ガン完全克服マニュアル

当ブログはガンを克服するための最新治療法を全て掲載しています。
ガンの部位別に適した治療法のわかる国内最大級の完全データベースです。

2009年1月28日より、新しく掲示板と、病院評価ランキングを追加しました。 どんどん活用して下さい。


癌部位別検索
■脳腫瘍            ■胃癌             ■膀胱癌

■食道癌            ■小腸癌            ■腎臓癌 

■咽頭癌            ■直腸癌            ■リンパ腫     

■喉頭癌            ■大腸癌            ■メラノーマ

■舌癌              ■十二指腸癌         ■白血病       

■耳下腺癌           ■結腸癌            ■脂肪肉腫

■甲状腺癌           ■肝臓癌            ■骨腫瘍     

■肺癌              ■胆管癌 

■胸膜中皮腫         ■膵臓癌

■小細胞肺癌         ■卵巣癌

■扁平上皮癌         ■子宮体癌

■乳癌              ■子宮頸癌

■炎症性乳癌         ■前立腺癌

 

 

癌治療法検索

■凍結療法           ■WT-1療法            ■アバスチン 

■ラジオ波            ■HF10ヘルペス療法       ■サリドマイド

■ハイパーサーミア      ■アデノウイルスベクター

                    ■テロメライシン          その他治療法

                    ■Gendicine            ■フコイダン療法

特殊抗がん剤治療法     ■Rexin-G             ■アロマターゼ阻害剤

■カフェイン併用化学療法  ■Advexin             ■イルソグラジン 

■血管内治療                                ■シメチジン

■クロノテラピー                              ■COX2-阻害剤

                                         ■マクロライド療法 

                   放射線治療             ■ゾメタ

免疫療法             ■重粒子線              ■骨セメント療法          

■NKT免疫細胞療法     ■陽子線

■樹状細胞療法        ■4次元照射            癌の疼痛対策

■丸山ワクチン          ■ノバリス              ■神経ブロック        

■蓮見ワクチン                             ■オピオイドローテ

■BCG療法

日本生化学大会で発表された新しい癌治療法SOLWEED

↓最近話題の全ての癌に対して効果のある新しい治療法は下をクリック↓
フコキサンチン
↑多くの方がガンを克服したと話題の抗癌成分です↑

2015年02月28日 (17:05)

進行または転移性尿路上皮癌のセカンドラインとしてramucirumabとドセタキセルの併用が有用な可能性【ASCO GU2015】

 進行または転移性尿路上皮癌のセカンドラインとして、抗VEGFR2抗体ramucirumabとドセタキセルの併用が有用である可能性が明らかとなった。ramucirumabとドセタキセル併用群とドセタキセル単独投与群を比較した無作為化フェーズ2試験JCDCの中間解析で、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意な延長がramucirumabとドセタキセル併用群で認められたもの。2月26日から28日まで米国オーランドで開催されているGeneitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2015)で、米Yale University Medical CenterのDaniel Peter Petrylak氏によって発表された。

 JCDC試験はオープンラベル多施設無作為化フェーズ2試験で、局所進行または転移性の白金製剤抵抗性尿路上皮癌(移行上皮癌)を対象に、ドセタキセルの単剤投与、ドセタキセルとramucirumabの併用投与、ドセタキセルと抗VEGFR1抗体icrucumabの併用投与を比較するもの。予定された中間解析の結果が今回発表された。

 進行尿路上皮癌患者でECOG PS 0-1の白金製剤ベースレジメンから1年以内に増悪した適格患者を、21日を1サイクルとして1日目にドセタキセル75mg/m2のみを投与する群(44人、単剤投与群)と1日目にドセタキセルに加えてramucirumab10mg/kgを投与する群(46人、ramucirumab併用投与群)、1日目にドセタキセルに加えてicrucumab12mg/kgを投与する群(49人、icrucumab併用投与群)に割り付けた。投薬は病勢が進行するか受容不能な毒性が発現するまで継続された。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、安全性などだった。予定されていた中間解析はPFSイベントが75%発生した後で行われた。

 3群の患者背景はよくバランスがとれていた。年齢中央値は単剤投与群が69.0歳、ramucirumab併用投与群が67.5歳、icrucumab併用投与群が66.0歳だった。男性は単剤投与群が77%、ramucirumab併用投与群が80%、icrucumab併用投与群が78%。内臓転移のある患者は単剤投与群が52%、ramucirumab併用投与群が59%、icrucumab併用投与群が61%だった。

 中間解析の結果、PFS中央値は単剤投与群が10.4週(95%信頼区間:6.7-16.9)、ramucirumab併用投与群が22.0週(同:9.3-30.0)、icrucumab併用投与群が7.0週(同:6.0-12.0)だった。ramucirumab併用投与群の層別化ハザード比が0.388(95%信頼区間:0.22-0.68)、層別化p<0.001、icrucumab併用投与群の層別化ハザード比が0.988(95%信頼区間:0.61-1.59)、層別化p=0.932で、ramucirumab併用投与群が有意に延長していた。ramucirumab併用投与群と単剤投与群のPFSサブグループ解析の結果、いずれもramucirumab併用投与群が優位だった。

 OSは未成熟な段階だったが、中央値は単剤投与群が33.4週(95%信頼区間:24.6-44.4)、ramucirumab併用投与群が48.9週(同:30.1-65.9)、icrucumab併用投与群が27.7週(同:17.0-37.0)だった。ramucirumab併用投与群の層別化ハザード比が0.775(95%信頼区間:0.43-1.38)、層別化p=0.387、icrucumab併用投与群の層別化ハザード比が1.098(95%信頼区間:0.64-1.86)、層別化p=0.754だった。

 奏効率は単剤投与群が5%、ramucirumab併用投与群が20%(p=0.050)、icrucumab併用投与群が10%(p=0.440)、疾患制御率は単剤投与群が43%、ramucirumab併用投与群が67%(p=0.033)、icrucumab併用投与群が31%(p=0.281)だった。

 ramucirumab併用投与群で5%以上多く認められたグレード3以上の治療関連副作用は倦怠感(併用投与群33%、単剤投与群11%)、発熱性好中球減少症(20%、11%)、下痢(7%、2%)、口内炎(7%、0%)、血小板減少症(7%、0%)だった。
スポンサーサイト

2015年02月28日 (11:00)

中リスク前立腺癌に対し短期アンドロゲン除去療法と放射線療法の併用は有用性が高い【ASCO GU2015】

 中リスク前立腺癌において、短期のアンドロゲン除去療法(ADT)と放射線療法との併用は、放射線療法単独よりも、生化学的再発を抑制し、無病生存期間(DFS)を改善することが、前向き多施設共同ランダム化フェーズ3試験(PCS III)で明らかになった。カナダCentre Hospitalier Universitaire de SherbrookeのAbdenour Nabid氏らが、2月26日から28日まで米国オーランドで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2015で発表した。

 PCS(Prostate Cancer Study)IIIには、2000年12月から2010年9月に、中リスク前立腺癌患者600人が登録された。中リスク前立腺癌は、T1-T2、Gleasonスコア6以下、PSA値10-20ng/mLもしくはT1-T2、Gleasonスコア7、PSA値20ng/mL以下と定義された。

 患者は、6カ月間の短期ADTと線量70Gyの放射線療法を行う群(RT70群)、短期ADTと76Gyの放射線療法を行う群(RT76群)、線量76Gyで放射線療法のみを行う群(RT単独群)の3つに分けられた(各群200人)。

 短期ADTには、ビカルタミドとゴセレリンが用いられ、放射線療法の前に4カ月間、放射線療法と同時併用で2カ月間投与された。

 放射線療法は1回2Gyで、短期ADTとの併用群では短期ADT開始から4カ月後に始められ、RT単独群ではランダム化後4週以内に開始された。RT70群では7週間で70Gy、RT76群は7.5週間で76Gy、RT単独群も7.5週間で76Gyが照射された。

 主要評価項目は生化学的再発およびDFSで、副次評価項目は全生存期間(OS)とホルモン療法および放射線療法による毒性であった。

 患者背景は3つの群においてバランスがとれていた。年齢中央値は71歳、PSA中央値は10ng/mL、Gleasonスコアの中央値は7だった。ただしPSA値10-20ng/mLの人がRT70群60.5%、RT76群49.5%、RT単独群60.0%であり、RT70群とRT76群、RT76群とRT単独群では有意な違いがあった。

 フォローアップ期間中央値75.4カ月において、生化学的再発(nadir+2)は84人(14%)に見られた。RT70群では12.5%、RT76群は8.0%、RT単独群では21.5%であり、RT70群とRT76群に有意差はなかったが、RT70群とRT単独群(p=0.023)、RT76群とRT単独群(p<0.001)では有意差があった。

 生化学的再発率は5年時点で、RT70群7.8%、RT76群2.4%、RT単独群13.2%であり、10年時点ではRT70群23.4%、RT76群16.6%、RT単独群34.5%となった。5年時点も10年時点も、RT70群およびRT76群はRT単独群と有意な違いがあった。

 また骨転移の割合が、RT70群では0.5%、RT76群は1.5%だが、RT単独群では5.0%に見られ、RT70群とRT単独群で有意差があった(p=0.011)。リンパ節転移の割合は3群で有意な違いはなかった。

 5年DFS率はRT70群93.1%、RT76群97.6%、RT単独群86.3%で、10年DFS率はそれぞれ77.2%、89.8%、64.7%だった。5年DFS率はいずれも有意差が認められたが、10年DFS率はRT70群とRT単独群(p=0.01)、RT76群とRT単独群(p<0.001)で有意差が示された。

 全体で113人(18.8%)が死亡し、前立腺癌による死亡は6人(1%)で、3群間に有意な違いはなかった。

 OSについて、5年生存率はRT70群90.8%、RT76群95.1%、RT単独群92.8%、10年生存率はそれぞれ63.8%、69.8%、78.3%だった。生存率についてはいずれも有意な差はなかった。

