ガン完全克服マニュアル

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2015年09月30日 (15:59)

染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍患者の治療選択肢としてtrabectedinは有望、OSは17.7カ月に

 染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍患者を対象として、新規の抗悪性腫瘍薬trabectedinを投与する群と支持療法(BSC)を行う群をしたフェーズ2試験の最終解析から、trabectedinにより増悪や死亡のリスクが大きく低下し、全生存期間(OS)中央値は17.7カ月と有望な結果となったことがわかった。9月25日から29日までオーストリア・ウィーンで開催されているEuropean Cancer Congress 2015(ECC2015)で、岡山大大学院医歯薬学総合研究科運動器医療材料開発講座の国定俊之氏が発表した。

 trabectedinは海洋生物由来の新規の抗悪性腫瘍薬で、DNAの副溝(minor groove)に選択的に結合し、DNA修復機構を遮断して細胞周期と増殖を阻害する。さらに転写因子とDNAの相互作用も阻害する。

 日本では、染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍で化学療法による治療歴がある患者を対象に、trabectedinをBSCと比較して評価する非盲検、多施設共同、フェーズ2のランダム化比較試験が行われ、有効性が報告された(A. Kawai, et al. Lancet Oncol 2015;16:406-16)。

 今回は、同試験の主要解に続く最終解析の結果が発表された。

 同試験の対象は、組織学的に確認された染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍(骨外性Ewing肉腫[EES]、粘液型/円形細胞型脂肪肉腫[MLS]、滑膜肉腫[SS]など)で、標準的な化学療法に不応・不耐であることとし、MLS、SS、EESの患者はアントラサイクリンの投与を受けていることとした。前治療の化学療法は最大4ラインまでとした。ベースラインで1つ以上の測定可能病変を有し、過去6カ月間に実施された画像評価との比較で増悪(RECISTによる)が確認されていることとされた。患者を組織型(胞巣型横紋筋肉腫、EES、MLS、SS vs その他の染色体転座を伴う悪性軟部肉腫)で層別化し、trabectedinを投与する群(trabectedin群)またはBSC群に、1:1でランダムに割り付けた。

 trabectedin群では、1サイクルを21日として、1日目にtrabectedin1.2mg/m2を24時間かけて持続静脈内投与した。主要評価項目はPFS、副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、3カ月時と6カ月時の無増悪率(PFR)、安全性だった。腫瘍の評価はCTまたはMRIで4、8、12、18、24週時とその後は8週毎に行い、増悪(PD)が確認された場合、BSC群の患者にはtrabectedinを単群で検討する試験に登録する機会が与えられた。

 計76人が登録され、有効性の解析は73人で行われた。trabectedin群37人、BSC群36人となった。trabectedin群とBSC群の年齢中央値はいずれも39.0歳、男性はそれぞれ56.8%と61.1%で、組織型やその他の患者背景にも有意差はなかったが、前治療のレジメン数は、BSC群と比べてtrabectedin群で少ない患者が有意に多かった。追跡期間中央値は22.7カ月だった。

 主要評価項目であるPFS中央値は、trabectedin群5.6カ月(95%信頼区間:4.1-7.4)、BSC群0.9カ月(95%信頼区間:0.7-1.0)、ハザード比0.11(95%信頼区間:0.05-0.22)となった(p<0.0001)。

 奏効率は、trabectedin群10.8%、BSC群0.0%(p=0.115)、DCRはそれぞれ70.3%と2.8%(p<0.0001)となった。3カ月時と6カ月時のPFRは、trabectedin群では70.2%と38.6%、BSC群では3.3%と0.0%だった。

 OS中央値は、trabectedin群17.7カ月(95%信頼区間:12.8-26.4)、BSC群12.2カ月(95%信頼区間:7.0-24.0)、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.41-1.31)となった(p=0.296)。

 trabectedinでは忍容性も良好だった。

 同試験の対象中、後治療を受けた患者はtrabectedin群28人(75.7%)、BSC群32人(88.9%)で、このうち化学療法を受けた患者はtrabectedin群14人(50.0%)、BSC群30人(93.8%)だった。使用された薬剤は、trabectedin群ではパゾパニブが6人(21.4%)で最も多く、BSC群では29人(90.6%)がtrabectedinの投与を受けた。

 OSでは有意差は示されなかったが、国定氏は、BSC群で80%を超える患者がtrabectedinにクロスオーバーした状況が寄与した可能性があるとし、「trabectedinは、染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍で標準的な化学療法施行後の患者に対し、新たな治療選択肢となると考えられる」と結論した。
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2015年09月30日 (10:58)

HER2陽性乳癌の術前補助療法として化学療法+ラパチニブは化学療法+トラスツズマブと有意差なし、GeparQuinto試験の生存解析結果

2015年09月29日 (17:06)

ニボルマブはエベロリムスよりも既治療進行腎細胞癌の全生存期間を有意に延長、新たな選択肢に

 既治療の進行または転移を有する腎細胞癌に対し、抗PD-1抗体ニボルマブは、mTOR阻害薬エベロリムスよりも全生存期間(OS)を有意に延長することが明らかとなった。ニボルマブとエベロリムスを比較するオープンラベル無作為化フェーズ3試験CheckMate-025で示されたもの。試験は有効性が示されたため早期中止となっている。9月25日から29日までオーストリアのウィーンで開催されているEuropean Cancer Congress 2015(ECC2015)で、米MD Anderson Cancer CenterのPadmanee Sharma氏によって発表された。CheckMate-025試験には日本人の患者も含まれている。

 CheckMate-025試験は、2012年10月から2014年3月までに、既治療の淡明腎細胞癌患者821人をニボルマブ群(2週おきに3mg/kgのニボルマブを投与、410人)とエベロリムス群(毎日エベロリムス10mgを投与、411人)に無作為に割りつけた。投与は増悪か不耐容の毒性が発現するまで行われ、薬剤に忍容性があり、臨床的利益が示唆される場合には増悪後の継続投与も認められていた。適格基準として抗血管新生療法歴が1か2の測定病変を有する淡明腎細胞癌とされた。主要評価項目はOS。副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)、副作用、QOL(FKSI-DRS質問票に基づく)、PD-L1発現(腫瘍細胞での発現が1%以上と未満で分けた)によるOSだった。

 試験の結果、最短観察期間が14カ月で、OS中央値はニボルマブ群が25.0カ月(95%信頼区間:21.8-NE)、エベロリムス群が19.6カ月(95%信頼区間:17.6-23.1)だった。ハザード比は0.73(98.5%信頼区間:0.57-0.93)、p=0.0018で有意にニボルマブ群で長かった。サブグループ解析の結果、MSKCCリスク分類のPoorリスク患者でも効果が認められた。また抗血管新生療法治療歴が1の患者の方が2の患者よりもニボルマブの効果が高かった。

 PD-L1の発現が1%以上の患者(全体の24%)において、OS中央値はニボルマブ群が21.8カ月(95%信頼区間:16.5-28.1)、エベロリムス群が18.8カ月(95%信頼区間:11.9-19.9)で、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.53-1.17)となった。PD-L1の発現が1%未満の患者(全体の76%)において、OS中央値はニボルマブ群が27.4カ月(95%信頼区間:21.4-NE)、エベロリムス群が21.2カ月(95%信頼区間:17.7-26.2)、ハザード比は0.77(95%信頼区間:0.60-0.97)で、PD-L1の発現に関わらずニボルマブ群で良好な結果となった。

 ニボルマブ群は完全奏効(CR)が1%、部分奏効(PR)が24%で、奏効率は25%、エベロリムス群はCRが1%、PRが5%で奏効率は5%だった。病勢安定となったのはニボルマブ群が34%、エベロリムス群が55%だった。奏効期間中央値はニボルマブ群が12.0カ月(0-27.6)、エベロリムス群が12.0カ月(0-22.2)だった。

 PFS中央値はニボルマブ群が4.6カ月(95%信頼区間:3.7-5.4)、エベロリムス群が4.4カ月(95%信頼区間:3.7-5.5)で、ハザード比は0.88(95%信頼区間:0.75-1.03)、p=0.1135で差はなかった。しかし、6カ月時点で増悪していないまたは死亡していない患者に限定すると、PFS中央値はニボルマブ群が15.6カ月、エベロリムス群が11.7カ月で、ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.47-0.88)となった。

 グレード3/4の副作用はニボルマブ群で19%、エベロリムス群で37%に起こり、ニボルマブ群の方が少なかった。ニボルマブ群で多く見られた副作用は倦怠感(34%)、吐き気(14%)、重度のかゆみ(14%)、エベロリムス群で多く見られた副作用は口粘膜の炎症(30%)、貧血(24%)だった。投薬中止に結びついた副作用はニボルマブ群が8%(全グレード)、エベロリムス群が13%だった。ニボルマブ群に治療関連死はなく、エベロリムス群は2件発生した。

 QOLについても、ニボルマブ群の方が改善効果が高いことが認められた。

 Sharma氏は、「今回のフェーズ3の結果からニボルマブは既治療の進行腎細胞癌の新たな治療選択肢になる」と結論付けた。

2015年09月29日 (11:16)

肉腫に対するtrabectedin投与の全生存期間中央値は想定通りの約14カ月、有意差はつかず

 アントラサイクリン系抗癌剤と少なくとももう一種の化学療法を受けた進行脂肪肉腫(LPS) または平滑筋肉腫 (LMS) に対して、trabectedinはダカルバジンよりも無増悪生存期間は有意に延長したが、全生存期間(OS)については有意な延長は認められなかった。無作為化オープンラベル多施設フェーズ3試験であるET743-SAR-3007の最終OS解析の結果、示されたもの。

 trabectedinを投与された群は想定通りのOSを示したが、ダカルバジンを投与された群が想定よりも良好なOSを示した。9月25日から29日までオーストリアのウィーンで開催されているEuropean Cancer Congress 2015(ECC2015)で、米University of Texas MD Anderson Cancer CenterのS. Patel氏によって発表された。同氏はOSの延長効果が認められなかったことについて、後治療の影響を指摘した。

 trabectedinはホヤ由来のテトラヒドロキノリンアルカロイドで、DNAの小さな溝に選択的に結合し、細胞周期のG2-Mを遮断することで効果を発揮する。

 ET743-SAR-3007試験は、アントラサイクリン系抗癌剤と少なくとももう一種の化学療法を受けたLPSまたはLMS患者を対象に行われた。患者は3週間おきに、trabectedin1.5 mg/m2の24時間にわたる投与か(trabectedin群、384人)、20分から120分かけて行われるダカルバジン1g/m2の投与(ダカルバジン群、193人)を受けた。試験は4カ国85カ所で行われ、患者の94%は米国で投与を受けた。試験の主要評価項目はOSで、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、奏効期間(DOR)、安全性、患者報告アウトカムだった。

