒中を起こした患者に対し、次の発作を予防する予防薬としての使用は認められている。

2014年03月21日 (01:45)

<子宮頸がんワクチン>摂取後の痛み…厚労相に実態調査要望

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の痛みを訴えている中高生が相次いでいる問題で、日本線維筋痛症学会(西岡久寿樹理事長)は20日、田村憲久・厚生労働相宛てに、ワクチン接種を受けた人への実態調査を求める要望書を提出した。

 要望書によると、全身に慢性の痛みが起こる線維筋痛症と診断された10代の患者の中に、過去、子宮頸がんワクチンを受けた後に全身の痛みが生じた人がいる。学会が今年2月20日~3月14日に2施設で調べただけでも8人が確認された。

 西岡理事長は「10代の線維筋痛症の患者は極めて珍しく、子宮頸がんワクチンの接種が、線維筋痛症の原因の一つになっている可能性が高い」と話し、学会としても線維筋痛症の重症患者を対象にワクチンの接種の有無などを調べる方針。

 子宮頸がんワクチンは現在、接種の推奨が一時中止されている。同学会は「ワクチン接種を推奨する前に、副反応をきちんと調査してほしい」と求めた。【下桐実雅子】

2014年03月20日 (14:42)

農工大、多孔質粒子を一段階で簡便に作製できる粒子作製技術を開発

東京農工大学(農工大)は3月13日、多孔質粒子を一段階で簡便に作製できる粒子作製技術を開発したと発表した。

同成果は、同大大学院 工学研究院 応用化学部門の村上義彦准教授、高見拓博士課程らによるもの。詳細は、米国化学会の「Langmuir」電子版に掲載された。

経肺投与のための薬物送達システム(DDS)は、薬物(もしくは薬物キャリア)を吸入して肺へ薬物を送達する手法である。経肺投与DDSは、表面積が大きく毛細血管が豊富に存在する肺胞を利用するため、薬物の吸収効率が高いのに加え、特に肺疾患に対しては、患部に薬物を直接送達することができるため治療効果が高い、痛みを伴わないなどの特徴から、有望な投薬方法としての発展が期待されている。経肺投与DDSに適した薬物キャリアの条件としては、粒子径が1~5μm程度、粒子密度が低い、粒子表面の分子修飾が容易などを満たす必要がある。しかし、これらの条件を満たす粒子の調製は難しく、経肺投与DDSの発展を妨げる大きな一因となっていた。

研究グループでは、疎水性高分子と高分子乳化剤を溶解した有機溶媒と水を混合する簡便なプロセスによる、表面に高分子が導入された機能性高分子粒子の製造方法の開発に取り組んできた。その研究過程において、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて粒子を詳細に検討することにより、多孔質粒子が一段階で簡便に得られることを発見した。この粒子の形成は、o/wエマルションの油滴の中にw/oエマルションが自発的に形成する自己乳化現象に起因すると考えられる。今回得られた多孔質粒子の密度は非常に低いため、肺の気道に送達される薬物キャリアとして適している。さらに、高分子乳化剤によって粒子表面の分子修飾が容易であることからも、従来の経肺投与DDS用薬物キャリアの問題点を解決することができる。

一般に、疎水性高分子と乳化剤を溶解した有機溶媒と水を混合しても、表面が滑らかな粒子しか形成されない。従来の報告では、粒子を調製する際には、毎分1万5000~3万回転という非常に速い撹拌速度が検討されていた。それらの従来の研究に対し、今回の研究では毎分8000回転という比較的遅い撹拌を用いて試したところ、粒子の表面に穴が多く生じる現象の発見、解明に至ったという。

今回の成果は、従来の方法よりも機能性粒子を低コスト、低エネルギーで作製する技術としての発展が期待される。さらに、粒子を利用するバイオ・医療材料、電子材料、光学・分子デバイスといった幅広い研究領域への波及効果も高いと考えられる。特に、医療領域においては、従来は調製が困難だった経肺投与DDSに適した薬物キャリアとして最適な条件が簡便に得られるようになる。他の投薬ルートとして比較しても、経肺投与DDSは非常に魅力的である。また、強い鎮痛剤を経口投与できない患者にも適応可能な技術として確立できれば、末期癌の痛みの治療や、薬を飲み込むことができない患者への手術前後の鎮痛剤投与なども可能となる。研究グループでは、同技術が経肺投与DDSの発展に大きく寄与するものと期待されるとコメントしている。