 以上のことから、中リスク前立腺癌において、短期ADTと放射線療法との併用は、たとえ低線量であっても、放射線療法単独よりも、生化学的再発を抑え、良好なDFSが得られるが、OSの改善には反映されなかったとまとめた。

2015年02月27日 (17:18)

精巣腫瘍の既往歴がある男性は前立腺癌のリスクが高い、前立腺癌の検査を【ASCO GU2015】

 精巣腫瘍の既往歴がある男性は、前立腺癌、特に中リスク/高リスクの前立腺癌の発症リスクが高いことが、米国の癌登録システム(SEER)のデータを用いた後ろ向きケースコントロール研究で明らかになった。米国University of Maryland Medical CenterのAndrew John Riggin氏らが、2月26日から米国オーランドで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2015)で発表した。

 これまでの疫学研究で、精巣腫瘍の既往歴がある男性は前立腺癌を発症する割合が高いことが報告されている。そこで研究グループは精巣腫瘍の既往歴と中リスクおよび高リスクの前立腺癌との関連性を調べた。

 18のSEERデータを用いて、40歳以上で、精巣腫瘍の既往歴がある男性と、前立腺癌とは関連性がないと考えられている悪性黒色腫の既往歴がある男性とを比較した。前立腺癌は、精巣腫瘍もしくは悪性黒色腫の診断後少なくとも5年経って発症した場合のみとした。

 精巣腫瘍の既往のある男性32435人(精巣腫瘍群)と悪性黒色腫の男性147044人(悪性黒色腫群)を解析対象とした。

 前立腺癌を発症した人は精巣腫瘍群で376人、悪性黒色腫群で2829人だった。中リスク/高リスクの前立腺癌(Gleasonスコア7以上)は、それぞれ162人、1063人であった。

 80歳までの前立腺癌の累積発症率は、精巣腫瘍群では12.6%、悪性黒色腫群は2.8%だった(p<0.0001)。同様に中リスク/高リスクの前立腺癌は、精巣腫瘍群では5.8%、悪性黒色腫群で1.1%だった(p<0.0001)。

 単変量解析では、前立腺癌の発症に関し、癌の既往歴(精巣腫瘍、悪性黒色腫)と放射線療法の治療歴(あり、なし)が有意な因子だった。中リスク/高リスクの前立腺癌の発症に関しても同様の結果であった。

 多変量解析では、癌の既往歴のみが有意な因子で、精巣腫瘍の悪性黒色腫に対するハザード比は4.7(p<0.0001)となった。また中リスク/高リスクの前立腺癌の発症に関する精巣腫瘍のハザード比は5.2(p<0.0001)であった。

 以上のことから、精巣腫瘍の既往は前立腺癌および中リスク/高リスクの前立腺癌の高い発症リスクと有意に関連しており、「精巣腫瘍の既往歴がある男性は前立腺癌のリスクとスクリーニングの有用性について、医師と相談すべきである」とした。

2015年02月27日 (11:37)

米国では2011-2013年に中間リスクまたは高リスクの前立腺癌が約6%増加【ASCO GU2015】

 米国では、2011年から2013年までに、中間リスクまたは高リスクの前立腺癌と診断された男性の割合が約6%増加していることが、データベースNational Oncology Data Alliance(NODA)を用いた解析からわかった。2月26日から28日までオーランドで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2015)で、米City of Hope National Medical CenterのMatthew David Hall氏が発表した。

 米国予防医学作業部会(USPSTF)は、2011年、前立腺癌を疑わせる症状がない男性を対象としたPSAを用いた前立腺癌検診は、年齢に関わらず行わないよう勧める勧告(案)を発表した。2012年5月には、最終的な形で発表されている。

 Hall氏らは、2005年から2013年までに前立腺癌と診断された患者について、PSAとNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)リスク分類の評価を行うことを目的として、本研究を行った。

 解析対象は、2005年1月から2013年6月までに前立腺癌と診断された8万7562人。患者のデータの収集には、米国の150以上の病院で新たに癌と診断された症例を記録している独自のデータベースで、米国外科学会(ACOS)の基準に従って作成されているNational Oncology Data Alliance(NODA)を利用した。NODAを選択した理由は、解析時において、2011年から2013年のデータが米国国立癌研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)のデータベースでは入手できず、NODAでは入手可能だったためだった。ただし、NODAのデータは、国の癌登録(state tumor registries)に提出されるものと同じであり、最終的にはSEERと同じものとなる。

 診断日、年齢、人種、T stage、Gleasonスコア、PSA、転移病変の有無に関するデータを収集し、局所病変を有する患者をNCCNリスク分類で分類した。発症の頻度は診断日で検討し、6カ月間隔でグループに分けた。

 全対象の年齢中央値は66歳、白人が81.7%、cT stageではT1が66.5%で最も多かった。Gleasonスコアでは6が42.6%で最も多く、次いで7の39.3%だった。PSAが10ng/mL未満の患者は60.7%だった。NCCNリスク分類では、低リスクは26.9%、中間リスクは35.9%、高リスクは28.7%となり、転移は5.3%で認めた。

 2005年から2011年までは、PSAが10ng/mLを超える中間リスクまたは高リスクの男性の割合は徐々に減少した。しかし、2011年から2013年までの間は、この割合は1年あたり3%増加していた(p<0.0004)。75歳以上でPSAが10ng/mLを超える男性の割合は、2011年以降は1年あたり5.8%増加し(p<0.015)、75歳以上の男性では、この増加率が2011年から2013年の間に全年齢層の約2倍となっていた。

 Gleasonスコアでは顕著な傾向はみられなかった。T3-T4の割合は、2011年に増加した以降は明らかな変化はなく、期間全体で減少していた。

 NCCN分類では、2011年以前の中間リスクまたは高リスクの割合は70-73%で安定していたが、2011年以降は1年あたり2.9%増加し(p<0.003)、プラトーは認められなかった。

 SEERプログラムによると、米国では2014年に新たに23万3000人に前立腺癌が発症すると推定されている。10年時の前立腺癌特異的生存率は、低リスクでは95%を超え、中間リスクでは75-90%、高リスクでは60-80%となる。

 今回のデータからは、2011年以降、約6%の男性が低リスクから高リスクに移行しており、1年あたり約1万4000人でより高いリスクに移行することが示唆されている。1年あたりの前立腺癌による死亡は、従来の推定よりも1400件以上増加すると推定される。

 今回の検討は、2011年のUSPSTFの勧告が発表されてから初めて前立腺癌の発症の変化を評価したものとなる。Hall氏は、「今回の結果がUSPSTFの勧告に帰するものになりうるか否かは確かではない」としている。

 NCCNと米国癌協会はPSAスクリーニングを支持している。Hall氏は、PSAスクリーニングについて、「治療が不要な男性にも前立腺癌を診断することにつながる。前立腺癌患者全員に治療が必要な訳ではなく、現実に即さないスクリーニングプログラムは有害となる」とコメントした。

 同氏は「今回発表したデータは、SEERによる発表がまだされていないものであり、前立腺癌の診断における早期の指標である。解釈には注意が必要」としている。

2015年02月26日 (16:57)

エリブリンの単剤投与が軟部肉腫を対象としたフェーズ3試験でOSを有意に延長、今年上期に適応拡大申請へ

 エーザイは、2月25日、軟部肉腫を対象としたフェーズ3試験である309試験で、抗癌剤のエリブリンの単剤投与が対照薬であるダカルバジン投与群に比較して全生存期間(OS)を統計学的に有意に延長し、主要評価項目が達成されたと発表した。エーザイは、309試験の結果に基づいて、2015年度上期中に日本、米国、欧州で、エリブリンの軟部肉腫への適応拡大申請を行う予定だ。

 現在進行または再発の軟部肉腫の治療薬で、フェーズ3試験においてOSの延長が報告された薬剤はないという。

 309試験は、欧米を中心に実施された試験。アントラサイクリン系抗癌剤治療を含む少なくとも2レジメンの前治療後に増悪した進行または再発の軟部肉腫(平滑筋肉腫または脂肪肉腫)の患者452人(18歳以上)を対象に、エリブリンとダカルバジンの有効性および安全性を比較した、多施設共同の非盲検、無作為化フェーズ3試験だ。

 309試験のエリブリン投与群で確認された主な有害事象は、好中球減少、疲労、悪心、脱毛、便秘などで、これまでにエリブリンの投与で認められた安全性プロファイルと同様だった。

 試験結果の詳細は、今後、学会で発表される予定だ。

2015年02月26日 (11:23)

BRAF阻害薬ベムラフェニブがBRAF変異を持つ悪性黒色腫対象に発売

 中外製薬は2月26日から、BRAF阻害薬ベムラフェニブをBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を対象に販売開始した。2014年12月26日に製造販売承認を取得し、2015年2月24日に薬価基準に収載されたことによるもの。

 患者に投与する場合にはBRAF遺伝子変異の有無を判定することが必要となるが、判定キットは2月1日から保険適応となっている。ベムラフェニブは、米国では2011年、欧州では2012年に、成人におけるBRAF V600 遺伝子変異を有する治癒切除不能または転移性悪性黒色腫に対する治療薬として承認されている。

 国内における悪性黒色腫の全ステージの新規年間罹患数は1300人から1400人とされているが、患者数は年々増加しているという。また患者の約30%から40%にBRAF遺伝子変異が認められている。

 ベムラフェニブの用法・用量は、通常、成人には1回960mgを1日2回経口投与する。薬価は1錠240mgで4935.50円。製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することとされている。

2015年02月25日 (16:15)