 PFSについては、最終解析結果が5月末からシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されている。PFS中央値は、trabectedin群が4.2カ月、ダカルバジン群が1.5カ月で、ハザード比0.550、p<0.0001で有意にtrabectedin群で延長していた。

 今回はOSの最終解析の結果が発表された。trabectedin群の有効性の解析には384人、安全性の評価には378人が対象とされ、最終解析後も8人が投薬を継続されていた。ダカルバジン群の有効性の解析には193人、安全性の評価には172人が対象とされ、最終解析後も2人が投薬を継続されていた。患者背景では65歳以上の患者がtrabectedin群で24.5%と、ダカルバジン群の19.2%よりも少し多かった。

 投与サイクル数中央値は、trabectedin群が4、ダカルバジン群が2。6サイクル以上投与できたのは、trabectedin群が42.1%、ダカルバジン群が21.5%、9サイクル以上投与できたのはtrabectedin群が25.9%、ダカルバジン群が17.7%、12サイクル以上投与できたのは、trabectedin群が17.7%、ダカルバジン群が4.7%だった。

 投与サイクルの遅延は、trabectedin群が63.2%、ダカルバジン群が41.9%、減量はtrabectedin群が42.3%、ダカルバジン群が12.2%だった。

 OSの最終解析(イベント数381)で中央値はtrabectedin群が13.7カ月、ダカルバジン群が13.1カ月で、ハザード比0.927(95%信頼区間:0.748-1.150)、p=0.4920で有意な差はなかった。

 パゾパニブ、ダカルバジン、ゲムシタビン、放射線治療などの後治療がtrabectedin群の71.4%、ダカルバジン群の69.4%に行われていた。

 試験薬投与後の次の抗癌剤開始までの時間の中央値は、trabectedin群が6.8カ月、ダカルバジン群3.5カ月、ハザード比0.529(95%信頼区間:0.428-0.653)、p<0.0001で有意にtrabectedin群が良かった。

 後治療を受けていない患者のOSはハザード比0.74(95%信頼区間:0.49-1.11)、p=0.143だった。バイアス補正のために行ったinverse probability of censoring weighted(IPCW)解析では、治療群の対照群に対するハザード比は0.68(95%信頼区間:0.45-1.02)、p=0.06515だった。

2015年09月28日 (16:55)

アンドロゲン受容体陽性の進行トリプルネガティブ乳癌でエンザルタミドは臨床的効果を示す

 アンドロゲン受容体(AR)陽性の進行トリプルネガティブ乳癌において、アンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミドは良好な臨床的効果を示すことが、フェーズ2試験MDV3100-11で明らかになった。また遺伝子発現検査で、より効果の高い患者を同定できる可能性も示された。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されているEuropean Cancer Congress(ECC2015)で、スペインVall d'Hebron University HospitalのJavier Cortes氏らが発表した。

 MDV3100-11試験はオープランラベルのサイモン2ステージデザインの試験。対象はAR陽性(IHCでAR>0%)の進行トリプルネガティブ乳癌で、未治療もしくは治療歴のある患者。骨転移のみの患者も含まれた。脳転移がある患者は除外された。

 主要評価項目は16週時点の臨床的有用性(完全奏効、部分奏効、もしくは16週以上の病勢安定:CBR16)とした。副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、24週時点の臨床的有用性(CBR24)、奏効率、安全性であった。

 エンザルタミドは160mgを1日1回経口投与した。ステージ1では評価できた26人のうち3人以上にCBR16が認められた場合、ステージ2に移行するとした。

 またこの試験では遺伝子発現プロファイリング検査(PREDICT AR)によって、AR発現を評価した。

 試験には118人が登録し、PREDICT AR陽性は56人(47%)だった。前治療数の中央値は1レジメンで、タキサン系抗癌剤、カペシタビン、プラチナ系抗癌剤、エリブリンが使用されていた。

 データカットオフ時点(2015年7月1日)で、PREDICT AR陰性群の治療期間中央値は8週、PREDICT AR陽性群では15週だった。

 CBR16の割合は、PREDICT AR陰性群(62人)では11%、PREDICT AR陽性群(56人)では39%で、CBR24の割合はそれぞれ6%、36%、奏効率は3%、9%であった。

 PFS中央値は、PREDICT AR陰性群で8週(95%信頼区間:7.1-12.6)、PREDICT AR陽性群は16週(同:10.4-26.1)だった。前治療数0-1レジメンの患者(63人)では、それぞれ8.3週(95%信頼区間:7.1-15.7)、32.3週(同:14.7-60.3)となった。

 フォローアップ期間中央値14カ月において、ITT集団でのOS中央値は51.6週(95%信頼区間:36.4-到達せず(NYR))、イベント数は62人(52.5%)だった。

 PREDICT AR陰性群のOS中央値は32.3週(95%信頼区間:20.7-48.3)、PREDICT AR陽性群では75.6週(同:51.6-91.4)であった。

 また1次治療もしくは2次治療としてエンザルタミド投与を受けた患者においては、PREDICT AR陰性群のOS中央値は43.4週(95%信頼区間:32.9-NYR)、PREDICT AR陽性群では到達していない(同:55.4-NYR)。

 多変量解析の結果、PREDICT ARの状態(陽性、陰性)、治療ライン数(1以下、2以上)が予後(PFSおよびOS)を有意に改善する因子であった。

 安全性データはエンザルタミドでの既報告のプロファイルと一致していた。主な有害事象は倦怠感、悪心、食欲低下、便秘、下痢、頭痛などで、グレード3以上の有害事象は倦怠感、悪心、便秘、腰痛、呼吸困難だった。

 以上のことから、進行トリプルネガティブ乳癌患者において、エンザルタミドの臨床的効果が確認されたとした。また新規の遺伝子発現プロファイリング検査によって、エンザルタミドでより効果が得られる患者を同定できる可能性があるとした。

2015年09月28日 (10:33)

VEGFR-TKI投与経験がある進行腎細胞癌でCabozantinibはエベロリムスよりもPFSを約2倍に延長【ECC2015】

 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬(VEGFR-TKI)の投与経験がある進行淡明腎細胞癌に対して、MET、VEGFR、AXLなどのチロシンキナーゼの活性を阻害するCabozantinibは、エベロリムスよりも無増悪生存期間(PFS)を約2倍に延長することが明らかとなった。Cabozantinibとエベロリムスを比較するフェーズ3試験METEORの、658人中最初の375人の患者の結果より示されたもの。9月25日から29日までオーストリアのウィーンで開催されているEuropean Cancer Congress 2015(ECC2015)で、米Dana-Farber Cancer InstituteのToni Choueiri氏によって発表された。

 国際オープンラベルのフェーズ3試験METEORは、進行腎淡明細胞癌でVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬を用いた治療後に進行した患者658人を、Cabozantinib(60mg/日)群(330人)またはエベロリムス(10mg/日)群(328人)に割り付けて比較した。前治療歴数に限定はなく、測定病変のある患者を対象とした。主要評価項目は独立画像評価委員会によるPFSに設定されていた。主要評価項目の解析のカットオフは2015年5月22日だった。

 副次評価項目は全生存期間(OS)、独立画像評価委員会による奏効率。OSは650人で計画された患者で408イベントが起きた際に評価されることとし、PFSの評価時点で中間解析を行った。

 両群の患者背景に大きな差はなかった。VEGFR-TKIの前治療歴は、Cabozantinib群では1が71%、2以上が29%で、スニチニブが64%、パゾパニブが44%、アキシチニブが16%、ソラフェニブが6%に使われていた。エベロリムス群では1が70%、2以上が30%で、スニチニブが62%、パゾパニブが41%、アキシチニブが17%、ソラフェニブが9%に使われていた。

 データカットオフ時点で投薬が継続されていたのは、Cabozantinib群が40%、エベロリムス群が21%で、PFSの解析にCabozantinib群187人、エベロリムス群188人のデータが用いられた。OSの中間解析にはCabozantinib群330人、エベロリムス群328人のデータが用いられた。

 試験の結果、独立放射線評価委員会の評価で、PFS中央値がCabozantinib群で7.4カ月(95%信頼区間:5.6-9.1)、エベロリムス群で3.8カ月(95%信頼区間:3.7-5.4)、ハザード比0.58(95%信頼区間:0.45-0.75)、p<0.0001で有意にCabozantinib群が長かった。PFSがCabozantinib群で優れる傾向にあることが、VEGFR-TKIの投与歴数、MSKCCのリスクグループに関わらず認められた。

 VEGFR-TKIとしてスニチニブのみしか使用経験のない患者においては、PFS中央値がCabozantinib群で9.1カ月(95%信頼区間:5.6-11.2)、エベロリムス群で3.7カ月(95%信頼区間:1.9-4.2)で、ハザード比0.41(95%信頼区間:0.28-0.61)だった。

 奏効率はCabozantinib群が21%(95%信頼区間:16-28)、エベロリムス群が5%(95%信頼区間:2-9)で、有意な差(p<0.001)があった。増悪した患者はCabozantinib群が14%、エベロリムス群が27%だった。Cabozantinib群の179人中150人(84%)、エベロリムス群の167人中98人(59%)で腫瘍の縮小が認められた。

 OSの中間解析の結果、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.51-0.89)、p=0.005で、有意とされるp=0.0019には届かなかったが、Cabozantinib群で良好な傾向が認められた。

 投与量の減量が行われたのは、Cabozantinib群が60%、エベロリムス群が25%だった。副作用により投薬中止となったのはCabozantinib群9.1%、エベロリムス群10%だった。重篤な有害事象の発生率に両群で差は無かった。

2015年09月26日 (17:16)

乳がん手術後の「乳房再建」3つの方法とは?