(日野雄太)

2014年03月19日 (21:43)

最先端のテクノロジーが作り出す風景

ポストPC機器と呼ばれるスマートフォンやタブレットの台頭で、面白い話題の減ってしまったPC、特に卓上型のコンピューター。最近ではWebブラウザや電子メール、そして事務用ソフトのための機械というイメージが強くなり過ぎたが、これだけなら一番非力なマシンやタブレットでも十分だ。そのため、新しい活用と言うと、まずはポストPC機器から出てくるということが増えてしまった。

【Physical Presenceの画像、ほか】

 今の最先端の高性能な卓上型コンピューターを使えば、ものすごく感動的な表現ができるが、今や見慣れてしまったテレビのCGを除くと、日常生活でこうした高性能なPCが生み出すものはなかなか見つからない。

 そこで本記事では、最先端コンピューターを使った映像表現や体験のすごさを実感できる、この春休みに押さえておきたい注目イベントのうち、取材ができたものをまとめて紹介したい。

●プロジェクションマッピングの最高峰――鶴ヶ城プロジェクションマッピング はるか2014「庄助の春こい絵巻」

 東日本大震災を受けて制作されたNHK大河ドラマ「八重の桜」のスタッフらが2013年に始めた、福島県会津若松市の鶴ヶ城天守閣をまるまる映像のキャンバスに使った大規模プロジェクションマッピング。手がけたのは、NHKエンタープライズの森内大輔氏が率いるスタッフだ。同スタッフは、あまりに大勢の観客が集まって8日間上映するはずが、途中で中止になった幻の東京駅でのプロジェクションマッピング「TOKYO STATION VISION」や「ダイオウイカ」プロジェクションマッピングでも知られている。

 昨年は坂本龍一氏が作った「八重の桜」のオープニング曲にあわせて、会津若松の季節の風景を描き出す映像を制作し、2日間6回の上映が行なわれ、オープニングには「八重の桜」で主役を演じた女優の綾瀬はるかさんも来場した。これは大きな話題になり、後にDVDも発売されている。ただし、あまりに話題が大きかったため、わざわざ遠方から足を運んだにも関わらず、入場制限に見れなかった人も大勢いたようだ。

 そこで2014年はその反省を生かし、上映回数を大幅に増やしたうえで、観覧を完全事前予約制にした。1日4回の上映で、すでに初日15日と16日の2日間、8回分の上映が終わっているが、19日(水)、20日(木)、21日(金・祝日)、22日(土)、23日(日)の4日間、20回分の上映が残っている。16回の上映では新作の「庄助の春こい絵巻」に加え、2013年のプロジェクションマッピングもあわせて2本上映するので、昨年、見逃した人にもうれしいところ。

 入場は無料で、開催開始前の14日時点ですでに3万5000人の事前予約が入り、Webページからの観覧申し込みは完売となっているが、入場確約と宿泊がセットになったプランであれば、まだ余裕があるという。宿泊プランは安いものは3000円代のビジネスホテルから、2万円以上の大正ロマン溢れる歴史的景観指定建造物の宿まで選べる(プロジェクションマッピングの入場は無料なので、交通費を別にすると、かかるのは実質、宿代だけ)。

 新作プロジェクションマッピングのタイトルは「庄助の春こい絵巻」。庄助とは福島県会津地方の民謡「会津磐梯山」に出てくる小原庄助。温厚で明るい性格で誰からも愛され、朝寝・朝酒・朝湯好きで財産をつぶしたひょうきんなキャラクターである。音楽を手がけたSachiko Mさんは「元祖ご当地ゆるキャラ」と紹介する。「(昨年の)『八重の桜』はもの悲しげだったので、今回はそれとは対照的に明るく、はなやか、そしてにぎやかな作品にしたかった。さらにより地域に寄り添った作品にしたかったので、会津磐梯山や彼岸獅子といった要素を盛り込んだ」と森内氏は語る。