多発性骨髄腫に対しHDAC阻害剤panobinostatが米国で迅速承認

 スイスNovartis社は2月23日、多発性骨髄腫に対して、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤であるpanobinostat(LBH589)が、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認制度の下で承認されたと発表した。これによりpanobinostatは多発性骨髄腫治療薬として最初のHDAC阻害剤となる。

 panobinostatは、ボルテゾミブと免疫調整剤(IMiD)を含む少なくとも2レジメンによる治療を受けた多発性骨髄腫患者に対し、ボルテゾミブとデキサメタゾンとの併用で承認された。

 この承認は、無作為化二重盲検プラセボ対照の国際的多施設共同フェーズ3試験PANORAMA-1 (PANobinostat ORAl in Multiple MyelomA) において、ボルテゾミブとIMiDによる治療歴がある患者193人を対象としたサブグループ解析の有効性と安全性のデータに基づく。PANORAMA-1試験には日本も参加している。

 サブグループ解析の結果、panobinostatによる治療を受けた患者の無増悪生存期間(PFS)は対照群(ボルテゾミブとデキサメタゾン併用療法)に比べて延長した。panobinostat群(94人)のPFS中央値は10.6カ月、対照群(99人)は5.8カ月だった(ハザード比0.52、95%信頼区間:0.36-0.76)。

 臨床試験における主な有害事象(発生頻度20%以上)は、下痢、倦怠感、吐き気、末梢浮腫、食欲低下、発熱、嘔吐だった。主な非血液学的検査異常(発生頻度40%以上)は、低リン酸血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、クレアチニン上昇であった。主な血液学的検査異常(発生頻度60%以上)は、血小板減少症、リンパ球減少症、白血球減少症、好中球減少症、貧血だった。

 panobinostatは、重度の下痢や心毒性を含む致死的で重篤な毒性を引き起こす可能性がある。重度の下痢はpanobinostat治療を受けた患者の25%で発生した。重度の不整脈とECG変化を含め、重篤な心虚血イベントも報告されている。

 重篤な有害事象(SAE)は、panobinostatとボルテゾミブ、デキサメタゾンによる治療群では60%に、対照群では42%に認められた。panobinostat群で見られた主な緊急性のあるSAE(発生頻度5%以上)は、肺炎(18%)、下痢(11%)、血小板減少症(7%)、倦怠感(6%)、敗血症(6%)だった。 また重篤な有害事象として、出血、骨髄抑制、感染症、肝毒性、胚・胎児毒性も報告されている。

2015年02月25日 (10:54)

欧州で未治療の多発性骨髄腫患者にもレナリドミドが適応に

 米Celgene社の全額出資子会社であるスイスCelgene International Sarl社は、2015年2月20日、欧州委員会が、成人の多発性骨髄腫患者で、治療歴は無く、移植は適応にならない人々にレナリドミドを適用することを承認したと発表した。

 欧州ではレナリドミドは、治療歴のある成人の多発性骨髄腫患者にデキサメタゾンとともに投与されている。今後は、EU加盟28か国とノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドにおいて、新規診断患者にもレナリドミドが適用できるようになる。

 承認はMM-020(FIRSTとも呼ばれる)とMM-015という2件の臨床試験の結果に基づく。

 MM-020は、この適応症に関する最大規模の無作為化フェーズ3で、オープンラベルで行われた。移植が適用できない新規診断多発性骨髄腫患者1623人を登録し、レナリドミド+デキサメタゾンを28日サイクルで進行が見られるまで継続投与、または、レナリドミドを72週後まで18サイクル投与、もしくは、メルファラン+プレドニゾン+サリドマイド(MPT)を72週後まで投与のいずれかに割り付けた。主要評価項目に設定された無増悪生存期間は、MPT群と18サイクル群に比べ、継続投与群で有意に長かった。2014年3月3日の中間解析の時点で、全生存期間の中央値は継続投与群が58.9カ月、MPT群は48.5カ月でハザード比は0.75(95%信頼区間:0.62-0.902)になった。グレード3以上の有害事象を経験した患者の割合は3群間で同等だった。最も多く見られたグレード3または4の有害事象は、好中球減少症、貧血、感染症だった。

 MM-015は、二重盲検の多施設フェーズ3試験で、65歳以上の新規診断多発性骨髄腫患者459人を登録し、メルファラン+プレドニゾン+レナリドミド(MPR)を用いた導入療法を行い、続いてレナリドミドのみを継続投与するグループ(MPR-R群)、または、MPR導入療法を行い、その後偽薬を投与するグループ(MPR群)、メルファラン+プレドニゾン(MP)を用いた導入療法を行い、続いて偽薬を投与するグループ(MP群)に割り付けた。無増悪生存期間は、MPR群、MP群に比べ、MPR-R群で有意に長かった。全生存期間には差は認められなかった。導入療法中に多く見られた有害事象は、好中球減少症、血小板減少症、貧血などだった。維持療法中に新たに発生した、または悪化したグレード3または4の有害事象の発生率は低かった(0-6%)。

 同社は2015年2月18日に、米食品医薬品局(FDA)がレナリドミドの適応拡大を承認し、新規診断多発性骨髄腫患者にデキサメタゾンと併用することを認めたと発表している。

2015年02月24日 (16:38)

がん細胞にナノの孔開ける組織再生可能の「ナノナイフ」とは

 近年、肝臓がんの局所治療としてラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法が実施され効果を挙げている。ラジオ波電流を流し、組織の温度を100℃に上げ、やけどを起こすことで、がん細胞を死滅させる。しかし、太い血管のそばにあるがん細胞は、血液の温度でラジエター効果が起こり、十分に温度が上がらないため、再発の可能性もあった。

 昨年から日本で初めて臨床研究が始まっているのが、ナノナイフ(不可逆電気穿孔〈せんこう〉療法)だ。がん細胞に、ごく短い時間内に高圧電流を流し、がん細胞にナノメートル(1ナノメートル10億分の1メートル)の孔(あな)を開け、死滅させる治療だ。

 ナノナイフは、超音波やCT画像を見ながら、がんの場所に針同士が平行になるように外から2~6本の針を刺す。そこに、1秒間に1回3000ボルトの高圧電流を1万分の1秒流し、がん細胞に孔を開ける。例えば、2センチのがんの場合は、2本の針を刺し、1秒に1回の割合で100回打つ。

 このとき、プラス針からマイナスの針に電気が流れ、がん細胞に孔が開く。治療時間は1分40秒だ。大きながんで6本の針を刺した場合は、電流の通り方は10通りになり、治療時間は約16分かかる。東京医科大学病院消化器内科の森安史典主任教授に話を聞いた。

「これは、そばに血管があっても治療できます。血管の内皮(ないひ)細胞と平滑筋(へいかつきん)細胞には孔が開きますが、血管そのものの構造は保たれます。内皮細胞は2日間で再生し、平滑筋細胞も2週間で再生します。血流が回復するため、幹細胞が細胞分裂し、組織の再生が始まります」

 ナノナイフは、3000ボルトの高圧電流を流すので、横隔膜などの筋肉痙攣の予防と、がん細胞から針がずれないようにするため、全身麻酔で筋弛緩剤を使用する。麻酔のリスクがある場合は、治療の対象にはならない。また、不整脈予防で心臓の収縮期に1秒に1回というペースで電流を流すために、心肺に疾病を持っている人や不整脈の人も治療の対象にはならない。すでに肝臓がんについては、10症例で実施し、効果が出ている。

 現在、膵(すい)がんの臨床研究に向けて、エントリーを受け付けている。膵がんは、周囲に太い血管が多く、浸潤(しんじゅん)していて手術できない症例が多い。今後は転移がない局所進行膵がん(ステージ4A)に対して治療の予定だ。ナノナイフ治療で、がんが小さくなった後に手術する、ダウンステージ効果も期待できる。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2015年3月

2015年02月24日 (11:23)

新規抗がん剤「Lenvima」、甲状腺がんを適応し、世界に先駆け米国で発売-エーザイ

臨床第3相試験で、無増悪生存期間を有意に延長

エーザイ株式会社は3月2日、同社米子会社であるエーザイ・インクが、新規抗がん剤「Lenvima(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を米国において新発売したと発表した。適応は、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん。発売日は現地時間の2月26日で、米国での発売が同剤の世界で初めての発売となった。



同剤は、プラセボを対照とした臨床第3相試験(SELECT試験)において、無増悪生存期間を有意に延長し、高い奏効率を示した。同剤投与群で認められた主な副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少。米国においては、優先審査に基づき、今年2月13日に米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得していた。

日本を含む8つの国または地域で承認を申請中

Lenvimaは、エーザイの筑波研究所で創製された新規抗がん剤で、腫瘍血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬。特に甲状腺がんの腫瘍血管新生、腫瘍増殖に関与するVEGFR、FGFRおよびRETを同時に阻害する。また、VEGFR2とのX線結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されている。

同剤は、現在、甲状腺がんに係る適応で、日本、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルで承認申請中であり、欧州では迅速審査品目に指定されている。また、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第3相試験、腎細胞がん、非小細胞肺がん、子宮内膜がんなど複数のがん腫を対象にした臨床第2相試験が進行中だ。(遠藤るりこ)

▼外部リンク
・エーザイ株式会社 ニュースリリース

2015年02月23日 (17:01)

野菜や果物中心で乳がんのリスクが下げられる、特に閉経後の女性で大切に

「ジャガイモ」+「肉」で危険度が約1.3倍、肉食でリスク増大!?
がん

 野菜や果物中心の食事が乳がんの低リスクと関連していることが分かった。

 米国とカナダなどの研究グループが、アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌で2015年2月11日に報告した。