乳がんの手術を行った後、乳房の形を整える治療が「乳房再建」です。乳房再建のタイミングについては、乳がん手術後に放射線治療などの必要な治療を続け、時間が経ってから行う方法と、乳がん手術を行った際に同時に再建まで済ませる方法とがあります。ここでは、乳房再建の代表的な3つの方法について見てみましょう。


◆自家組織移植(保険適用)

自分の体の一部を移植する方法が「自家組織移植」です。広背筋という背中の筋肉周辺の皮膚・脂肪・筋肉を胸に移植する方法を「広背筋皮弁法」といいます。一方、お腹の皮膚・脂肪・筋肉を胸に移植する方法を「腹部皮弁法」といいます。

広背筋皮弁法は温存手術または比較的小さな胸の全摘術に対して行われます。腹部皮弁法は比較的大きな胸の全摘術にも対応できます。自家組織移植は、組織を採取する必要から、胸とは別の場所に傷が残るという問題がありますが、もともと自分の体の一部のため、異物を排除しようとする拒絶反応が起きません。また、手術していない側の胸と同じように、時間とともに自然に変化することを期待できます。


◆人工乳腺(保険適用)

シリコン製の「人工乳腺」(インプラント)を胸の大胸筋という筋肉の裏側に挿入する方法です。2013年に保険適用になりました。それまで多くの人が乳がん手術の際、最小限の切除にとどめる温存手術を希望していました。しかし、乳房をすべて切除したとしても、その後に形成外科の技術によって形を調えることができ、しかも保険適用ということもあり、乳房再建を前提とした乳房全摘を選択する人も増えているといいます。

この人工乳腺を用いる方法では、まず、乳がん手術の際に大胸筋の裏側に「エキスパンダー」を入れることでスペースを作ります。そして、大胸筋の裏側に十分なスペースができてから、エキスパンダーを人工乳腺に入れかえる手術を行います。また、条件が合う場合に限られますが、太ももつけ根から採取した皮膚を大胸筋に縫い付け、エキスパンダーではなく最初からインプラントを挿入し、1回で手術を終える方法もあります。


◆脂肪注入(自費診療)

乳がん手術を終え、後日、お腹や太ももから脂肪を吸引して胸に注入する治療が脂肪注入です。自分の体の組織を用い、また、他の部位に大きな傷を残さないというメリットがあります。1回に注入できる脂肪の量は限られているので、複数回に分けて注入します。脂肪注入は保険適用外のため、全額を患者が負担する自由診療となっています。


乳がん手術は、術後にどのように乳房再建を行うかまで合わせて考えておく必要があります。よく指摘されることですが、「温存手術」というと形も保たれるかのようなイメージがあるものの、部分的な切除でも変形したり、術後の放射線治療で硬くなるなど、希望と異なる結果になることがあります。人工乳腺が保険適用になったのは、術後に形を適切に整えることは女性にとって非常に大切で、治療の一環と受け取るべきものであることが認められたからでもあります。もちろん、もっとも重要なことは再発を防ぐことです。その上で、乳房再建の方法にも選択肢があることを知り、医師とよく相談して治療方針を決めるのが良いでしょう。

2015年09月26日 (11:21)

がん治療遺伝子使い悪性中皮腫で治験 岡山大、新薬開発へ

 岡山大発創薬ベンチャー「桃太郎源」(岡山市)は25日、同大が発見したがん治療遺伝子「REIC(レイク)」を使った悪性中皮腫に対する臨床試験(治験)が今月から始まると発表した。同大の特許技術を活用した治験は初めて。

 岡山大、桃太郎源は、同社とライセンス契約を結んだ製薬大手の杏林製薬(東京)と共同で悪性中皮腫に対する遺伝子治療薬の開発プロジェクトに取り組んでいる。プロジェクトは昨年6月、科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業に採択されている。

 日本医薬情報センター(JAPIC)などによると、治験は杏林製薬が岡山大病院(岡山市)など国内3施設で行う。18症例でREICの安全性や有効性を検討する。具体的な開始日や期間は明らかにしていない。

 REICは2000年に岡山大が発見。患部への運び役となるアデノウイルスを組み合わせた薬剤で、がん細胞のみを自滅させ、がんに対する患者自身の免疫を活性化させることが、前立腺がんに関する臨床研究などで分かっている。改良を加えた第2世代の薬剤が完成し、既に米国で前立腺がんを対象にした臨床試験が実施されているが、国内で患者に投与されるのは今回が初めて。

 桃太郎源取締役の公文裕巳・新見公立大副学長(岡山大名誉教授)は「治験は実用化に向けた最終ステップ。今後、肝臓がんなど対象を拡大して遺伝子治療薬の開発を進め、新しいがん治療法を確立したい」と話している。

2015年09月25日 (17:04)

「脱毛」「むくみ」「倦怠感」…川島なお美さんが避けた抗がん剤の副作用

川島なお美さんが9月24日、胆管がんのため亡くなられました。川島さんは昨年1月に腹腔鏡手術を受けた後、抗がん剤治療ではなく民間療法を行っていました。抗がん剤治療の副作用によってステージに立てなくなる可能性を考慮しての選択だったといいます。抗がん剤治療の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。


◆副作用が現れる理由

抗がん剤の目的は増殖するがん細胞を殺すことにあります。その際、がん細胞だけでなく、正常な細胞にも影響を与えてしまいます。その結果、さまざまな副作用が生じます。特に影響を受けやすいのが、赤血球、白血球、血小板などの血液成分をつくる骨髄や、食道、胃、腸などの消化管、そして、毛根、心臓、腎臓、膀胱、肺、神経系などです。

正常な細胞は抗がん剤の影響を受けても、がん細胞に比べて早期に回復します。なかには、手足のしびれのように、症状が消えるまでに数か月から数年間続く副作用もありますが、多くは早期に軽減します。


◆外見に関わる「脱毛」「むくみ」

川島さんはステージへの影響を重視していました。まず、外見の変化に関わる副作用を見てみましょう。脱毛はよくみられる副作用の1つです。抗がん剤治療開始後14~21日頃から髪の毛が根元で切れるようになります。頭髪を引っ張ると大量の髪の毛が抜け、ショックを受けることも少なくありません。少しずつ薄くなることもあれば、1~2か月の間にすべて脱毛する場合もあります。ただし、治療の全コース終了後、しばらくすると髪が生え始め、約6か月で回復を期待できます。

薬剤の影響、心機能・腎機能の低下、血液のたんぱく量の低下によって「むくみ」が生じます。むくみは早期の治療が必要になります。むくみのある部位は圧迫を避け、心臓よりも高い位置にあげておくようにします。また、皮膚感覚が低下するため火傷、凍傷にも注意します。


◆活動に関わる「倦怠感」「嘔吐」「下痢」

次に、ステージ上での活動を困難にする副作用を見てみましょう。抗がん剤治療を開始して2~3日経つと、全身の倦怠感を感じるようになります。抗がん剤に対する反応で、体が多くのエネルギーを消費してしまうこと、がん細胞が死滅する際にサイトカインという物質を放出することが関係していると考えられます。倦怠感が現れたら、できるだけゆっくりと体を動かすようにして、必要のない行動を避け、休息・睡眠を十分にとります。

抗がん剤が口の中や胃、腸の粘膜を刺激するため、気持ち悪くなったり吐いたりすることがあります。嘔吐が数日間続くこともありますが、多くの場合3~4日で改善します。嘔吐をやわらげるための薬が処方されます。

抗がん剤による下痢には、治療を受けた当日に起こる早発性下痢と、治療後数日から2週間頃までに起こる遅発性下痢とがあります。おなかの痛みや発熱をともなう場合は、すぐに主治医に連絡するようにします。


抗がん剤は副作用をともないますが、そうした副作用を軽減するための薬もあります。症状が現れた場合は主治医、看護師、薬剤師に相談しましょう。抗がん剤を受けている人の家族や知人の方についても、抗がん剤の副作用についてある程度知っておいた方が良いでしょう。本人がどのようなことに苦しんだり悩んだりしているのかを想像でき、また、脱毛のケースのように、いずれ回復することを知っていれば、必要以上にショックを受けなくてもよいことが分かるからです。

2015年09月25日 (11:40)

腹腔鏡手術は危険なのか 医師が解説


 腹腔鏡手術による医療ミス事件が続発している。2002年に東京慈恵会医科大学附属青戸病院(現・同大学葛飾医療センター)で前立腺がんの患者が同手術により死亡して以来、この問題は続いてきたが、最近では群馬大学医学部附属病院で8人、千葉県がんセンターで11人が相次いで死亡した事件が世間に大きなショックを与えた。

 では、腹腔鏡手術は本当に危険なのか。

 腹腔鏡手術とは、腹部に5~10ミリメートル程度の孔を数カ所開け、そこからカメラ、電気メス、手術器具を入れて、モニターに映し出された映像を見ながら行う手術である。これは、従来の開腹手術と異なり、傷口が小さくてすむ。また、術後の回復や感染症予防にも良いとされている。

 したがって、ここ10年ほどで急速に普及し、胃がんや大腸がんでは、今では半数以上の手術が腹腔鏡で行われるようになった。食道がん、乳がんでも普及し、最近では肝臓がん、膵臓がん、胆嚢がん、前立腺がんなども腹腔鏡手術を選択する医師が多くなった。

 しかし、ミスが続発しているように、その安全性には疑問が残る。というのは、手術を行う医師の腕によって結果が大きく異なるからだ。器用か不器用かで天と地ほど違うのだ。実際のところ、開腹手術であれば肉眼で見ながら切除ができるが、腹腔鏡の場合はカメラを“目”の代わりにする。この点だけでも、医師の腕が問われる。

●ベテラン医師でも信用できない?