 愛されるゆるキャラ、小原庄助さんが宴会を開くと、そのにぎやかで楽しそうな雰囲気に森の精霊たちが集まってきて盛り上がり、最後にはその熱気であたたかな春がやってくる、というストーリーだ。

 この時代を超え、全国的に親しまれるている「ゆるキャラ」をモチーフにし、日本を代表する影絵作家、藤城清治氏の影絵のキャラクターを橋本大佑氏がコンピューターアニメーション化。「今や全国で行なわれるようになったプロジェクションマッピングだが、同じ光で絵を描くということであれば、古来からある伝統的な『影絵』や江戸時代で言えば『写し絵』という文化があり、光と影を使って映像を作るという技法の点でも共通点が多い。鶴ヶ城という歴史的建造物に映像を投影するのであれば、伝統的な影絵が相性がいいのではないかと、今回、御歳90歳になる藤城清治さんに協力をあおいだ」と製作の背景を紹介する。

 この作品で音楽を担当したのは、人気ドラマ「あまちゃん」の音楽を手がけた大友良英氏とSachiko M氏のコンビで、この2人は作品のストーリー作りにも大きく関与した。音楽面について大友氏は「地元、会津小松獅子団の方々、あまちゃんスペシャルビッグバンドのかなり多くのメンバー、ポップスのオーケストラである金原千恵子ストリングス、雅楽の奏者の方々と伝統的音楽からジャズ、ポップスそしてクラシックまで、あらゆる音楽の人たち、総勢30名が協力した」と語り、上映中にはそれら異ジャンルの音楽が1つになる瞬間があり、そこが1番の聞き所とSachiko M氏が付け加える。彼岸獅子はリズムが独特で、ほかの音楽とテンポなどがあわせづらかったが、「そこは科学のチカラを使ってなんとかした」と大友氏。

 高さ36.5メートル、6層からなる鶴ヶ城天守閣、その正面と向かって左側の2面をスクリーンに、各層を絵巻のようにして藤城氏の影絵の世界観を描き出した本作品、それを影で支えている「科学」とはどんなものなのか。

 上映に使われたプロジェクターは、カナダChristie社の1台1500万円、ランプだけでも100万円以上はする最新式プロジェクターだ。これを正面用に5台、側面用に5台の合計10台を使って投影を行なっており、明るさと鮮明さはともに圧巻の一言(ただし、正面一番下の層の正面側だけ、庭園内の樹木の関係で少し焦点があまい映像になる)。

 製作協力のエス・シー・アライアンス内田照久COOによれば「今年は映像の鮮明さにこだわった」という。使用しているプロジェクターそのものは、2013年のときももChristie製のものだが、1年でさらに画質や明るさが向上した新型が登場したので、そちらに切り替え、台数を減らして映像の精細さを向上させた」と説明する(プロジェクションマッピングでは明るさを強めるために、複数のプロジェクターの映像を重ね合わせる手法がよく用いられるが、投影画像の重ね合わせでは、プロジェクターの置き場所が違うことでどうしても映像の一部にブレが生じてしまう)。

 最高峰のプロジェクターに接続して映像を映し出しているのは「Tegara」社のロゴマークが張られたハイパフォーマンスPC(スペックは不明)。4台が収まったラックが2つあるが、左側は右側に何か問題が生じた時、即座に切り替わるバックアップ用だ。これらのコンピューターに、フランスETC社のOnlyview Remote Controlというソチオリンピックのオープニングなどでも使われたソフトウェアを用いて上映を行なっている。

 ラックのすぐ近くにはPhotoshopで各層の映像をレイヤー分け投影イメージ確認をすべく、MacBook Proも置かれていた。一般の家庭や業務用パソコンで映像を映し出す映像といえば、せいぜい30インチ程度のスクリーン3面くらいまでが精一杯(それでも、映像系などの特殊な仕事をしていないと、触れることがないだろう)。