乳がんと関係した食事パターンを調べる

 乳がんの原因における食事と危険度の関係についてはこれまでも検証は進んでおり、今回新たな根拠が出てきたことになる。

 研究グループは、まず乳がんに関係しそうな食事のパターンについて当たりを付けた。

 使ったデータは2つの女性のグループの情報だ。

 一つは、およそ1100人の乳がんになった女性のデータ、もう一つは、カナダの「食事・生活様式・健康調査(CSDLH)」と呼ばれる研究に参加したおよそ4万人のうち抽出されたおよそ3300人の女性の年齢層ごとのデータだ。

 ここから、およそ3600人強の乳がんになった人を含む全国乳がんスクリーニング調査(NBSS)で対象となったおよそ5万人のデータに基づいて、食事のパターンと危険度との関係を分析した。

特に閉経後の女性で大切

 その結果、肉+ジャガイモの食事パターンが、閉経後の女性でリスクをおよそ1.3倍高めていると分かった。

 赤身の肉を制限した野菜や果物中心の食事のパターンは、乳がんのリスクを3割程度下げていた。

 閉経後の女性では肉やジャガイモを控えめにして、野菜や果物を積極的に食べるのが重要と言えるというわけだ。

2015年02月23日 (10:11)

FDAにブレンツキシマブ ベドチンの生物学的製剤の一部変更承認申請を提出、ASCT後の再発リスクが高いホジキンリンパ腫が対象

 米Seattle Genetics社は、2月18日、ホジキンリンパ腫で自家造血幹細胞移植(ASCT)後の再発リスクが高い患者に対し、地固め療法としてブレンツキシマブ ベドチンを投与したフェーズ3のAETHERA試験のデータに基づき、米食品医薬品局(FDA)に生物学的製剤の一部変更承認申請(supplemental BLA)を提出したと発表した。

 ブレンツキシマブ ベドチンは、古典的ホジキンリンパ腫と全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)に発現するCD30を標的とする抗体-薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)。CD30を標的とするモノクローナル抗体と、微小管阻害作用を持つ低分子薬モノメチルアウリスタチンE(MMAE)をSeattle Genetics社の技術を用いてリンカーで結合させている。このADCのリンカーは血中では安定性が高いが、CD30を発現している腫瘍細胞に取り込まれると、蛋白質分解酵素によりリンカーが切断され、MMAEを放出する。

 今回の申請は、再発リスクが高い患者329人を対象としたAETHERA試験の結果に基づく。同試験の結果は、2014年12月に米国サンフランシスコで開催された第56回米国血液学会(ASH)で発表された。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、独立した審査機関による評価において、中央値でブレンツキシマブ ベドチン投与群43カ月、プラセボ群24カ月、ハザード比0.57となった(p=0.001)。2年時の無増悪生存率はそれぞれ63%と51%だった。PFSの延長は、事前に定めたすべてのサブグループでも認められた。

 ブレンツキシマブ ベドチン投与群で多く観察された有害事象は、末梢感覚神経障害(56%)、好中球減少(35%)、上気道感染(26%)、疲労感(24%)、末梢運動神経障害(23%)だった。このうち、末梢感覚神経障害が発現した患者の85%では症状が消失または改善し、改善までの期間の中央値は23.4週だった。

 ブレンツキシマブ ベドチンに対するFDAの迅速承認、カナダ保健省(HC)の条件付き承認における適用は以下の通り。1)ASCT施行後に再発、またはASCTは適応とならず、複数の薬剤を併用する化学療法を2ライン以上施行後に再発したホジキンリンパ腫患者、2)複数の薬剤を併用する化学療法を1ライン以上施行後に再発したsALCL患者。ブレンキシマブ ベドチンの迅速承認は奏効率に基づくもので、患者報告アウトカムや生存期間の改善は確立されていない。承認を継続するためには、確認試験で臨床的な有用性を検証し、記述することが条件となるとみられる。現在、ASCT直後のホジキンリンパ腫患者に対する地固め療法としては承認されていない。

 また欧州委員会では、ブレンツキシマブ ベドチンについて、2012年10月に以下の適用で条件付き製造販売承認した。1)ASCT施行後、またはASCTや複数の薬剤を併用する化学療法が治療選択肢にならない場合は2つ以上の治療を施行した、再発・難治性CD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者、2)再発・難治性のsALCLの成人患者。ブレンツキシマブ ベドチンは50カ国の規制当局によって製造販売承認されている。

 Seattle Genetics社と武田薬品工業は、共同でブレンツキシマブ ベドチンの開発を進めている。提携契約に則り、Seattle Genetics社は米国とカナダ、武田薬品工業はその他の国で商業化の権利を有する。両社は共同開発の費用を折半するが、日本では武田薬品工業が単独で負担する。

2015年02月21日 (16:45)

根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果とするBRAF阻害剤「ゼルボラフ」を発売-中外製薬

第一三共グループのPlexxikon社が創製

中外製薬株式会社は2月25日、BRAF阻害剤の「ゼルボラフ(R)錠240mg」(一般名:ベムラフェニブ)について、2月26日より販売を開始すると発表した。同剤は、「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、2014年12月26日に製造販売承認を取得し、今年2月24日に薬価基準に収載されていた。

同剤は、第一三共グループのPlexxikon社が創製したがんの増殖に関連するBRAF蛋白の変異型を選択的に阻害する低分子の経口BRAFキナーゼ阻害剤。米国では2011年、欧州では2012年に、成人におけるBRAFV600遺伝子変異を有する治癒切除不能または転移性悪性黒色腫に対する治療薬として承認されている。

個別化医療によって、患者毎に適切な治療法の選択が可能に

日本国内では、悪性黒色腫の全ステージの新規年間罹患数は1,300~1,400人と報告されており、その数は年々増加の傾向にある。このうち、約30~40%の患者にBRAF遺伝子の変異が認められているという。

ゼルボラフは、バイオマーカーや診断薬を用いて、効果が見込める患者に適切な薬剤を選択する個別化医療に基づいた薬剤。同剤を悪性度の高い「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」の患者の治療に使用するには、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が販売する、BRAF遺伝子変異検出キット「コバス(R)BRAF V600変異検出キット」にて、BRAF遺伝子変異の有無を判定することが必要となる。同キットは2015年2月1日より保険適応となっている。

同社は、同剤が予後不良でアンメット・メディカルニーズの高い「BRAF 遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」に対する新たな治療選択肢として、患者の治療に最大限に貢献することを期待していると述べている。(遠藤るりこ)

▼外部リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース

2015年02月21日 (10:23)

親の願い届いたか、子どものがん「神経芽腫」に新たな治療のターゲット発見

DNAの異常を修復する場面でミスを起こす酵素
がん

 治りにくい子どものがん「神経芽腫」。新たな治療法の開発が急がれている。今回このがんで、新たな治療のターゲットが見つかった。DNAを修復するときにミスを起こしやすい酵素だった。

 米ミシガン大学医学部の研究グループが、がんの基礎医学の専門誌モレキュラー・キャンサー・リサーチ誌で2015年1月6日に報告したものだ。

神経芽腫では遺伝子異常が多い

 「神経芽腫」は、難治性小児がんの1つで、神経の元となる若い細胞が悪性化してがんになったものだ。

 神経芽腫では、正常ならば細胞に1つだけ存在する、細胞増殖のアクセル「MYCN遺伝子」が増えている場合がある。その数が多いほど、がんの悪性度は強い。

 さらに、神経芽腫の細胞を取ってきて染色体の形を調べてみると、1番染色体短腕(1p)、11番染色体長腕(11q)が欠けていたり、17番染色体長腕(17q)が増えていたりする場合があるが、こうなっているとがんが再発しやすく、悪性度が高いと分かっている。

 細胞が増殖する際にDNAも複製されるのだが、この複製が正しく行われなかったとき、修復するしくみが細胞には備わっている。例えば、DNAの2重らせんがほどけて切断している場所では、「非相同末端結合(ひそうどうまったんけつごう、NEHJ)」という、DNAをつなぎ合わせる仕組みで修復される。

 修復がうまくできなかったときに、神経芽腫で起きているような遺伝子の増幅や染色体の異常が生じると言われている。今回研究グループはここを検証した。

DNA修復でミスを起こす酵素

 まず、シャーレの中で、神経芽腫の細胞にDNAを人工的に導入し、そのDNAに対する修復の様子を調べた。すると、正常な細胞に比べて修復ミスが多かった。

 よく調べたところ、神経芽腫の細胞で作られている「DNA修復に関わる酵素」は、正常な細胞のものと種類が違うと分かった。一つには、DNA修復に関わる「DNAリガーゼ4」「アルテミス(DCLRE1C)」が作られていなかった。さらに、この代わりに修復エラーを起こしやすい酵素「DNAリガーゼ3α」「DNAリガーゼ1」「PARP1」が多く作られていた。「非相同末端結合」に異常が生じて、遺伝子異常につながると分かった。

 異常を起こす「DNAリガーゼ3α」「DNAリガーゼ1」も邪魔をしてしまうと神経芽腫の細胞は死んだ。いろいろな人から採取した神経芽腫の細胞で、「非相同末端結合」の異常を起こしている2種類の酵素の量を調べて、治療成績と比べた。酵素の量が多くなって、「非相同末端結合」の異常が起こるほど予後が悪かった。

 研究グループは、今回発見した「非相同末端結合」の異常に関連する酵素は、神経芽腫の新たな治療のターゲットにできると見る。DNAの修復のミスはがんとの関係が注目されているところ(「本当に最も恐ろしいがん」細胞分裂のときのエラーが一番怖い)。解決に向けた動きが進みそうだ。

2015年02月20日 (16:52)

FDAがレナリドミドとデキサメタゾン併用療法を新規診断の多発性骨髄腫に適応拡大

 米Celgene社は2月18日、米国食品医薬品局(FDA)が新規診断の多発性骨髄腫に対して、レナリドミドとデキサメタゾン併用療法の適応拡大を承認したと発表した。レナリドミドとデキサメタゾン併用療法は2006年に治療歴のある多発性骨髄腫を適応に承認されていたが、今回の適応拡大ですべての多発性骨髄腫患者での使用が可能となった。