 じつは、肝胆膵外科医の世界では、「いつか大きなミスが起こるのでは」と囁かれていた。それは、この手術ができることを自慢する医者や、それで患者を集める病院が増えたからだ。肝胆膵がんの手術は、開腹手術でも一歩間違うと合併症が起こるため、消化器外科のなかでも難しい手術に属する。なかでも最高難度とされるのが、肝門部胆管がんだ。

 にもかかわらず群馬大学や千葉県がんセンターのケースでは、これを腹腔鏡で行っていた。しかも、保険適用外の「実験レベル」といってもいいレベルの手術をしていた。厚労省によると、腹腔鏡による肝臓の切除手術については、「部分切除」と「外側区域切除」には保険が認められているが、それ以外は適用外となっている。
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 つまり、これは医療ミス、事故というより犯罪だ。交通事故にたとえるなら、運転免許証は持っているが運転が下手な運転手によって引き起こされた死亡事故で、業務上過失致死罪に当たる。しかし、医者はこの罪には問われない。

 今や日本人の2人に1人ががんになる時代。がんの手術数は急増している。それだけに、手術を受ける場合は安易に腹腔鏡を選ぶべきではない。また、それ以上に、誰に手術をしてもらうか、執刀医選びは大切だ。千葉県がんセンターで事件を起こした執刀医は、腹腔鏡手術の実績が200件を超えるベテランの医師だった。ベテラン医師でも信用できないのである。

2015年09月24日 (16:39)

胃を摘出後の後遺症。黒木奈々さんを悩ませた「ダンピング症候群」とは


9月19日、フリーアナウンサーの黒木奈々さんが32歳という若さで胃がんのため亡くなりました。NHK・BSのキャスターとして活躍していた黒木さんは、昨年8月にステージ3である末期がん一歩手前の胃がんが見つかってから、仕事復帰を目指し闘病してきたそうです。

がんの進行が早かったため、胃を全摘出した黒木さんは、術後の「ダンピング症候群」にも悩まされたと言います。胃を摘出したことによって起こる「ダンピング症候群」とはどのようなものなのでしょうか?
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◆「ダンピング症候群」とは

がんは摘出したからといって安心というわけではありません。特に胃を切除するということは、胃の機能を失うということでもあります。胃を切除したことによる後遺症は「胃切除後症候群」と呼ばれています。胃切除後症候群は、どの部分をどれくらい切除したかによって症状が違います。主に次のものが挙げられます。

・ダンピング症候群
・逆流性食道炎
・逆流性胃炎
・栄養障害
・貧血
・下痢

なかでもダンピング症候群は、食べ物が一度に小腸に流れ込むことによって起こる全身症状です。胃を全摘出した場合、食べ物が直接腸に落ちるため、冷や汗や悪寒などの症状に悩まされるのです。この症状の名前はダンプカーが土砂を一気に投げ下ろす様子が由来しています。ダンピング症候群は食後にこのような症状があらわれます。

・冷や汗
・動悸
・しびれ
・めまい
・頭痛
・倦怠感
・発汗
・下痢
・吐き気
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◆ダンピング症候群への対処法とは

ダンピング症候群には、食後から5~30分で起こる「早期ダンピング症候群」と、食後から2~3時間で起こる「晩期ダンピング症候群」のふたつがあります。ここではそれぞれの対処法についてご紹介します。

●横になる
早期ダンピング症候群は、冷や汗や動悸、だるさ、腹痛、吐き気などの症状があります。早期ダンピング症候群は、浸透圧の高い食べ物が一気に腸へ運ばれることにより、腸の動きが激しくなって起こる症状です。腸から血管に作用する物質が分泌され、全身の血管が広がるために冷や汗やめまいなどの症状があらわれます。このような症状があらわれた場合は、しばらく横になって休む必要があります。

●糖分を補給する
晩期ダンピング症候群は、頭痛や倦怠感、呼吸が早くなるといった症状があります。これは炭水化物が急速に小腸に流れ込むことで炭水化物の糖分が血液に吸収され、一時的に高血糖になることが原因です。糖を処理するインシュリンが、糖を吸収し終えたあとも分泌されるため、低血糖になりこのような症状があらわれるのです。

晩期ダンピング症状に悩まされたときは、飴やガムなどを口にして糖分を補給するようにしましょう。

ダンピング症候群は、急激に食べ物を吸収することが原因で起こります。予防するためには、食事を少しずつゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。そして、飴を持ち歩き、症状が起こりそうだと感じたときには、すぐになめるようにするといいでしょう。

辛い手術を乗り越えたあとも、後遺症に悩まされることがあります。残念ながら黒木さんは亡くなってしまいましたが、同じ病気で苦しんでいる方もいらっしゃいます。無理をせず、自分のペースで治療に専念しましょう。

2015年09月24日 (10:44)

がんの5年生存率は65%、治療成績はどの程度か

 胆管がんで死去した川島なお美さんや、胃がんが原因で32歳の若さで亡くなったフリーアナウンサーの黒木奈々さんなど、このところがんに関するニュースをよく耳にします。がんはすでに日本の国民病となっており、2人に1人が罹患し、3人に1人はがんが原因で亡くなっていますから、誰にとっても身近な問題といってよいでしょう。がんの治療は日進月歩といわれますが、実際、どの程度の治療成績が得られているのでしょうか。

5年生存率とは?

 国立がん研究センターは14日、がん患者の5年生存率(相対値)のデータを公表しました。調査対象となったのは、2007年における全国177施設の17万症例で、一般的な治療の目安とされる5年生存率(がんと診断された人のうち、5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に対してどの程度低いのかを示した数値)を算出したものです。

 今回の調査における、すべてのがんを対象とした5年生存率は64.3%でした。つまり全体的な話としては、がんにかかっても6割以上の人が5年以上生存できているわけです。1960年代の生存率は男性が30%、女性が50%程度でしたから、ここ半世紀でがんの治療成績は大きく向上したことが分かります。

部位別で生存率を見てみると

 部位別では、乳がんがもっとも生存率が高く92.2%、大腸がんは72.1%、胃がんは71.2%でした。日本人がかかりやすいのは、男性は胃がん、女性は乳がんなのですが、かかりやすいがんは比較的成績が良好ということになります。一方、肝臓がんと肺がんの治療成績は悪く、肝臓がんは35.9%、肺がんは39.4%でした。肺がんの罹患率は高いですから、要注意の部位といってよいでしょう。

 同調査では都道府県別の生存率も公表されました。もっとも高かったのは東京で74.4%、もっとも低かったのは沖縄で55.2%でした。地域によって治療成績に大きな違いがあるように見えますが、必ずしもそうとは限りません。こうした統計データは、母集団の数によって大きくブレる可能性があり、症例が少ない地域の場合には、例外的なケースが数字を引っ張っていることがあります。また、発見時のステージ、年齢、治療方法によっても生存率は変わってきますから、こうしたデータはあくまで参考程度にとどめておくのがよいと思われます。
患者のQOLも配慮に

 がんが国民病となるにしたがって、治療に対する考え方も徐々に変化しています。かつては、ひたすら生存期間を延ばすことに焦点が当てられていましたが、最近は患者の生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)も考慮されるようになってきました。同じ5年の生存期間でも、それなりの生活水準を維持できたケースと、ほとんどの期間において苦しい治療が続いたケースでは、患者の負担は大きく異なります。どのような治療方針を選択するのかは、最終的には患者が決定すべきものです。がんは誰にとっても無関係な病気ではありませんから、わたしたちは、日頃からこうした情報と真剣に向き合っていくことが大切でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

2015年09月19日 (17:45)

最近注目の食道がん(4)食道がんに対する新しい治療 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学准教授 岡山大病院消化管外科副診療科長 白川靖博

 食道がんに対する標準的治療は、根治切除可能な場合は手術や内視鏡的切除、また切除不能な進行がんに対しては抗がん剤と放射線を組み合わせた治療が行われます。しかしながら、ご高齢の患者さんあるいは重篤な臓器障害を持つ患者さんの場合、手術や抗がん剤といった治療は難しいこともあります。

 そこで、このような標準的治療が難しい患者さんに対しても行える身体への負担が少ない治療法の開発が望まれるところであります。そういった中、岡山大学病院では食道がんに対するテロメライシンを用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究を2013年に開始しました。

 テロメライシンは、岡山大学医学部消化器外科学の研究グループで研究開発された世界初の腫瘍選択的融解ウイルス製剤であります。テロメライシンは、風邪ウイルスの一種であるアデノウイルスを遺伝子改変したものであります。テロメラーゼ活性というがん細胞特有の性質を標的としており、がん細胞の中でのみ増殖してがん細胞を破壊するウイルス製剤です。

 さらに、ヒトの体の中で自立性を持って増殖することによって効果を表すという、これまでの抗がん剤にない作用のしくみを持っています。すなわち、テロメライシンはヒトのがん細胞に感染すると1日で10万~100万倍に増殖し、がん細胞を破壊します。一方、テロメライシンは正常の組織の細胞にもウイルス感染はしますが、ウイルスは増殖しないようにつくられているので、正常組織での細胞の損傷は少ないと考えられているのです。

 岡山大学病院で行っている臨床研究に先立ち、米国においてがん患者に対するテロメライシンの臨床試験が行われていますが、大きな副作用は認められず、ウイルス投与部位において腫瘍が縮小する効果などの有効性が認められました。また、岡山大学消化器外科学の研究グループでは、テロメライシンが放射線治療によるがん細胞のDNA損傷の修復を阻害することで、放射線治療の効果を格段に増強することができるということも、基礎研究で明らかにしています。

 このようなことを背景として、テロメライシンと放射線治療を組み合わせた治療の臨床研究を13年から開始するに至ったのです。これまでに食道がんの患者さん7人に対して治療を行っています。対象となったのは、高齢あるいは臓器障害のために標準的な手術や抗がん剤治療が難しい患者さん、あるいは進行がんで標準的な抗がん剤治療の効果が認められなかった患者さんなどです。7人中5人の患者さんに一定の効果が認められ、いずれの患者さんにも重大な副作用は認められませんでした。