 これに対して人間の大きさをはるかに超える巨大建造物全体をスクリーンにした豪華製作陣による立体的映像作品、ショップではおよそ手に入らない最高峰のPCと、最高峰のソフトウェア、そして最高峰のプロジェクターが描き出す映像スペクタクルを楽しむ機会は、残りあと20回だけ。是非とも週末には近隣の温泉と日本酒にも恵まれた会津若松に足を運んでみてほしい(なお、会津若松には、11年の歴史を持ち、PCを使った作品作りに興味がある高校生が全国から集まる「パソコン甲子園」が開催される会津大学もある)。

●鶴ヶ城プロジェクションマッピング はるか 2014 「庄助の春こい絵巻」

残りの上映の日時

19日(水)/20日(木)/21日(金・祝)、22日(土)/23日(日)
18:30~/19:15~/20:00~/20:45~
公式ホームページ:http://www.fukushimasakura.jp/tsurugajo/
送迎付き宿泊プランの申し込みページ:http://rurubu.travel/theme/area/local13/13a0293/

●東京の夜景を背景に最上級のメディア表現を堪能――MEDIA AMBITION TOKYO

 最先端のアート、映像、音楽、パフォーマンスが集まるテクノロジーアートのショーケース、Media Ambition Tokyoは六本木ヒルズ52階、展望台「TOKYO CITY VIEW」と青山にあるレクサスが手がけた話題のスペース「INTERSECT BY LEXUS」の2つの会場を用いて、2月7日から開催されているイベントだ。3月30日で終了する。毎日午後11時まで開催しており、平日の夜、会社帰りに気分をリフレッシュできるイベントとしても話題を呼んでいる。

 午後11時までオープンしている六本木ヒルズ会場(入場料1500円)には、RHIZOMATIKS(ライゾマティクス)やチームラボ、WOW、IMG SRC、高木正勝、渋谷慶一郎など名だたるクリエイターによる16作品が並ぶ。残念ながらWOWによる作品「Ophelia has a Dream」の展示は2月25日で終了してしまったが、残り15作品は3月末まで楽しむことができる。

 展望台入り口に飾られたサイネージもIMG SRC、NON-GRIDが手掛けた「MAT Flipdots Wall」という、オセロのコマのような白黒の丸いドットを反転させて文字や絵を描き出す作品だ。

 圧巻はライゾマティクスがレクサスと協力してつくった「Physical Presence」。先日、アップルがMacintosh 30周年を記念する特別サイトを公開し、新しい時代を築いてきた29組34人を紹介した。その中に、なんと日本人が3人含まれているが、その1人、真鍋大度氏が作った会社がライゾマティクスで、Perfumeのライブ時の映像やPVを手がけていることで有名。1989年、アイルトン・セナが鈴鹿サーキットを走った様子を音と映像で再現した「Sound of Honda – Ayrton Senna 1989 -」は今年の文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門の大賞を受賞している。

 まさに日本のトップクリエイターとしての存在感を放ち続ける集団だが、その彼らがレクサスと組んだ「Physical Presence」の展示では、東京の夜景が広がる六本木ヒルズ展望台の外側に向かって置かれたレクサスの特別車「LFA Nürburgring Package」にコンピューター制御の光と音、そして送風機の風で同車が街中に向かって走って行く様子を疑似体験できる展示となっている。

 ちなみに「LFA」とは「Lexus Future Advance」の略で、世界56カ国で500台だけ販売される限定車。この「LFA」500台のうち、50台はサーキットでの走行を重視した高性能仕様車で「ニュルブルクリンクパッケージ」と呼ばれており、2011年8月末、ニュルブルクリンク(北コース)での確認走行で量産車メーカーの市販車としては当時最速の7分14秒64を記録した車である。本展でもその車が使われている。

 同展示のすぐとなりには、大量のドローンによる乱舞が話題となったレクサスのCM「Amazing in MotionーSWARM」に登場したドローンの実機も展示されている。Mac 30周年サイトで紹介された人物といえば、音楽家で映像作家の高木正勝氏も本展に「うたがき」という作品を出品。東京で最も美しい夕陽が見えるスポットとしても人気の六本木ヒルズ「サンセットカフェ」に、床置きの箱状のスクリーンを3つ置き、そこにアフリカ・エチオピアの子供たちの元気な姿を暖かみのある視覚効果と快活なピアノのメロディーで映し出す。