 この承認はFIRST試験(MM-020/IFM 07-01)を含むフェーズ3試験における安全性と有効性に基づいている。FIRST試験は造血幹細胞移植の適応でない新規診断多発性骨髄腫患者1623人を対象に、ランダム化オープンラベルの3群比較試験として実施された。

 レナリドミドと低用量デキサメタゾン併用療法(Rd療法)を病勢進行まで継続する群(Rd継続群)、Rd療法を1サイクル28日として18サイクル(計72週)行う群(Rd18群)、さらにメルファラン、プレドニゾン、サリドマイド併用療法(MPT療法)を1サイクル42日として12サイクル(計72週)行う群(MPT群)を比較した。

 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はRd継続群で有意に長かった。PFS中央値がRd継続群は25.5カ月、MPT群は21.2カ月(ハザード比0.72、p=0.0001)だった。

 全生存期間(OS)は2014年3月3日の中間解析で、中央値が Rd継続群58.9カ月、MPT群48.5カ月(ハザード比 0.75、95%信頼区間:0.62-0.90)であった。

 20%以上の患者に認められた有害事象は、下痢がRd継続群45.5%、Rd18群38.5%、MPT群16.5%、貧血がそれぞれ43.8%、35.7%、42.3%、好中球減少症が35.0%、33.0%、60.6%、倦怠感が32.5%、32.8%、28.5%、背部痛が32.0%、26.9%、21.4%、不眠症が27.6%、23.5%、9.8%、無力症が28.2%、22.8%、22.9%、発疹が26.1%、28.0%、19.4%、食欲低下が23.1%、21.3%、13.3%、咳が22.7%、17.4%、12.6%、発熱が21.4%、18.9%、14.0%、筋痙攣が20.5%、18.9%、11.3%、腹痛が20.5%、14.4%、11.1%だった。

 Rd継続群で見られた主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少症(27.8%)、 貧血(18.2%)、血小板減少症(8.3%)、肺炎(11.3%)、 無力症(7.7%)、倦怠感(7.3%)、背部痛(7%)、低カリウム血症(6.6%)、発疹(7.3%)、白内障(5.8%)、呼吸困難(5.6%)、深部静脈血栓症(5.6%)、高血糖 (5.3%)だった。

 欧州においても、新規診断の多発性骨髄腫患者で移植が適応にならない成人患者に対するレナリドミドの使用について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は2014年12月に肯定的意見を報告している。

2015年02月20日 (10:52)

大腸がんの複数のRAS遺伝子変異を同時検出する、体外診断用医薬品の開発に成功-国がん

不必要な投薬を回避するべく、治療効果や副作用を予測

国立がん研究センターは2月23日、切除不能進行・再発大腸がんにおける、抗EGFR抗体薬の新たなコンパニオン診断薬の開発に成功したと発表した。この研究は、早期・探索臨床研究センターの大津敦センター長、土原一哉トランスレーショナルリサーチ分野長、東病院の吉野孝之消化管内科長を中心とする多施設共同研究グループと、G&Gサイエンス株式会社によるもの。

近年、患者の生理学的・病理学的特性を考慮し、最適な医療を提供する「個別化医療」の重要性が認識されている。がんの分子標的治療においても、治療薬を投与する前に、治療効果や副作用を予測する各種バイオマーカーにより、適切な患者を選択することで、治療効果の最大化と副作用の最小化が期待されている。

大腸がんにおいても、一般的に使用されている抗EGFR抗体薬が無効な複数のRAS遺伝子変異が報告されていた。薬物療法専門医の間では、「RAS遺伝子変異のある大腸がん患者には抗EGFR抗体薬を投与すべきでない」ことが共通認識となっていたものの、日常臨床でこれらのRAS遺伝子変異を測定できる体外診断薬はなかったという。

複数のRAS遺伝子変異を同時に検出可能な体外診断用医薬品

今回の診断薬は、複数のRAS遺伝子(KRAS遺伝子エクソン2、3、4領域およびNRAS遺伝子エクソン2、3、4領域)の変異を同時に検出できる体外診断用医薬品である。

研究グループは、抗EGFR抗体薬の投与を受けた大腸がん患者の臨床検体を収集して網羅的ゲノム解析を行い、KRAS遺伝子エクソン2領域の変異以外の新たなバイオマーカーの探索・同定を試みた。その結果、海外での報告と同様、KRAS遺伝子エクソン2領域以外のRAS遺伝子変異を有する大腸がんにおいても抗EGFR抗体薬が無効であることを確認。この研究成果をもとに、G&GサイエンスがこれらのRAS遺伝子変異を同時検出できる体外診断薬の開発に着手し、従来の遺伝子検査法と高い相関を示す診断キット「MEBGEN(TM)(メブジェン) RASKET(ラスケット)キット」の開発に成功したという。

同診断薬は、G&Gサイエンスの親会社である医学生物学研究所(MBL)により製品化されている。2014年6月には欧州での販売に必要なCEマークを世界に先駆けて登録、1月27日付で日本国内の製造販売承認を取得していた。

同キットの登場により、従来の検査では調べられなかったRAS遺伝子変異型の患者に対しても適切な治療を選択することが可能となった。今後、一人ひとりのがんの遺伝子の状態に合わせた、より高い精度での個別化治療の実現が期待される。(遠藤るりこ)

▼外部リンク
・国立がん研究センター プレスリリース

2015年02月19日 (17:19)

【新製品】膵・消化管神経内分泌腫瘍治療薬「ザノサー点滴静注用1g」 ノーベルファーマ

 ノーベルファーマ=膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)治療薬「ザノサー点滴静注用1g」(一般名:ストレプトゾシン)を新発売した。

 ザノサーは、2010年に仏ケオシトから導入した、日本初の膵・消化管NETに対する細胞障害性抗悪性腫瘍剤。切除不能・遠隔転移を有する患者の治療選択肢を広げる。国内では「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の結果から、厚生労働省の要請を受け開発に着手した。

 用法・用量は、1週間ごとに1日1回投与する方法と5日間連続投与し37日間休薬する投与法を選択する。

 膵・消化管NETは、年間で人口10万人に3~5人の新規患者が発生し、現在の薬剤療法対象患者数は約3600人とされている。

2015年02月19日 (10:46)

在宅医療、生きる力引き出す 「がんと在宅医療」講師・佐々木淳さん

アピタル夜間学校から

 がんの治療中に、主治医から在宅での療養を案内されると、「もう終末期なんだ」と落胆する方が多くいます。厚生労働省の調査では、自宅で最期を迎える人はわずか10%ほどです。在宅療養は単に家で最期を待つものではありません。日常生活の質(QOL)や活動性(ADL)を保ちながら、住み慣れた場所で自分の時間を過ごすものです。

 がんの痛みには体の痛みや精神的な痛み、仕事やお金の問題など社会的な痛みに加え、死への不安などスピリチュアル(霊的)な痛みもあると言われます。在宅医として大事にしているのは、自分の存在が消えることに対する痛みを理解しようと努めることです。「孫が生まれる」「好きな季節を迎える」など、その人の「心の支え」を見つけ、積極的に生きる力を引き出したいと考えています。

 がん患者さんは最期の20日前ごろから歩くのが困難になるなど、ADLが急に落ちます。その頃に在宅医を探すのではなく、もう少し早い段階から「生活の伴走者」として関わりたい。痛みの治療が本格的になった時点が、在宅医による診療を始める一つの目安です。がん診療連携拠点病院の相談支援センターが相談に乗ってくれます。

ささき・じゅん 悠翔会理事長。筑波大学医学専門学群卒。三井記念病院などを経て2006年から現職。1都3県で八つの在宅クリニックを展開。
(聞き手・宮島祐美)

2015年02月18日 (16:31)

心臓ホルモン「ANP」によるがん転移予防効果のメカニズムを解明-国循

ANPが様々な種類のがんの転移を予防・抑制できることが明らかに

国立循環器病研究センターは2月24日、同研究所・生化学部ペプチド創薬研究室の野尻崇室長、組織再生研究室の細田洋司室長、情報伝達研究室の徳留健室長、寒川賢治研究所長らの研究グループが、大阪大学呼吸器外科の奥村明之進教授らとの共同研究で、心臓から分泌されるホルモンである心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、血管を保護することによって、さまざまな種類のがんの転移を予防・抑制できること、そしてその詳細なメカニズムを明らかにしたと発表した。

ANPは、1984年に寒川研究所長、松尾壽之名誉所長らによって発見された心臓ホルモンで、現在は心不全に対する治療薬として使用されている。これまでに肺がん手術の際、術中より3日間ANPを低用量持続投与することによって術後不整脈の発生を有意に抑制できること、さらには高齢者や閉塞性肺疾患を合併する肺がん患者では、様々な心肺合併症を予防できることを報告していた。

今回の研究は、上記の追跡調査を行った結果、本来は合併症予防の為に投与されたANP群(手術+ANP群)は、手術単独群(対照群)と比較して術後2年無再発生存率が良好な成績であったことが示されたという。そこで研究グループは、肺がん手術時にANPを投与することによって、なぜ術後再発・転移が減少したのかを明らかにするため、マウス実験や遺伝子解析などを実施した。

血管E-セレクチンの発現をANPが抑制

がん手術時に血中に放出される遊離がん細胞は、その多くが1~2日間以内に細胞死を迎え、消退するが、手術時の炎症によって惹起された血管E-セレクチンの発現亢進により、生き残った遊離がん細胞の一部が血管へ接着・浸潤することがあり、術後早期再発・転移の一因となっている。

今回の研究では、炎症によって惹起される血管のE-セレクチンの発現を、ANPが抑制していることが明らかになった。これにより遊離がん細胞が血管へ接着することを防ぎ、結果的に術後再発・転移を抑制していることが示唆されたという。