 今後さらに臨床研究が進み、標準的な手術や抗がん剤治療を受けられないような食道がんの患者さんにとって安全で有効な治療法であることが明らかになれば、今後ますます拡大していく高齢化社会において、とても有用な治療になるものと期待されるところであります。

2015年09月19日 (10:58)

ただの1人もがんにならない中国奥地の村、その理由が明らかに―台湾メディア

2015年9月13日、中国南部の広西チワン族自治区は長寿の村が多いことで知られている。同自治区桂林市茘浦県のある村は、人口3653人のうち、ただの1人もがんに罹患する住民がいないことがわかった。その原因を米国のある医療研究チームが突き止めた。台湾のバイラルメディア・AnyElseが伝えた。

医療先端技術を研究する米国のある調査チームは、この村に潜入して現地の気候風土や住民の食生活、生活習慣について入念に調べたところ、村民からがんを遠ざけているものを「サトイモの常食」だと断定した。経済的に貧しい家庭が多く、食生活は自然に地産地消を実践する形になっているが、土地がやせているため、サトイモくらいしか量産できる農作物がなく、1日3食サトイモとは切り離せない食生活を送っている。茘浦県産のサトイモと言えば一帯では有名で、近隣の景勝地・桂林では必ずみやげ品として売られているのを目にすることになる。また、茘浦県産のサトイモは清代には皇帝に献上され、乾隆帝が大変好んだと伝えられる。

サトイモががんを抑制するのには3つの原因があるという。

1)サトイモはアルカリ性食品で、人体に蓄積した酸性物質を中和する作用がある。これががん細胞増殖を抑制するという。

2)カリウムをはじめ、タンパク質、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、カロテンなど栄養素が豊富で、免疫力を高める効果がある。

3)サトイモのぬめり成分・ガラクタンが、免疫力向上とがん細胞増殖の抑制ともに効果を発揮する。(翻訳・編集/愛玉)

2015年09月18日 (16:00)

「腎がん」に有効な新免疫療法が登場 日本でも患者テストが進みつつある

 ここ数年、腎がん(腎臓がん)の罹患者数が増加しつつある。国立がん研究センターの全国がん罹患モニタリング集計では、毎年1000~2000人増加しており、男性に限ると前立腺がんに次ぐ増加を見せている。

 腎がんとはどのようながんなのか、また、腎がんの新たな治療法として研究が進んでいる「抗PD-1抗体」とはどのようなものなのか。順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科教授の堀江重郎医師に話を聞いた。

■メラノーマではがん細胞がほぼ消滅することも

 腎臓は腹部に左右1つずつ存在する臓器で、血液をろ過して尿を作るほか、血圧のコントロールや造血に関するホルモンを生成する。その尿の通り道となる「尿細管」という部位の細胞ががん化したものが「腎がん」だ。

  「発症リスクには、肥満や喫煙があります。緯度が高く寒い地域で患者が多く見られ、高塩分や高脂肪な食習慣はリスク因子だと考えられます」(堀江医師)

 早期発見し治療をおこなった場合の5年生存率(5年間生きられる確率)は90%以上とされているが、進行し腎臓以外への転移なども確認された場合、30%程度にまで落ち込む。しかし、早期では特徴的な自覚症状はなく、かなり進行した段階で血尿などが見られるようになるため、健康診断や人間ドッグで腹部超音波検査(エコー検査)を定期的に受診する必要がある。

 現在、転移のある腎がんの主な治療法として知られているのは手術による切除、がん細胞が増える原因となる物質を排除する「分子標的療法」の2つ。分子標的療法は転移がある患者の生存期間を延長したものの、いずれ薬剤にがんが適応して効かなくなってしまう。そんな中、注目されているのが「抗PD-1抗体」という薬剤を使用する新たな免疫療法だ。腎がんではもともとインターフェロンなどの薬剤を用いる「免疫療法」が行われていたが、効果は小さかった。

  「免疫療法は人体にもともと備わっている免疫機能を利用し、がん細胞を攻撃する治療法ですが、がん細胞は『PD-L1』というたんぱく質を持っており、これが人の免疫細胞の持つ『PD-1』というたんぱく質と結合すると、免疫機能が作用しなくなり、がん細胞を攻撃できなくなってしまうのです」(堀江医師)

 抗PD-1抗体は、このたんぱく質の結合を阻害する薬剤で、抑え込まれてしまった免疫機能を正常に作用させる。つまり、自分の体でがんを克服する手助けをしてくれる、副作用の少ない治療法なのだ。日本では今のところメラノーマ(悪性黒色腫)にのみ保険適応となっているが、メラノーマではがん細胞がほぼ消失した例も確認されており、効果が期待される。

2015年09月18日 (10:44)

メディネットのパートナー英TC BioPharm社が癌患者を対象にした細胞医療製品のフェーズ2/3を英国で開始へ

 メディネットは9月16日、欧州での戦略パートナーである英TC BioPharm社が、癌患者を対象にした細胞医療製品について、英国医薬品庁から治験開始の承認を取得したと発表した。

 開始する治験は、悪性黒色腫、肺癌、腎癌患者を対象に、メディネットが導出した細胞加工技術で作成した細胞医療製品の安全性と治療効果の検討を目的としたフェーズ2/3試験。メディネットが国内で免疫細胞療法総合支援サービスとして展開してきた医療機関での臨床研究や治療実績が評価され、フェーズ1試験を実施せず、フェーズ2/3試験の開始が認められたものだという。

 治験は10月からグラスゴーのBeaton Institute for Cancer Researchで開始され、2016年にはEdinburgh Cancer CenterやSouthampton General Hospitalなどとの共同治験として多施設化する計画だ。

2015年09月17日 (16:19)

膵臓がんの治療で注目される「FOLFIRINOX療法」とは?

最近では大相撲の九重親方や俳優の庄司永建さんなど、膵臓がんを発症する人が増えています。「FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法」は、2013年12月に健康保険の適用が承認された、膵臓がんに対する新しい治療方法です。ここでは、FOLFIRINOX療法とがん保険・医療保険について説明します。

◆4種類の抗がん剤を併用

FOLFIRINOXは薬剤の名前ではなく、4つの抗がん剤を併用する治療方法のことです。膵臓がんは早期発見が困難な場合が多く、膵臓がんと診断された患者のうち8割が、病気が発覚した時には手術不可能なくらいに進行していると言われます。FOLFIRINOX療法は、そのような手術が困難な患者に対して効果がある治療法として期待されています。

FOLFIRINOX療法では、オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシル──の4つの抗がん剤を併用します。2週間を1クールとして点滴治療を行います。

◆FOLFIRINOX療法の効果と副作用

これまで膵臓がんの第一選択の抗がん剤として用いられてきたのはゲムシタビンという薬剤でした。ゲムシタビンは奏効率(薬の有効率)が9.4%で、1年生存率は20.6%でした。これに対しFOLFIRINOX療法は、奏効率31.6%、1年生存率48.8%というデータが出ており、高い効果が期待できることがわかります。

ただし、FOLFIRINOX療法は副作用も大きく、自覚症状があるものだけでも、吐き気・嘔吐、食欲不振、便秘、下痢、口内炎、末梢神経障害、疲労感、発疹、脱毛、手足症候群、発熱──などがあります。このため、FOLFIRINOX療法では副作用に関する治療も並行して行います。

なお、切除不能な膵臓がんの患者のすべてにFOLFIRINOX療法が行われるわけではありません。65歳以上の患者については慎重投与とされているほか、特定の疾患や症状、体質を持っている場合は適用できないことがあります。

◆FOLFIRINOX療法とがん保険・医療保険

前述のとおり、FOLFIRINOX療法は2013年に健康保険の適用となったため、高額療養費の対象にもなります。また、がん保険および民間医療保険についても、FOLFIRINOX療法は入院給付金の対象になります。

がん保険と医療保険の両方を契約している場合は、両方から入院給付金を受け取ることができます。これは、がん保険と医療保険が別々の保険会社でも、同一の保険会社でも同様です。

次に、FOLFIRINOX療法による副作用の治療に関してです。医療保険の場合は、これについても入院給付金の対象になると考えられます。通院給付金は「退院後の所定期間内の所定日数内の通院」であれば、やはり、対象になると考えられます。

では、がん保険の場合は副作用の治療は給付対象になるのでしょうか? がん保険は「がんの直接の治療を目的とする」という前提があります。このため、FOLFIRINOX療法の副作用対策の投薬も保険の対象になります。ただし、副作用に対する治療だけを単独で行う場合には、対象外となるようです。

FOLFIRINOX療法とがん保険のまとめ

FOLFIRINOX療法は激しい副作用を伴う治療法です。副作用に対する治療費などを考えると、がん保険は「実損てん補」型よりも「定額払い」型の方が望ましいと言えそうです。

実損てん補型の場合、治療費のみを補てんの対象とし、手元に現金が残りません。定額払いの場合、治療を受けた都度、請求して給付金を受け取ります。受け取った現金は何に使おうと自由ですから、交通費や副作用の治療にあてることもできるわけです。

<医療監修>
●坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター)

<執筆>
●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。現在、「大人のための生命保険相談室」や「FP試験対策個別指導塾」、「交通事故被害者のための相談室」を展開中
http://cfpm.biz/   http://fp-answer.com/

Mocosuku編集部

2015年09月17日 (10:41)

唐辛子で死亡率低下!?ほぼ毎日の摂取で14%減

 唐辛子を日常的に食べると、全死亡率とがん死や虚血性心疾患死リスクが減るようだ。中国の大規模疫学研究の報告から。

 研究グループは、中国の多様な10地域住民のデータを基に、香辛料入りの食品の摂取と全死亡率および疾患別の死亡率との関連を調査。登録時にがんなどの既往がなかった30~79歳の男女48万7375人を解析対象とした。