 絶大な人気を誇るクリエイター集団、チームラボは「世界は、均質化されつつ、変容し続ける」を出品。床から天井、入り口から出口までが光の灯る巨大バルーンで埋め尽くされた部屋で、そのバルーンの1つに触れると(実際には少し強めに押すと)、そのタッチによってバルーンの色が変わっていく、と思ったのも束の間、変わった色が相互通信機能で部屋中のすべてのバルーンへと広がっていく――まるで何か1つの話題、1つのスキャンダルが出る度に、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアのタイムラインがその話題の色に染まっていくかのようだ。

 残念ながら展示が終わってしまったWOWの「Ophelia has a Dream」は、現在、同じ六本木ヒルズ52階で開催されている「ラファエロ前派展」にも展示中、ミレイの「オフィーリア」をモチーフとした作品で、デザイナーのミハラヤスヒロ氏が自身の2011年コレクション時にパリで発表したものだ。

 インタラクティブなインスタレーションを手がけたのは世界的に注目を集める気鋭のヴィジュアルデザインスタジオ、WOWで作品の前に立つと、自分の足下から伸びる影から木々の葉や蝶の影が飛び立ち、それが絵の中に吸い込まれていく、という絵画作品との一体感が得られる幻想的で繊細な作品だった。

 ここで15作品のすべてを紹介することはできないが、東京の風景が夜景に変わるのを楽しみながら、学生からトップクリエイターまでの作品を楽しめる本展は、コンピューターを使った最新表現に興味がある人なら1度は足を運ぶべき展示の1つだ。

●「Media Ambition Tokyo」

会場:六本木ヒルズ展望台TOKYO CITY VIEW
期間:3月30日まで。平日、日曜日、休日:~23時、金、土、休日の前の日:~25時
入場料:1500円
公式ホームページ:http://www.mediaambitiontokyo.jp/

・Physical Presenceオフィシャル動画
・Ophelia has a Dreamオフィシャル動画
・「世界は、均質化されつつ、変容し続ける」オフィシャル動画

●デジタルサイネージの最先端を探る――「INTERACTIVE CREATION CAMP」成果発表展

 iPadが登場する直前まで、都市や商業施設と、そこを往来する人々をつなぐメディアとして大きな期待を背負っていた「デジタルサイネージ」。しかし、iPadの爆発的なヒット以降、人々がタッチ操作に慣れてしまうと、話題に上ることが少なくなった。では、はたして「デジタルサイネージ」は斜陽なのか。

 2014年2月、一般社団法人インタラクティブ・コミュニケーション・エキスパーツが、ユーザーインタフェース・ユーザーエクスペリエンスをテーマとするワークショップ「INTERACTIVE CREATION CAMP」を開講。国際的に活躍する現役クリエイターたちが、UI表現の基礎知識と技術のレクチャーから、コンセプト立案、アウトプットに至るまでをフルサポートする内容で、29名の参加者が5つのデジタルサイネージ作品を制作した。テーマは「social good」。このうち、優秀作品5点がスパイラルガーデン エスプラナード(青山スパイラルホールの青山通りを見下ろす階段及び通路エリア)に展示されている。

 チームAによる「Look At Me!」は、歩きスマホに対する注意を喚起するサイネージで、サイネージの近くでスマホを覗き込んでいる人を見つけると、それをKinectセンサーが認識し、女性の声で、耳元でささやくようにして「ねえ、ねえ、こっちこっち」と語りかけ、通行人を振り返らせる。超指向性のスピーカーを、認識した人がいる方向に向け、位置感覚のつかみづらいささやき声を出すと、まるで耳元でささやかれているような錯覚に陥り、サイネージに目がいってしまう仕掛けだ。

 TEAM Bの「スマホリウム」は携帯キャリアショップに置くことを想定した新しい形のスマホ充電スペース。充電の進み具合に合わせて、スマホの背後に植物のツタなどが伸びていく。