この研究成果を受け、研究グループは肺がん手術(500症例)を対象とした全国規模での多施設臨床研究(JANP study;国循が主導)を開始する予定。同試験は、国家戦略特区における保険外併用療養の特例(先進医療B)を活用した全国初の案件となる。

なお、今回の研究の成果は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of National Academy of Sciences of the United States of America」オンライン版に2月24日以降1週間以内に掲載予定としている。(大場真代)

▼外部リンク
・国立循環器病研究センター プレスリリース

2015年02月18日 (10:53)

頭頸部がん、「その後」を予測する新たな指標を開発、名前は「がんMATH値」

がんの「遺伝子の傷つき具合がバラバラ」を利用する方法
がん

1つのがんの塊の中に、遺伝子の傷つき具合が異なる細胞が混ざっていると、その後の生存期間が短くなる。頭頸部がんでそんな事実が判明した。

 遺伝子の傷つき具合を調べれば、その後の予測が可能になるかもしれない。

 米国のマサチューセッツ総合病院を中心とした研究グループが、オンライン医学誌プロス(PLoS)メディシン誌で2015年2月10日に報告したものだ。

「正しく」よりも「速く」で生じた「遺伝的不均一性」

 がん細胞は、さまざまな遺伝子に傷をつけながら普通の細胞を超えるスピードで増え続ける。そのため、1つのがんの塊を取ってみても、そこに含まれる細胞同士は、それぞれ傷つき異常になっている遺伝子が異なっていたりする。これをがんの「遺伝的不均一性」と言う。

 時間が経つにつれ、異常になっている遺伝子の種類は、がん細胞ごとにますますバラバラとなる。つまり、遺伝的不均一性が広がる。これにより、あるものは薬が効かないがん細胞になったり、あるものは転移しやすいがん細胞になったりし、がんはさらに悪性度を増しながら進行していく。

 このように、「遺伝的不均一性」ががんで問題となっているのはこれまでの数々の研究で明らかにされている。しかし、その研究成果を、実際の診療へ応用しようという試みがほとんどなされていないのが現状だ。

 研究グループは今回、「遺伝的不均一性」が起きている「頭頸部がん」の塊の中で生じている遺伝子の突然変異を全て拾い出した。これを、「がんの遺伝的不均一性で突然変異している遺伝子(MATH)」と名付け、診療への応用の可能性について検討した。

「遺伝的不均一性」と「全生存期間」の関連解析

 頭頸部がんは、「顔面から首までにできたがん」で、「口腔がん」「喉頭がん」「咽頭がん」など、タイプの異なるがんの総称だ。研究グループは、あえて複数のタイプが含まれる「頭頸部がん」を選び、「遺伝的不均一性」と「死亡率」との関連性の解析に、世界で初めて挑んだ。

 データは、米国「がんゲノムアトラス全がんプロジェクト」として2013年に集められた、約300人の頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)のものを利用した。がんの塊から取り出したDNAに含まれる遺伝子の配列を、「全エクソームシーケンス(WES)」という方法で全て読んだデータだ。

 このデータから突然変異を起こしている遺伝子を解析し、「遺伝的不均一性」から、それぞれの「がんMATH値」を算出した。つまり、「がんMATH値」が高いほど「遺伝的不均一性」も高いと言える。

 一方、14の病院で治療を受け、1992年~2011年に最初にがんと診断されたこの300人の生存期間も調べた。するとこのうち131人が亡くなり、診断がついてから亡くなるまでの平均期間は14カ月だった。その他の人たちの平均追跡期間は22カ月だった。

 これらのデータを用いて、頭頸部がんにおける「がんMATH値」と「全生存期間」の関連性を解析した。

関連あり、予後を予測するツールになるか

 結果、「がんMATH値」と「全生存期間」は強く関連していた。頭頸部がんのタイプやその治療方法は実にさまざまであったが、それに影響されず、「がんMATH値」が高いと、「全生存期間」は短くなっていた。

 この結果は、年齢、「ヒトパピローマウイルス」感染の有無、「TP53」遺伝子の突然変異の有無、頸部リンパ節転移の有無など、その他の臨床的な所見との関連性によるものではなかった。ヒトパピローマウイルスは、頭頸部がんのリスクを高めるとして知られており、「TP53」遺伝子の突然変異は頭頸部がんの死亡率に関与すると知られているものだが、そういった影響ではなかったという意味だ。

 今回の結果により、「がんMATH値」は頭頸部がんにおいて、そのタイプによらず、予後の予測に利用できそうだと分かった。特に、パピローマウイルス感染のある中咽頭扁平上皮がんに役立つのではないかと研究グループは考えている。

 今回の研究は、既に存在するデータを使った「後ろ向き研究」だ。今後「がんMATH値」を臨床に応用するためには、次のステップとして、実際に結果が出る前に「がんMATH値」で予後を予測してみる「前向き研究」が必要になる。ただ、前向き研究でその有用性を正しく評価するためには、治療方法を統一しなくてはならないという問題がある。

 臨床応用に向けたさらなる研究が期待される。

2015年02月17日 (17:27)

新規抗悪性腫瘍剤「TAS-102」、FDAが新薬承認申請を受理-大鵬薬品

進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として

大鵬薬品工業株式会社は2月23日、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)について、米国食品医薬品局(FDA)が新薬承認申請を受理したことを発表した。処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は2015年12月19日となる。

結腸・直腸がんは世界で3番目に患者数の多いがんであり、2014年には米国で136,830名(うち、男性71,830名、女性65,000名)が結腸・直腸がんと診断され、50,310名が結腸・直腸がんが原因で死亡すると推測されている。欧州では2012年のデータで2番目に患者数の多いがんであり、447,000名(うち、男性242,000名、女性205,000名)が結腸・直腸がんと診断され、215,000名が結腸・直腸がんが原因で死亡したと推測されているという。

日本では「ロンサーフ配合錠」の製品名で世界に先駆けて発売

TAS-102は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こすことで抗腫瘍効果を発揮する。TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持するとされている。

今回の新薬承認申請は、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800名を対象に実施した国際共同第3相臨床試験(試験名:RECOURSE)の結果に基づいている。同試験において、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)を有意に延長(HR = 0.68、p < 0.0001)。また、安全性において特に問題となるような事象は観察されなかったとしている。

なお、日本では国内第2相臨床試験結果に基づき、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として、「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」の製品名で2014年5月に世界に先駆けて発売されている。(横山香織)

▼外部リンク
・大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース

2015年02月17日 (10:58)

中外製薬 悪性黒色腫治療薬ゼルボラフ錠を発売

中外製薬は、悪性黒色腫治療薬ゼルボラフ錠240mg(一般名:ベムラフェニブ)を発売すると発表した。効能・効果は「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」で、BRAF遺伝子変異の有無は、ロシュ・ダイアグノスティックスが販売する診断薬(保険適用)で判定し、効果が見込める患者に投与する。

発表によると、国内での悪性黒色腫の全ステージの新規年間罹患数は1300~1400人といわれ、約30~40%の患者にBRAF遺伝子の変異が認められている。

薬価は240mg1錠4935.50円。1回960mgを1日2回投与する。薬価算定に際し、海外第3相試験で、主要評価項目である全生存期間について、ダカルバジン群と比較して統計学的に有意な延長が認められたとして、20%の加算が認められた。

2015年02月16日 (17:00)

大腸がんの複数のRAS遺伝子変異を同時検出する、体外診断用医薬品の開発に成功-国がん

不必要な投薬を回避するべく、治療効果や副作用を予測

国立がん研究センターは、切除不能進行・再発大腸がんにおける、抗EGFR抗体薬の新たなコンパニオン診断薬の開発に成功したと発表した。この研究は、早期・探索臨床研究センターの大津敦センター長、土原一哉トランスレーショナルリサーチ分野長、東病院の吉野孝之消化管内科長を中心とする多施設共同研究グループと、G&Gサイエンス株式会社によるもの。


画像はプレスリリースより

近年、患者の生理学的・病理学的特性を考慮し、最適な医療を提供する「個別化医療」の重要性が認識されている。がんの分子標的治療においても、治療薬を投与する前に、治療効果や副作用を予測する各種バイオマーカーにより、適切な患者を選択することで、治療効果の最大化と副作用の最小化が期待されている。

大腸がんにおいても、一般的に使用されている抗EGFR抗体薬が無効な複数のRAS遺伝子変異が報告されていた。薬物療法専門医の間では、「RAS遺伝子変異のある大腸がん患者には抗EGFR抗体薬を投与すべきでない」ことが共通認識となっていたものの、日常臨床でこれらのRAS遺伝子変異を測定できる体外診断薬はなかったという。

複数のRAS遺伝子変異を同時に検出可能な体外診断用医薬品

今回の診断薬は、複数のRAS遺伝子(KRAS遺伝子エクソン2、3、4領域およびNRAS遺伝子エクソン2、3、4領域)の変異を同時に検出できる体外診断用医薬品である。

研究グループは、抗EGFR抗体薬の投与を受けた大腸がん患者の臨床検体を収集して網羅的ゲノム解析を行い、KRAS遺伝子エクソン2領域の変異以外の新たなバイオマーカーの探索・同定を試みた。その結果、海外での報告と同様、KRAS遺伝子エクソン2領域以外のRAS遺伝子変異を有する大腸がんにおいても抗EGFR抗体薬が無効であることを確認。この研究成果をもとに、G&GサイエンスがこれらのRAS遺伝子変異を同時検出できる体外診断薬の開発に着手し、従来の遺伝子検査法と高い相関を示す診断キット「MEBGEN(TM)(メブジェン) RASKET(ラスケット)キット」の開発に成功したという。