 登録時、参加者は前月に食べた香辛料入りの食品の量を「全く~ほとんど食べない」「数日のみ」「週1~2日」「週3~5日」「週6~7日」から一つ選び回答。食べた香辛料についても「生唐辛子」「ドライ唐辛子」「唐辛子ソース」「唐辛子油」、あるいは「その他、わからない」から複数選択してもらった。ちなみに、最も摂取頻度が高いのは生唐辛子の8割、次いでドライ唐辛子の6割だった。

 このほか、学歴や生活習慣、赤身肉や野菜・果物の摂取量、家族の既往など死亡リスクに関わる項目の有無にも回答している。

 2004~13年の追跡期間中、男性1万1820人、女性8404人が死亡した。

 全死亡率を香辛料入りの食品摂取別で単純に比較すると「週1日未満」集団で年1000人あたり6.1人、「週6~7日」集団では同5.8人と大きな影響は認められなかった。しかし、他のリスク因子の影響を補正して解析した結果では、男女ともに香辛料入りの食品摂取頻度が高いほど全死亡率が低下。「週6~7日」集団の死亡リスクは「週1日未満」集団より14%減少したのである。低減効果は「生唐辛子」で有意に高いことが示された。

 疾患別では、がん死、虚血性心疾患死、呼吸器疾患死リスクが「週1日未満」集団よりも「週6~7日」集団で有意に低かった。一方、脳卒中や糖尿病に起因する死亡では差が生じなかった。

 さて、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」はサプリメントとして流通しているが、今回の調査で死亡リスク低減効果を認めたのは生唐辛子。最近は海外品種も出回っているので、秋口でも「生」が手に入る。せっかくだから、食べ過ぎない程度に丸ごとどうぞ。

 (取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

2015年09月16日 (16:55)

抗がん剤オプジーボ、重症筋無力症の恐れも-厚労省、添付文書改訂を要望

 厚生労働省は15日、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の治療剤オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(一般名ニボルマブ【遺伝子組み換え】)について、添付文書の改訂などを求める通知を出した。厚労省は同剤を投与した場合、「重症筋無力症、筋炎、大腸炎、重度の下痢が現れることがある」と指摘。これらの症状を「重大な副作用」の項目に追記する必要があるとしている。【松村秀士】

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、同剤が製造販売承認された昨年7月以降、投与後に筋肉の力が弱まって目が開けにくくなったり、疲れやすくなったりする重症筋無力症や筋炎に関連した副作用症例が国内で6例確認された。いずれの症例も同剤との因果関係が否定できず、死亡したケースも1例あった。また、大腸炎や重度の下痢に関連した副作用症例も5例確認され、このうち、4例が同剤との因果関係が否定できなかったという。

 こうした症例数などを踏まえ、厚労省は、重大な副作用の項目に、重症筋無力症と筋炎、大腸炎、重度の下痢の4つ症状を追記する必要があると判断し、製造販売業者に添付文書の改訂を求めた。

 また、厚労省は「重要な基本的注意」の項目に、観察を十分に行い、異常が認められた場合は過度の免疫反応による副作用が出ることを考慮して「適切な鑑別診断を行うこと」を付け加えるよう要望。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合は、副腎皮質ホルモン剤の投与などを検討することを追記する必要性も挙げている。

2015年09月16日 (10:39)

皮膚がんの新薬、副作用で1人死亡 厚労省が注意指示

 厚生労働省は15日、皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)を投与された患者1人が、全身の筋力が低下する「重症筋無力症」を発症して死亡したとして、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、薬の説明文書を改め、医師らに注意を呼びかけるよう指示した。この薬は、がん細胞の影響で抑えられていた免疫を再び活性化させる新しいタイプで、昨年7月に承認された。

 厚労省によると、使用後に6人が重症筋無力症や筋炎を発症し、うち80代の女性が死亡したことが報告された。6人とも薬との因果関係は否定できないという。厚労省は説明文書の「重大な副作用」欄にこれらを追加するよう求めた。

朝日新聞社

2015年09月15日 (11:11)

がん治療、医師から伝えられた治療法だけを鵜呑みにしない

 国立がん研究センターでは、今年、がんで死亡する女性は15万7000人になると予測している。いまや国民の2人に1人が、がんになる時代で他人事ではない。

「だからといって、いつまでもパニック状態ではいけません。がん宣告直後は精神的に不安定になり、医師の言葉がなかなか頭に入ってこないもの。難しいかもしれませんが、まずは冷静になることを心がけて」(ファイナンシャル・プランナー黒田尚子さん)

 黒田さん自身も'09 年に乳がんの告知を受けた。

「私はがんを宣告されたとき、自覚症状がまったくなかったので“ウソでしょ~”と思いましたよ(笑い)」

 がんは情報戦。宣告されたら、最善の治療法を選択するための情報収集の時間を作らなくてはいけない。

「医師も仕事なので、治療法やスケジュールをどんどん説明してきます。そこで、医師に“ちょっと待ってください”と言えるかどうかが重要。“家族と相談したいので、今、お話しされた治療法を紙に書いてください”と伝えてください」(黒田さん)

 また医師から伝えられた治療法だけを鵜呑みにしてはいけない。

「例えば、信頼度の高い『国立がん研究センター』のホームページにある『がん情報サービス』で“どんな治療法があるのか”を調べ、それを医師に相談してみる。あなたの病気に関する情報をいちばん持っているのは、やはり目の前にいる主治医。“信頼できるがん情報はどこで得られるのか”を主治医に聞いてもよいです。信頼関係を築きながら自分の気持ちも伝えて、一緒に治療法を考えましょう」(黒田さん)

 最善の治療法を探るうえで、セカンドオピニオンも頭に入れておきたい。

「主治医の意見を聞きつつ、別の医師からも意見を聞くのは、患者が持つ当然の権利です。診断が難しいがんや複数の治療法を提示された場合は受けておくべき。民間保険にはセカンドオピニオンが無料で受けられるサービスがついていることもあるので、保険会社に確認してみましょう」(黒田さん)

 また、心構えも大事だが、お金があってこその話。

「一般的にがんにかかる医療費は100万~200万円といわれています。ちなみに私は、がん告知を受けてから今までかかった治療費は、約274万円。高額になったのは、保険適用外の乳房再建を人工物(シリコン)を用いたインプラント法で行ったためです」(黒田さん)

 がんの治療はケースバイケース。がんの種類や進行度、治療法によって大きく費用は変わってくる。

「お金がなくて、自分が納得できる治療を受けられない─。そんな状況にならないために、預貯金やがん保険などの民間保険で費用についても考えておかなければならないのです」(黒田さん)

2015年09月14日 (16:59)

MRIの力は診断だけじゃない!磁力でがんに免疫細胞を導く新手の治療が登場

「型破りな発想」から医療に新風
新技術


 通常画像診断に用いられる「核磁気共鳴画像診断装置(MRIスキャナー)」を用いた、新しい発想の画期的ながん治療法が開発された。

 磁力をかつてない目的で利用するものだ。

診断のみならず

 英国シェフィールド大学を中心とした国際研究グループが、有力科学誌ネイチャーの姉妹誌でオンライン専門科学誌のネイチャー・コミュニケーションズ誌で2015年8月18日に報告した。

 「核磁気共鳴画像診断装置(MRIスキャナー)」は、1980年代から体内のさまざまな臓器の病気を調べるための画像診断に用いられてきている。

 今回研究グループは、「MRIは診断だけのもの」という発想を超え、新しいがん治療への応用に成功した。

磁力で「操縦」

 この治療法では、まず「マクロファージ」という免疫細胞を体から取り出す。マクロファージは、がんに抵抗する免疫の仕組みを活性化する能力を持っている。

 取り出したマクロファージをシャーレの中で増殖させる。次に、がん細胞を殺すウイルスを「感染」という形で「装備」させる。続いて「SPIO」という名の、鉄を含むナノ粒子を取り込ませる。これによりマクロファージはMRIの磁気で操縦できるようになる。


 こうして細工したマクロファージを体内に戻す。MRIで体外から操縦し、がんのある場所までマクロファージを導いて、がんの組織に強制的に集める。がんのその場で免疫力を高めて、ウイルスががん細胞を殺し、転移や浸潤が阻止できる。こういう仕組みだ。

転移したがんも殺した

 研究グループは、この方法でネズミの前立腺がんにマクロファージを誘導。肺に転移したがんにもマクロファージを集められると確認した。

 マクロファージに装備させたウイルスの働きで、がんの組織は実際に縮小した。転移や浸潤を防ぐ効果も確認できた。

リアルタイムで確認

 注射するだけではがんに到達するのが不可能だった免疫細胞を、磁気で操縦してがん組織に効率よく集められる。

 今回はウイルスで試したが、同じ方法で抗がん剤を細胞に運ばせて、副作用の軽減にもつなげられる。

 体に戻した治療用の細胞が、がん組織に向かっていく様子をリアルタイム画像で確認できるところも大きな特徴だ。

 型破りな発想から画期的な治療は生まれる。

2015年09月14日 (10:25)

がん治療に鎮痛薬の「アスピリン」脚光、免疫療法のパワーを劇的に高める可能性

ごく一般的な薬に思わぬ力
がん

 ごく一般的に使われている鎮痛薬である「アスピリン」ががん治療において注目されそうだ。

 がんの免疫療法の薬と一緒に使ったところ、免疫療法の効果を劇的に高められる可能性があると分かった。

がん細胞が攻撃をかわす

 英国フランシス・クリック研究所の研究グループが、有力医学誌のセル誌で2015年9月3日に報告したもの。

 研究グループはがん細胞のある特徴を発見した。

 がん細胞に備わる「免疫」からの攻撃を回避する仕組みだ。「プロスタグランジンE2(PGE2)」と呼ばれる物質を作っており、がんを攻撃しようとする側にとって「ブレーキ」になってしまう。この物質があると本来はがん細胞を攻撃するリンパ球の一つ、T細胞を「寝かす」ことができるからだ。