 TEAM Cの「自分販売機」は3Dプリンタで自分模型を作るのが当たり前になった時代を想定し、自分自身をスキャンし、データなどの受け渡しができるサイネージになっている。

 TEAM Dの「Cloud Sending」は、飛行場の受付カウンター用のサイネージ。搭乗時、預ける荷物を重量計の上にのせると、制限まであとどのくらいの荷物を詰めるかを判断し、その余裕にあわせて、災害や貧困で苦しむ国の人々のために運んであげる支援物資の候補が現れる。横に用意された搭乗券のプリンタを使って紙のアニメーション表現を試みるなど繊細な表現が魅力。

 TEAM Eの「てあらいかがみ」は、手の動きを正確に認識するセンサーとして話題のLeap motionやWebカメラを使って、手に付いたバイキンを視覚化し、手を洗う習慣を身につけさせる洗面台鏡を想定したサイネージだ。

 これら5つのサイネージは、スパイラルホールに3月23日まで展示される。

●「INTERACTIVE CREATION CAMP 成果発表展 - あたらしいサイネージを、つくろう。」展

展示期間:~3/23(日)まで
場所:青山スパイラル・エスプラナード
公式ホームページ:http://i-c-e.jp/icc2014/

●より正確な画像と模型を追求してきた医療現場の歴史――「医は仁術」展

 ここまではデジタルアートが中心のイベントだったが、それとは別アングルの視点から、現代のコンピューター技術のすごさを味わえる展覧会も紹介しよう。

 Media Ambition Tokyoの紹介で、アップルが時代を変える新しい時代を切り開いた29組34人をMac 30周年記念サイトで取りあげ、そのうちの3人が日本人だったと前述した(実はこれに加えてもう1人、日系アメリカ人のジョン前田氏も入っている)。

 1人目はライゾマティクスを立ち上げた真鍋大度氏、2人目は音楽家で映像作家の高木正勝氏、そして残る3人目は医療画像の分野で世界が注目する先進事例を作り続けてきた神戸大学の杉本真樹医師だ。

 そしてこの杉本真樹氏が4人の監修で関わっているのが、東京は上野の国立科学博物館で展示が始まった「医は仁術」展だ(監修は杉本氏のほか、国立科学博物館理工学研究部 科学技術史グループグループ長の鈴木一義氏、順天堂大学特任教授の酒井シヅ氏、東京大学医学教育国際協力センター教授の北村聖氏の4名で行なっている)。

 この特別展は、まだ病気が魔性の仕業だと思われていたころの絵画から始まり、東洋と西洋から医術や薬学が伝わり、その技術と知識が日本の医師らによって和魂漢才、和魂洋才の精神で育まれ、3Dプリンタや3Dテレビを使った映像表現が可能になった現在に至るまでの進化を紹介した展覧会だ。

 江戸時代から始まる膨大な医術書を見ていくと、医療の現場において画像や模型による表現がいかに重要だったかが改めてよく分かる。

 海を渡って東西の医術が伝わってきたころには施術を行なう患部の図説に絵が使われていた。その後、西洋で解剖学によって徐々に人体の仕組みが解明され、それが蘭学書「ターヘル・アナトミア」となって日本に伝わり、罪人の腑分け(解剖)で、その正確さに驚いた杉田玄白らが翻訳書「解体新書」を記してからはm医療の世界における体内図がますます重要になってくる。とはいえ、当時は絵画しか体内の様子を伝える手立てがなく、絵の能力によって伝えられる内容もかなり左右されていた。

 これは模型も同じで、木で作られた正確な人骨の模型などがある一方で、人体模型によって縮尺などはまちまちになっていた。X線写真など、精密な医療画像が使われるようになったのは明治以降になってからだ。同展に並ぶ江戸から明治までの多数の史料を見ると、医学の世界がどれだけ正確な医療画像、正確な医療模型を渇望してきたかが強く感じられる。