同診断薬は、G&Gサイエンスの親会社である医学生物学研究所(MBL)により製品化されている。2014年6月には欧州での販売に必要なCEマークを世界に先駆けて登録、1月27日付で日本国内の製造販売承認を取得していた。

同キットの登場により、従来の検査では調べられなかったRAS遺伝子変異型の患者に対しても適切な治療を選択することが可能となった。今後、一人ひとりのがんの遺伝子の状態に合わせた、より高い精度での個別化治療の実現が期待される。(遠藤るりこ)

▼外部リンク
・国立がん研究センター プレスリリース

2015年02月16日 (10:45)

lenvatinibが放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺癌対象に米国で世界初の承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2月13日、エーザイが申請していたマルチキナーゼ阻害薬lenvatinibについて、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺癌(Radioiodine-Refractory Differentiated Thyroid Cancer:RR-DTC)を対象に承認した。lenvatinibが承認されたのはこれが世界で初めてになる。

 lenvatinibのRR-DTCに対する有効性はフェーズ3試験SELECTによって明らかとなっている。SELECT試験は、392人の進行性のRR-DTC患者を対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照フェーズ3試験。欧州、米州および日本を含むアジア地域の100以上の施設が参加した。過去13カ月以内に画像診断で病勢進行が確認され、VEGF受容体を標的とする治療歴が1レジメン以内である放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺癌患者を対象に、lenvatinib(24mg)またはプラセボを1日1回経口投与した。患者はlenvatinib群とプラセボ群に2対1に割りつけられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、安全性だった。

 試験の結果、PFS中央値はlenvatinib投与群が18.3カ月、プラセボ投与群が3.6カ月で、ハザード比0.21(99%信頼区間:0.14-0.31)、p<0.001で、lenvatinib投与群で有意に延長していた。

 lenvatinib投与群で多く認められた副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少(46.4%)、悪心(41.0%)だった。

2015年02月14日 (16:07)

がん治療に現れた強力な新人「ゴールド・ナノチューブ」とは

がんというのはやっかいな病気だが、その対策には様々な段階や手法がある。

まずは発見することが大事であり、がんに罹患した部位に直接ほどこすのは手術治療や放射線治療などになるが、転移や再発の防止も重要な要素だ。そしてそれぞれの手法や段階で、新しい技術が研究されている。

そのなかで、イギリスのリーズ大学がゴールド・ナノチューブをがん治療に活用するという手法を発表した。しかも、ゴールド・ナノチューブには3つの側面から効果が期待できるという。

体内を高解像度で画像化するサポートの役割、薬品の運搬という役割、そしてがん細胞の破壊という役割だ。現時点ではマウスにおいて生化学的テストが功を奏しているという。



赤外線を吸収させる

この研究のリーダーであるSunjie Ye博士は、こういっている。


がん手術後の再発防止というのは、まだ難しい分野です。化学療法や放射線療法がよく使われますが、深刻な副作用もあります。

ゴールド・ナノチューブというのは、ナノスケールの金のチューブ構造のもので、小さいストローのような形をしています。これが、従来からある治療方法の効果を上げてくれるのです。

研究者たちによれば、ゴールド・ナノチューブの長さを調節することができる新技術が、研究の下支えになったという。その長さを調節することにより、近赤外線を吸収するのに理想的な寸法のゴールド・ナノチューブを作れるようになったのだ。

また、共同研究者のSteve Evans教授はこう語る。


人間の組織というのは、ある波長、特に赤い光や赤外線を透過させるのです。それが光を手の向こう側にかざしてみたときに、手が赤く見える理由です。

ゴールド・ナノチューブを体内に入れて、外から適切な波長の光を当ててやると、ナノチューブは光を吸収して熱に変えます。ちょうど皮膚が太陽光で温められるような感じです。そして脈動するレーザービームを使えば、短い時間でナノチューブ周辺の温度を上げることができ、がん細胞を破壊させることもできるのです。



薬品を運搬させる

また、レーザー・パルスの明るさを調節すれば、がんを破壊するところまではいかずに、腫瘍を画像化するためのレベルに抑えることもできるという。

画像化のためには、『マルチスペクトル光音響トモグラフィ(MSOT)』という新しい技術を使う。研究者たちはこの技術を使って、マウスの静脈に注射されたゴールド・ナノチューブを突きとめることができた。

ちなみに、これが生体に適用されたゴールド・ナノチューブの最初の例だという。なお、ゴールド・ナノチューブは生体に害を及ぼすほど体内に長居はせず、排泄されたということも確認されている。

以上はゴールド・ナノチューブが赤外線を吸収する特性を利用したものだが、もうひとつ、ゴールド・ナノチューブは中が空洞なので、そこに薬品を入れて患部まで運ぶという使い方もできる可能性がある。そうすれば抗がん剤の副作用を最小限にして、がん細胞周辺にだけ効かせるということが可能になるかもしれない。

現時点では、このゴールド・ナノチューブを使ったがん治療はまだまだ試験段階だが、今後臨床試験に向けて進んでいくことになる。



がんと診断されたときのショックは相当なものだが、現代においては、早期発見できれば治るがんも多い。そして、現在はがんの新しい治療法が次々と研究されている。近い将来がんは現在よりももっと治せる病気になっていきそうだ。

2015年02月14日 (11:01)

がん宣告された時から始まる「心の緩和ケア」5つのコツ

 大盛況だった日本緩和医療学会主催の公開講座のリポートをお届けする。

 緩和ケアは、病気に伴う「体」と「心」の痛みやつらさを和らげるもの。しかし、「心の痛みやつらさ」について、よく分からない人も多いのではないだろうか?

「がん患者の心の医療は非常に重要です。気持ちや心がつらいと体にも悪影響が出ます。食欲がない、眠れないなど、患者の全般的な生活の質(QOL)が下がる。死にたいという思いにつながる。がんに対する治療意欲を奪う。それは、入院期間の長期化とも関連しています」(市立札幌病院精神医療センター・上村恵一副医長)

 多くの人が抱く緩和ケアのイメージは、「がん治療の後、余命6カ月と宣告されてからのターミナルケア」だろう。しかし本来の緩和ケアは、「がんと宣告された時から始まるもの」だ。
「私たちはがんと診断を受けるまでは、死を自分と距離があるものと考えています。しかし、いざ、がんとなると、生きるための人生が、死に向かうものに変化し、衝撃を受け、一度は否認し、絶望感や怒りがくる。これはどのがん患者さんでも同じです。つらい心を支えるのが心の緩和ケアで、その割合は最期の時に近づくにつれ大きくなっていきます。患者さんが亡くなった後、残された遺族の心を支えるのも、重要な緩和ケアです」

 心の緩和ケアをよりよいものにするコツは5つあるという。

【1】心のサインを知る

「気持ちのつらさは、検査では測れません。日頃から心がつらい時のサインに注意し、知っておく。私の場合は、忙しくてしんどくなると、机の上をきれいに掃除してからでないと仕事をできない。そうなった時は、自分はしんどいんだと自覚し、あえてペースを落とす。気持ちがつらくなる時の前触れを知れば、対処しやすくなります」

【2】だれにでもよいので伝える

「不安や心配で心がつらくなるのは、重い病気にかかった人すべてが経験すること。がん医療に関わるすべての医療者が、心のつらさに対応するルートを知っています。がん患者さんから『精神疾患ではないのですが、いいですか?』と質問されますが、総合病院で働いている精神科医は、心のケア全般の専門家なので、どうぞ安心して相談にいらしてください」

【3】)睡眠の症状をまず伝える

「心のつらさの最も敏感なサイン。すべてのつらさは睡眠障害を伴います。眠れない、何回も起きるなどは、心のつらさの程度を表します。気合で眠るので睡眠薬は不要という患者さんがいますが、気合では眠れません」

【4】「心配な不安」と「安心できる不安」を知る

「“心配な不安”は、理由が思いつかない、表現できない、対処できない、他人に分かってもらえない、1カ月以上続く、生活に支障を来す。一方、“安心できる不安”は、理由が分かる、表現できる、対処できる、他人に分かってもらえる、長く続かない、生活に支障を来さない。どちらの不安であるかを知ることは大事です」

【5】すぐに相談しよう

「【4】の“心配な不安”に該当するなら、すぐに精神科医など心のケアの専門家に相談してください。特に、すべて自分の弱さからくると感じていたり、物事の決断に時間がかかる・決められない、すべてを投げ出したい気持ちになる、という時は要注意です」

 最善のがんの治療を受けるために、絶対に押さえておきたいことだ。

2015年02月13日 (16:49)

FDA、抗がん剤「Lenvima」を甲状腺がんの適応で承認-エーザイ

優先審査終了目標日より約2か月早い迅速承認

エーザイ株式会社は、米子会社のエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima(TM)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんにかかわる適応で、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表した。

Lenvimaは、血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬。特に甲状腺がんの増殖、腫瘍血管新生に関与するVEGFR、FGFRおよびRETを同時に阻害する。同剤は、VEGFR2とのX線結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された最初の薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されているという。

同剤は優先審査品目に指定されていたが、優先審査終了目標日より約2か月早い迅速承認となった。米国でのこの承認は、同剤に関する世界で初めての承認となる。

肝細胞がんなどに対する臨床試験も進行中

今回の承認は、392人の進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの患者様を対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第3相試験(SELECT試験)の結果に基づくもの。

同剤は現在、日本、欧州の他、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルにて承認申請中。欧州では迅速審査品目に指定されている。また、同剤に関しては、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第3相試験や、腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがん腫を対象にした臨床第2相試験が進行中である。(大場真代)

▼外部リンク
・エーザイ株式会社 プレスリリース

2015年02月13日 (10:33)