ブレーキをはずす

 ここで注目したのが、鎮痛薬であるアスピリン。

 アスピリンは、免疫を邪魔するプロスタグランジンE2を作り出す仕組みを邪魔するところがポイントだ。

 がん細胞に置き換えて考えると、がんへの攻撃力にとってのブレーキを取り除くことになる。

 ちなみに、アスピリンは、プロスタグランジンE2を作る「シクロ-オキシゲナーゼ1および2(COX-1およびCOX-2)」の働きを抑えている。

 研究グループは、この働きによってがんへの攻撃力を高められるか動物実験で検証している。

免疫力の強化が継続

 動物実験によって、アスピリンと免疫療法の薬を一緒に使うと、がんの増殖を抑えられると確認した。

 研究グループによると、アスピリンだけでは何の効果もなかった。アスピリンを新たな種類の免疫療法の薬と併用した場合、その効果は注目に値したという。

 アスピリンと免疫療法の薬を併用して投与した場合には、免疫療法の薬単独の場合よりもはるかに速やかに腫瘍が消失した。

 「さらに驚くべきことに」と研究グループが見ているのは、がんへの抵抗力が生まれて、強力な免疫の記憶が発達してきたところ。数カ月にわたって、同じタイプのがん細胞を認識し、直ちに破壊できるようになった。

 免疫療法だけでは効果がなかったものの、アスピリンを一緒に使った場合は約3分の1で腫瘍が縮小した。

出血の副作用に注意

 アスピリンは血液を固まりにくくする薬。脳卒中や内出血などの副作用も起こり得る。がん治療の際にアスピリンの服用を考える場合には、まずは医者に相談すべきと言う。

 有望な治療として関心を集めてくるかもしれない。

2015年09月12日 (16:35)

非小細胞肺癌に化学療法によるアジュバントへのベバシズマブ追加は生存を改善せず

 完全切除された非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、化学療法にベバシズマブを追加したアジュバントは、化学療法のみに比べて、生存を改善しないことが、ランダム化フェーズ3試験E1505で明らかになった。同試験は無効中止となっている。米国デンバー市で9月6日から9日まで開催された第16回世界肺癌学会(WCLC)で、Stanford Cancer Institute/Stanford Universityの Heather A. Wakelee氏らが発表した。

 対象は、IB期からIIIA期のNSCLCで、外科的手術後6-12週間以内に登録された患者。患者は化学療法のみを投与する群と化学療法とベバシズマブを併用する群に1:1の割合でランダム化された。ランダム化にあたり、化学療法レジメン、病期、組織型、性別で層別化された。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無病生存期間(DFS)、毒性とした。

 化学療法は、3週おきに、シスプラチン(75mg/m2)を1日目に投与し、さらにビノレルビン、ドセタキセル、ゲムシタビンもしくはペメトレキセドを投与した。これを4サイクル行った。ベバシズマブ併用群では、ベバシズマブ(15mg/kg)を3週おきに、1年間継続した。術後の放射線療法は行っていない。

 2007年7月から2013年9月までに1501人が登録した。男性が49.8%、白人が87.9%を占め、年齢中央値は61歳だった。IB期の患者が26.2%、II期が43.8%、IIIA期が30%だった。また扁平上皮癌が28.2%であった。化学療法は、ビノレルビンが25%、ドセタキセル23%、ゲムシタビン19%、ペメトレキセド33%だった。

 中間解析は事前に設定されたOSイベントの25%の時点から開始し、6カ月毎に行った。2015年春に6回目の中間解析が行われ、OSイベントの60.9%であった。フォローアップ期間中央値は41カ月だった。その結果、データ安全性モニタリング委員会は試験の無効中止を勧告した。

 ベバシズマブ併用群の化学療法単独群に対するOSハザード比は0.99(95%信頼区間:0.81-1.21、p=0.93)であった。DFSハザード比は、0.98(95%信頼区間:0.84-1.14、p=0.75)であった。

 治療完遂率は、化学療法単独群が82%、ベバシズマブ併用群が37%だった。有害事象による治療中止が化学療法単独群は8%、ベバシズマブ併用群は28%、患者拒否がそれぞれ7%、24%で、病勢進行が1%、5%、死亡が各1%であった。なお3カ月の時点では、ベバシズマブ併用群の61%で治療を継続していた。有害事象による中止は17%、患者拒否が16%、死亡もしくは病勢進行が6%だった。

 ベバシズマブ併用によりグレード3/5の毒性が増えており、化学療法単独群では67%、ベバシズマブ併用群は84%であった。グレード3以上の高血圧がそれぞれ8%、29%、好中球減少が33%、38%だった。グレード5の有害事象は16人(2%)、19人(3%)で、有意な違いはなかった。

 これらの結果から、外科的切除したNSCLC患者において、ベバシズマブの化学療法への追加は生存を改善しないとした。今後サブグループ解析が予定されている。

2015年09月12日 (10:52)

進行NSCLCに対する化学療法+ベバシズマブにセツキシマブを追加しても生存への有用性は得られず

 進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者では、化学療法+ベバシズマブにセツキシマブを追加しても生存への有用性は得られず、EGFR-FISH陽性(FISH+)患者においても同様であることが、フェーズ3のSWOG S0819試験から示された。ただし、FISH+で、扁平上皮癌の患者とベバシズマブによる治療に不適格な患者では、有用な可能性も示唆された。米国デンバーで9月6日から9日まで開催された第16回世界肺癌学会(WCLC2015)で、米国Yale Cancer CenterのRoy S. Herbst氏が発表した。

 過去のRCTでは、進行NSCLCで患者選択を行わない場合、化学療法にEGFR-TKIを追加しても生存に対する有用性は証明されなかった。一方、パイロット試験では、化学療法と抗EGFR抗体の併用で抗腫瘍効果が増すことが報告されている。Herbst氏らは過去の研究(SWOG 0342)において、FISH法で測定したEGFR遺伝子のコピー数により、化学療法とセツキシマブの併用で最も有用性が得られる患者が特定できる可能性を示している。

 SWOG S0819試験は、National Clinical Trials Network(NCTN)の多施設共同、非盲検のフェーズ3試験。対象は、組織学的または細胞診断学的に確認されたIV期のNSCLCで、新規に診断された、または手術や放射線療法の施行後に再発した患者だった。脳転移を認める患者はコントロールされていれば可とされた。全例でEGFR遺伝子をFISH法で検査できる腫瘍組織があることとされた。ランダム化は、ベバシズマブによる治療への適格性、喫煙歴、M因子で層別化した。

 治療は21日を1サイクルとし、パクリタキセル+カルボプラチンを投与し、適格な患者にはベバシズマブを追加し、6サイクルまで行い、その後ベバシズマブを増悪または受容不能な毒性の発現まで継続する群(対照群)、これらの治療にセツキシマブを加える群(セツキシマブ群)に、患者を1:1でランダムに割り付けた。

 同試験の主要評価項目は2つで、FISH+患者における無増悪生存期間(PFS)と全対象における全生存期間(OS)だった。副次的評価項目は、ベバシズマブに適格な患者と不適格な患者を比較した臨床転帰(PFS、OS)、安全性などだった。さらに予備的な評価項目として、扁平上皮癌でFISH+患者のOSなども評価した。

 2009年7月から2014年6月までに1333人が登録され、1313人が適格とされた。対照群は657人となり、このうちベバシズマブに適格な患者は275人、不適格な患者は382人だった。一方、セツキシマブ群は656人となり、このうちベバシズマブに適格な患者は279人、不適格な患者は377人だった。EGFR-FISHの状態は976人で判定され、400人(41%)がFISH+だった。扁平上皮癌は対照群の25%、セツキシマブ群の24%に認められた。

 結果として、主要評価項目である全対象のOSに有意差はなく、OS中央値はセツキシマブ群10.9カ月、対照群9.4カ月、ハザード比は0.94(95%信頼区間:0.84-1.06)となった(p=0.34)。PFSにも有意差はなく、PFS中央値はセツキシマブ群4.6カ月、対照群4.5カ月、ハザード比は0.98(95%信頼区間:0.87-1.09)だった(p=0.68)。

 もう1つの主要評価項目であるFISH+患者におけるPFSにも有意差はなく、PFS中央値は、セツキシマブ群5.4カ月、対照群4.8カ月、ハザード比は0.91(95%信頼区間:0.74-1.12)だった(p=0.37)。FISH+患者のOS中央値にも有意差はなく、OS中央値はそれぞれ13.4カ月、9.8カ月、ハザード比は0.83(95%信頼区間:0.67-1.04)となった(p=0.10)。

 さらにベバシズマブに適格な患者でみると、適格な患者全体とFISH+患者のいずれにおいても、OSに有意差はなかった。OSのハザード比は、それぞれ1.04(95%信頼区間:0.86-1.25)、0.97(95%信頼区間:069-1.38)だった(それぞれp=0.70、p=0.88)。

 ベバシズマブに不適格な患者では、FISH+患者でOSに有意差がみられた。OS中央値は、セツキシマブ群11.2カ月、対照群8.7カ月、ハザード比は0.75(95%信頼区間:0.57-0.998)となった(p=0.048)。不適格な患者全体では有意差はなく、ハザード比は0.88(95%信頼区間:0.76-1.03)だった(p=0.12)。

 扁平上皮癌のFISH+患者では、有意にOSが改善した。OS中央値は、セツキシマブ群11.8カ月、対照群6.4カ月、ハザード比は0.56(95%信頼区間:0.37-0.84)となった(p=0.006)。扁平上皮癌の患者全体では有意差はなく、ハザード比は0.85(95%信頼区間:0.67-1.08)だった(p=0.18)。

 セツキシマブ群の忍容性は全体的に良好で、有害事象の範囲は過去の報告と一致していた。セツキシマブ群(ベバシズマブの投与あり/なし)で多く観察されたグレード3/4の有害事象は、骨髄抑制(44%/44%)、代謝/臨床検査値の異常(18%/20%)、皮膚障害(7%/17%)、消化管障害(14%/16%)などだった。

 Herbst氏は「今回の知見は、化学療法に抗EGFR抗体を併用する患者の決定において、新たなマーカーを用いることを裏付けるもの」とし、「患者選択におけるEGFR-FISHの役割は、今回のデータおよび抗EGFR抗体necitumumabを検討したフェーズ3のSQUIRE試験から示唆されている」と述べた。