 そして、その夢に答えたのが、現代のコンピューターテクノロジーである。展覧会第1会場の最後の部屋では、CTスキャンやMRIといった撮影技術のデータに基づいた体内の様子のプロジェクションマッピングや、3Dプリンタを使ったリアルな臓器模型が多数展示され、正常な肺と肺がんの肺、正常な心臓と心筋梗塞の心臓、正常な脳と脳梗塞の脳の違いなどを先の杉本真樹氏とファソテックが開発した日本発の最新3Dプリンティング技術、Bio-Texture Modelingを駆使した実寸の透明半模型で解説している。

 さらに第2会場では心臓や脳、肺などの触れる実寸模型も置かれている。中には心臓の模型があまりに大きくて「これは本物ではないのではないか?」と驚く人が多かったので杉本氏に聞いたみたところ「これは内臓脂肪の多い、日本人特有の中年男性の心臓です。現実はみなさんが教科書やメディアで洗脳されている握り拳大のCGとは違うことを実感してもらえればと思いました」という回答が返ってきた。

 最新の3Dプリンティング技術を駆使したうえで、さらに「肺モデルはカラーモデルを斜めに配置し、癌モデルを観音開きにデザインして内面がわかるように」するなど展示方法にいたるまで工夫をこらした展覧会となっている。

 ちなみに冒頭で紹介した鶴ヶ城プロジェクションマッピングでも、「あまちゃん」のスタッフが音楽を手がけていたことを紹介したが、本展の1番最後の部屋も、「あまちゃん」に幾度となく登場したパラパラ漫画の作者、鉄拳さんの「医は仁術」をテーマにしたパラパラ漫画で締めくくられている。

 2014年、ただPC本体にディスプレイを繋いで、Webブラウザや電子メールを閲覧し、事務用アプリケーションで作業するという、コンピューターの使い方は、今後もしばらくなくなることはないだろう。

 だが、ポストPC時代の今、コンピューターの最先端は、いわゆるディスプレイを飛び出して、より大きなキャンバスや、よりインタラクティブな表現、よりリアルな立体表現などを目指して多彩な進化を続けている。

 デジタル世界のクリエイターは、元来、人間の感覚に対してリアルな映像、リアルな音、リアルな触感などを提供しようとしていたはずが、20世紀まではコンピューターの性能などが追いつかず、映像や音の解像度を下げた表現しかできなかった。

 しかし、21世紀に入って、ポケットに収まるスマートフォンですら、高い解像度の映像や音でリアルな表現を可能にし、3Dプリンティング技術も発達してきた。そんな現在のコンピューターテクノロジーの最前線を知るには、こうした展覧会に足を運ぶことこそが大事だと思う。

 なお、今回の記事で紹介したようなデジタルアート作品に興味がある人で、東京在住の人は、アート情報サイト「TOKYO ART BEAT」( http://www.tokyoartbeat.com/ )、関西が近い人は「KANSAI ART BEAT」( http://www.kansaiartbeat.com/ )のトップページから「その他」を選び「ジャンルで探す」という項目から「デジタル」を選択することで検索することが出来る。

●「医は仁術」展

展示期間:~6/15(日)
時間:午前9時~午後5時(金曜日は午後8時。入館は30分前まで。毎週月曜日休館)
場所:国立科学博物館(東京・上野公園)
公式ホームページ:http://ihajin.jp/

●スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツのお気に入りに会える――「魅惑のニッポン木版画」展

 今日、私たちが使っているパソコンの生みの親というと、誰もが真っ先に思い受かべるのがアップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズとマイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツの2人だろう。このパソコン文化を世界に広げた2人には、ある共通の趣味があったのをご存じだろうか。

 実は2人とも浮世絵の近代化、復興を目指した「新版画」のファンなのだ。

 ゴッホを始めとする世界中の画家に影響を与えた浮世絵だが、日清戦争以後は安価な石版画や写真、大量印刷技術によって姿を消していった。そんな中、明治30年ごろから、それまでの浮世絵と同様に絵師、彫師、摺師(すりし)の分業体制で、浮世絵の近代化、復興を目指した「新版画」という運動が起こる。

 その代表的作家の1人が橋口五葉氏で、氏の作品「髪梳ける女(かみすけるおんな)」はスティーブ・ジョブズのお気に入りだ。30年前の1984年、、初代Macintoshの発表会でも、大画面につないだMacintoshのデモ画面の冒頭にスーザン・ケアによって白黒で描き直された本作が登場している。