毎日のクリニック:新作用のがん治療薬 体の免疫力を引き出す

◇まず悪性黒色腫で承認/副作用と負担額に課題/選択肢の広がりに期待

 免疫機能を利用してがん細胞に対抗する新たなタイプの抗がん剤が昨年9月、世界に先駆けて日本で発売された。抗PD−1抗体薬「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」だ。現在は悪性黒色腫(メラノーマ)の治療だけに使われているが今後、適用の拡大が見込まれている。【庄司哲也】

 「メラノーマでリンパ節や内臓への転移がある場合、これまでは有効といえる治療はほぼないと言うべき状況でしたが、抗PD−1抗体薬の登場で効果のある治療の扉がようやく開かれたといえます」とニボルマブを評価するのは、メラノーマの治療に詳しいがん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科医長の吉野公二さんだ。

 メラノーマは肌の色に関係するメラニン色素を作る細胞ががん化する皮膚がんの一種。悪性度が高いことで知られ、日本人の罹患(りかん)率は人口10万人当たり2人程度。欧米に比べると低いといわれてきたが、高齢化の進展などで患者数は近年増加傾向にある。

 吉野さんによると、メラノーマの治療の基本は手術による切除だ。そのためには転移を起こす前の早期発見が重要となる。一方、内臓への転移がある場合はダカルバジンという抗がん剤が使われてきた。だが、奏効率(がんが縮小したり消滅したりする一時的な効果があった患者の割合)は10〜20%と悪く、生存期間の延長はほとんど見込めなかった。「転移が起きていると、かなり厳しく、打つ手がほぼないといった状態だった」(吉野さん)という。こうした中で小野薬品工業(本社・大阪市)などが開発したのが抗PD−1抗体薬のニボルマブだ。

 抗PD−1抗体薬は、がん細胞を攻撃する従来の抗がん剤とは、体に本来備わっている機能を引き出すという点で大きな違いがある。2002年に本庶佑(ほんじょたすく)・京都大教授(当時)らが、免疫に関わるPD−1という分子を発見したことが開発のきっかけとなった。このタイプの薬は免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれ、ニボルマブが国内初めての承認となった。

 体内に異物や外敵が侵入するとT細胞と呼ばれる免疫細胞が主体となって排除のために攻撃する。がん細胞は健康な人でも生み出されるが、がんを発症しないのは、T細胞など免疫細胞ががん細胞も異物と判断し排除するからだ。
 一方で、がん細胞にとってはこうした体の仕組みは不都合だ。そこでPD−L1という物質を作って攻撃をかわそうとする。T細胞の表面にはPD−1受容体がありPD−L1と結合すると攻撃にブレーキがかかる。ニボルマブは、一足先にPD−1受容体と結びつき、PD−L1との結合を邪魔してT細胞の働きを守るのだ。

 メラノーマの治療では、ダカルバジンなどが効かなかった進行した患者を対象に3週間ごとに1回、体重1キログラム当たり2ミリグラムで点滴の投与を繰り返す。少人数の患者を対象とする第2相臨床試験の奏効率は、22・9%だった。使用した感触について吉野さんは「胸のリンパ節など体のあちこちに転移があった患者さんの腫瘍が検査画像上ではほぼ見えなくなり、その状態が半年間も維持されています。また、がん性腹膜炎を起こし、腹水がたまり、かなり危険な状況だった患者さんも半年たった現在は通院で治療を受けています」と話す。効果は投与した患者の約4割にみられたという。効果が表れるまで4カ月ほどの時間はかかるが、効き目の持続が見込まれる点も特徴だ。

 細胞を直接攻撃する抗がん剤ではないため、吐き気や脱毛などといった副作用は少ないが、免疫細胞を活発化させるという仕組みから、免疫細胞が自分の体も傷つけてしまう副作用が懸念される。間質性肺炎、甲状腺機能低下症、さらに腸炎などの重篤な副作用には注意を要する。吉野さんは「しっかりとした管理の下で慎重に使用することが重要」と話す。

 まだ治療の実績が少なく、予期しない副作用が出る恐れもある。このため同薬が使えるのは、日本皮膚科学会が定める皮膚悪性腫瘍指導専門医が在籍しており、間質性肺炎などに対応できる診療科と常に連携が取れ、コンピューター断層撮影(CT)画像検査が直ちに実施できる−−などの要件を満たす施設に限られている。

 施設を探す場合はパソコンで「皮膚悪性腫瘍指導専門医」のキーワードで検索して、問い合わせることが必要だ。

 保険適用を受ける抗がん剤だが、それでも高額な薬価も課題だ。体重60キロの人の場合、1回当たりの薬価は約88万円。3割負担でも窓口での支払いは26万円余りになってしまう。高額療養費制度があるので実際の自己負担はさらに少ないが、患者の負担は大きい。
 免疫チェックポイント阻害剤は現在、がん治療で脚光を浴びており、世界の製薬大手がこぞって開発を加速させている。米国では11年にPD−L1と同様にT細胞の働きを抑える分子のCTLA−4をブロックしてT細胞を活性化させる抗CTLA−4抗体薬のイピリムマブが承認済み。さらにPD−L1と結びつく薬の開発も進行中だ。

 また、T細胞を活性化させるという作用の仕組みからメラノーマに限らず幅広いがん治療に使えることが期待されている。免疫チェックポイント阻害剤の研究をしている国立がん研究センター中央病院先端医療科の北野滋久さんは「国内外で非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸(けい)部がん、胃がん、ぼうこうがんなどを対象に、複数の免疫チェックポイント阻害剤が承認に向けた最終段階である第3相臨床試験を既に開始、または準備中です」と解説する。

 北野さんによると、免疫チェックポイント阻害剤は既存の抗がん剤との組み合わせや種類の違う免疫チェックポイント阻害剤の併用などが研究されており、今後、この薬を軸に治療の選択肢が大幅に広がる可能性があるという。

 これまで医療関係者の中で懐疑的な見方も強かった免疫機能を使ったがん治療は、大きな転換点を迎えている。

2015年02月12日 (16:50)

lenvatinibの甲状腺癌対象フェーズ3試験の結果がNew England Journal of Medicine誌に掲載

 エーザイは2月12日、抗癌剤lenvatinibの放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺癌(Radioiodine-Refractory Differentiated Thyroid Cancer: RR-DTC)を対象としたフェーズ3試験(SELECT試験)の結果が、New England Journal of Medicine(NEJM)2015年2月12日号に掲載されたことを発表した。

 掲載された論文は、甲状腺癌に対する全身療法のフェーズ3試験としてNEJMに掲載された初めての論文となるという。

 SELECT試験は、392人の進行性のRR-DTC患者を対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照フェーズ3試験。欧州、米州および日本を含むアジア地域の100以上の施設が参加した。過去13カ月以内に画像診断で病勢進行が確認され、VEGF受容体を標的とする治療歴が1レジメン以内である放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺癌患者を対象に、lenvatinib(24mg)またはプラセボを1日1回経口投与した。患者はlenvatinib群とプラセボ群に2対1に割りつけられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、安全性だった。

 試験の結果、PFS中央値はlenvatinib投与群が18.3カ月、プラセボ投与群が3.6カ月で、ハザード比0.21(99%信頼区間:0.14-0.31)、p<0.001で、lenvatinib投与群で有意に延長していた。また、奏効率はlenvatinib投与群が64.8%、プラセボ投与群が1.5%で、有意にlenvatinib投与群が高かった(p<0.001)。また、プラセボ投与群では認められなかった完全奏効がlenvatinib投与群で1.5%(4人)に確認された。

2015年02月12日 (11:19)

再発・難治性多発性骨髄腫患者対象フェーズ3で武田の経口プロテアソーム阻害剤ixazomibが有意にPFSを延長

 武田薬品工業は2月10日、新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomib(開発コード:MLN9708)の、再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象としたフェーズ3試験TOURMALINE-MM1試験について、あらかじめ規定されていた最初の中間解析で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が有意に改善したことを発表した。

 TOURMALINE-MM1試験は722人を対象としたランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同国際試験。1から3レジメンの前治療歴のある成人の再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、ixazomib+レナリドミド+デキサメタゾンを投与するixazomib群と、プラセボ+レナリドミド+デキサメタゾンを投与するプラセボ群を比較したもの。有効性および安全性については、独立データモニタリング委員会が評価した結果、ixazomib群でプラセボ群よりも有意にPFSの延長が確認された。

 武田薬品は、承認取得のためにTOURMALINE-MM1試験のデータを各規制当局に提出する予定だ。
トップページ

トップページに戻る

↑↑↑癌に関する新しいニュース記事はこちらのページから見れます。(毎日更新)

ブログ検索
調べたい「単語」を
入力して下さい
最新の記事
各種ニュース

カテゴリー
相互リンク
お問い合わせ
相互リンク、各種広告依頼に関するメールは【こちら】から
※エビデンスの無い治療法は掲載できません


運営元
シンシアnet
厚生労働省への声

日本の医療を変えるのは、あなたです

厚生労働省への要望は【こちら】から

ブロとも申請フォーム
月別アーカイブ

Appendix


ご挨拶

当サイトは、癌治療に関するあらゆる情報を完全にデータベース化しております。
基本的に毎日更新しておりますので、ページ左の「トップページに戻る」をクリックして下さい。

また運営維持費として、随時広告を募集しております。
免疫食品などの広告であれば、医学博士、研究機関などの各種論文、試験結果などの提出をお願いしております。
こちらで根拠などを総合的に判断しての掲載となりますので、ご理解お願い致します。

末期がん克服の体験談

gan


↑↑上のバナーをクリック↑↑
末期がん克服者の声を多数掲載!!国内最大のe-bookランキング1位!!


当ブログに掲載されたノウハウだけでなく、西洋医学、遺伝子療法、東洋医学、民間療法などを全て含めた治療で癌を克服された方の専用ページ
RSSフィード
アクセスランキング
当ブログにアクセスを送って頂ければ
自動でランキングに反映されます。

ブログパーツ