 スーザン・ケアは初代Macのグラフィック担当デザイナーで、初代Mac OSのほとんどのアイコン、ほとんどのフォントの文字を1人で手がけた人物だ。彼女が作品を販売するWebサイトの説明によれば「Woodcut」と名付けられた本作品は、ジョブズが所蔵していた橋口五葉の「髪梳ける女」を、初代Mac開発チームのビル・アトキンソンが開発中のスキャナで取り込み、それをスーザン・ケアが清書したようだ。

 大学時代にカリグラフィに興味を持ち、そこで学んだプロポーショナルフォントを取り入れたことや、ほかの重役の反対を押し切り、Mac本体よりも高価だったレーザープリンタを商品化したことで、初代Macは現在のほとんどの印刷物の製作に使われているDTP(Desktop Publishing)という文化を生みだした。しかし、ジョブズの印刷に対する造詣の深さは、フォントだけに留まらなかったことがこの逸話から伺える。

 一方、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、川瀬巴水の展覧会に訪れると、画廊に展示中だった全作品を買い取っていったという逸話がある。コンピューター文化創造の中心にいる2人が、日本の豊かな表現に心ひかれていたのは、日本人として何とも誇らしい。

 さて、このジョブズお気に入りの橋口五葉と、ゲイツお気に入りの川瀬巴水の作品が同時に楽しめる展覧会が横浜美術館で行なわれている。同館の開館25周年を記念して開催されている展覧会「魅惑のニッポン木版画」」だ。

 同展ではカルタや千代紙といった日常の生活用品に、アート性の高い木版画が使われていた江戸時代の豊かな日常から始まって、新版画や西洋版画の影響を受けた大正から昭和、日本の版画が国際的な舞台で注目を集めた1950年以降、そしてインスタレーション作品や商業製品に活用されている最新の版画作品にいたるまで、合計220点を集めた大規模な展覧会となっている。

 スティーブ・ジョブズは、アップルという会社を通して「人類そのものを前進(進化)させる」道具を作っていきたいと考えていた。しかし、パソコンという何でもできる魔法の道具が世に広がると、その先の大きな目標を忘れて、ただコンピューターを使うことそのものを目的とする人々も増えてしまった。ジョブズやゲイツが見ていた“その向こう側”にある豊かな暮らしとは何なのか。その豊かな風景のヒントを、この展覧会で見つけることができるかもしれない。

 最後にスティーブ・ジョブズの親友でピクサー・アニメーションスタジオのクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ラセターの座右の銘を紹介して、本稿を締めくくりたい。

「アートがテクノロジーに挑戦し、テクノロジーがアートにインスピレーションを与える」

 人類の歴史を振り返ってみると、常にそうだったのではないかと思う。より素晴らしい表現をしたいと望むアーティストがより高度な技術を求め、技術者が難しい要件に応えて素晴らしい技術を提供すると、それに勇気づけられてアーティストがさらに高度な表現に挑む。歴史的な視点が盛り込まれた「医は仁術」展と「魅惑のニッポン木版画」展では、まさにそんなことを実感できる。

●「魅惑のニッポン木版画」展

期間:~5月25日(日)(木曜休館)
時間:午前10時分~午後6時まで(入館は17時30分まで)
場所:横浜美術館
公式ホームページ:http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2014/woodcut/index.html

2014年03月18日 (19:50)

癌ではない方へ

ここ数十年、いくつかの新しい抗がん剤や、サイバーナイフなどの新しい放射線治療が出てきておりますが、
まだまだ5年生存率の大きな改善などには至っていないのが現状です。
活性リンパ球療法、ウイルス療法などの治療法も余命改善を裏付けるようなデータはなく
あくまでもQOLの改善程度の実績しかないのが現状です。
遺伝子治療などは臨床試験を考えると10年以上先になるのは確実と見られているため、
あまり現実的ではありません。
まずは癌にならないように、早めの検査、食生活の見直し、生活習慣の見直し、ストレス、環境などを注意することが必要です。
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