2015年09月11日 (16:23)

扁平上皮非小細胞肺癌の1次治療としてEGFR FISH陽性患者でnecitumumabとGC併用の有効性はより高い傾向

 ステージIVの扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者において、EGFRを標的としたIgG1モノクローナル抗体necitumumabのGC療法(ゲムシタビン、シスプラチン)への上乗せ効果はEGFR FISH陽性の患者でより高い傾向にあることが、SQUIRE試験の探索的バイオマーカー解析で明らかになった。米国デンバー市で9月6日から9日まで開催された第16回世界肺癌学会(WCLC)で、University of Coloradoの Fred R. Hirsch氏らが発表した。

 SQUIRE試験はステージIVの扁平上皮NSCLC患者1093人を対象に、GC療法にnecitumumabを加えた群(GC+N群)とGC療法単独群(GC群)を比較した。これまでにGC+N群はGC群に比べて、主要評価項目である全生存期間(OS)は有意に改善することが示されている(Thatcher N, et al. Lancet Oncol 2015; 16(7):763-74)。

 今回の解析では免疫組織染色(IHC)法によるEGFRタンパク質発現(H-score 0-300)と効果の関連性、ならびにFISH法によるEGFRの遺伝子コピー数と効果の関連性が検討された。

 IHC法の解析はITT集団の90%の患者で行われ、GC+N群486人、GC群496人だった。FISH法による解析はITT集団の51%で実施され、GC+N群282人、GC群275人であった。
 
 解析の結果、EGFR発現のない患者(H-score=0)は4.8%だった。OSおよびPFSのハザードとの関係をみた結果(subpopulation treatment effect pattern plot:STEPP解析)、necitumumabによる有用性を得られる集団のH-scoreカットオフ値は同定されなかった。
 
 ただし、OSハザード比はEGFR発現(H-score>0)の患者では0.81(95%信頼区間:0.70-0.93)だが、EGFR発現なし(H-score=0)の患者では1.86(同:0.94-3.65)だった(p=0.018)。またPFSハザード比はEGFR発現患者では0.83(95%信頼区間:0.72-0.97)、EGFR発現なし患者では1.19(同:0.61-2.30)だった(p=0.305)。

 EGFR遺伝子コピー数が多い患者(FISH陽性)は208人(37.3%)だった。OSハザード比はFISH陽性患者では0.70(95%信頼区間:0.52-0.96)、それに対し、FISH陰性患者では1.02(同:0.80-1.29)だった(p=0.066)。またPFSハザード比はFISH陽性患者では0.71(95%信頼区間:0.52-0.97)だが、FISH陰性患者では1.04(同:0.82-1.33)だった(p=0.057)。このためEGFR遺伝子コピー数の増加は良好なハザード比を示したが、治療効果との関連性は有意ではなかったとした。

 ディスカサントのUniversity of California DavisのDavid Gandara氏は、SQUIRE試験とSWOG 0819試験(セツキシマブ)の結果から、肺扁平上皮癌に対しては腺癌よりもモノクローナル抗体が有効であるとした。またEGFR-TKIに対し、EGFR遺伝子変異は予測マーカーであるが、EGFR IHCとFISHは予測マーカーにはならない。それに対し、モノクローナル抗体ではEGFR遺伝子変異は予測マーカーではないが、EGFR IHCとFISHは予測マーカーとなる可能性があるとした。

2015年09月11日 (11:31)

扁平上皮非小細胞肺癌でnecitumumabとGC併用後のnecitumumab継続投与はGC単独よりも良好な生存結果

 ステージIVの扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者において、EGFRを標的としたIgG1モノクローナル抗体necitumumabとGC療法(ゲムシタビン、シスプラチン)を併用し、その後、necitumumab単剤を継続することにより、GC療法のみの場合に比べて良好な生存を示すことが、フェーズ3試験 SQUIREのレトロスペクティブな解析で確認された。米国デンバー市で9月6日から9日まで開催された第16回世界肺癌学会(WCLC)で、米University of PittsburghのMark A. Socinski氏らが発表した。

 SQUIRE試験はステージIVの扁平上皮NSCLC患者を対象に、GC療法にnecitumumabを加えた群(GC+N群)とGC群に1:1の割合で割り付けた。GC療法として、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目に、シスプラチン75mg/m2を1日目に投与した。necitumumabは800mgを1日目と8日目に投与した。これを21日おきに6サイクルまで行った(化学療法期)。
 
 またGC+N群で増悪が見られなかった患者において、necitumumabを単剤で病勢進行まで投与した(継続投与期)。継続投与期にはGC群では治療は行わず、経過観察のみだった。

 これまでにGC+N群はGC群に比べて有意に生存を改善することが示されている(OSハザード比0.84、p=0.012、PFSハザード比0.85、p=0.020)。

 同試験では、necitumumab単剤継続投与の効果を評価するデザインにはなっていなかった。しかし今回のレトロスペクティブな解析では、GC+N群において化学療法の終了後にnecitumumabを単剤で投与継続した患者と、GC群で化学療法を終了し増悪がなく生存している患者を比較した。両群とも化学療法は4サイクル以上行っている患者とした。

 解析の対象は、GC+N群でnecitumumab単剤による治療を1回以上行った患者261人、GC群は215人だった。患者背景や化学療法の投与状況は2群間でほぼ同じだった。

 ランダム化以降のOS中央値はGC+N群が15.9カ月、GC群が15.0カ月で、ハザード比が0.85(95%信頼区間:0.69-1.05)だった。PFS中央値はGC+N群が7.4カ月、GC群が6.9カ月、ハザード比は0.86(95%信頼区間:0.70-1.06)だった。

 治療による主な有害事象は、化学療法期において、グレード3以上の好中球減少症がGC+N群では34%、GC群では33%、貧血は10%、9%、血小板減少症が10%、13%、低マグネシウム血症が14%、0.9%、発疹が6%、0.5%、動脈血栓塞栓症が1%、0%、静脈血栓塞栓症が2%、0.9%だった。
 
 継続投与期にはnecitumumab単剤により、主なグレード3以上の有害事象として、低マグネシウム血症3%、発疹4%、動脈血栓塞栓症2%、静脈血栓塞栓症2%、貧血1%が認められた。

 以上の結果から、GC+N群におけるnecitumumab単剤の継続投与はGC群よりも良好なOSとPFSを示し、試験全体の結果と一致しており、予想外の有害事象の増加も見られなかったとした。

2015年09月10日 (17:02)

秋の味覚、ぶどう「巨峰」の正式品種名をご存知?

 秋の味覚はさまざまですが、フルーツもまた、りんごに梨、ぶどうに柿と、旬のものがたくさんあります。さらに、りんごと一口にいっても、ふじ、つがる、ジョナゴールド、シナノゴールド、シナノスイート、陸奥、王林、秋映、紅玉......と、品種はさまざま。具体的にどのような違いがあるのか、いまいちよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そこで本書『厳選フルーツ手帖』では、りんご、もも、みかん、いちご、メロン、ぶどう、バナナをはじめとするフルーツ、それぞれの品種の基本情報や特徴を説明。それらフルーツを使ったスイーツの紹介やカッティング方法、フルーツにまつわるトリビアまで記載されていきます。

 真夏の暑さを越した今の季節、フルーツ売り場に足を運んでみると、先日までマンゴーや桃が中心に並べられた風景はもう見られず、ぶどう、梨、西洋なしのオーロラなどが多くその姿をみせています。

 なかでも一粒食べ出すと、もう一粒と止まらなくなってしまう経験をお持ちの方も多いであろうぶどうは、一房何万円とするものも。

 果皮の色によって黒系、赤系、緑系の3種類に大別され、巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカット、さらには皮ごと食べられるナガノパープル......と、多くの品種のあるふどうですが、日本で本格的に栽培されるようになったのは、明治時代に入ってから。

 ぶどうの皮には、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニンが多く含まれており、視力回復やがん予防、動脈硬化予防が期待できるそう。また、ブドウ糖や果糖、エネルギー代謝を促すビタミンB1も含まれているため、疲労回復にも効果があります。

 そして、ぶどうのなかでも最も多く栽培されているのは、やはり巨峰。しかし巨峰というのは商標名であり、正式な品種名は「石原センテニアル」というのだそうです。

「静岡県の大井上康氏の育成品種で、1942年に誕生。馴染みのある『巨峰』(富士山を意味する)は商標名で、正式な品種名は『石原センテニアル』という。現在、最も栽培面積が多い黒系の大粒種。果皮は濃い紫黒色、果肉は淡い緑色。しっかりした果肉と安定した甘さ。さらに果皮は果肉からはがれやすく、食べやすいことも人気で黒系ぶどうの代表格にもなっている」(本書より)

 ぶどうは、果実に白い粉(ブルーム)がしっかり付着しているもの、粒に張りがあるもの、軸がしっかりしているもの、全体の色づきが均一なものほど新鮮なので、選ぶ際のポイントとしてみるといいかもしれません。

 食欲の秋。本書を参考に、秋のフルーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。

2015年09月10日 (11:38)

がんと知って治療に専念するメリットとは?「告知してほしくない場合」はどうしたらいいの?


喉頭がんの治療のため、「声帯」を摘出し声を失った、歌手で音楽プロデューサーのつんく♂さんが、闘病の記録などをつづった手記の発売に先駆け、心境を吐露したニュースが注目されています。がんを告知されたとき、先生の「説明が頭に入らなかった」というつんくさんと、「愕然として震えていた」という妻。しかしその後の妻の尽力に驚き感謝していることなどが語られています。また最近では、川島なお美さんが「肝内胆管がん」で手術を受けましたし、著名人が自身が「がんである」ことを公表するケースは多くなっています。これはなぜなのでしょうか。昨今の「がん告知」の状況について、みてみましょう。

◆がんの告知率が上がってきている日本

ひと昔前までは、がんと言われるとすぐに死を連想してしまうため、本人には知らせずに家族だけに伝える、ということがよくありました。しかし、医学が進歩した現在、がんも症状や治療次第で治る可能性が高まり、またこうした事実が患者の間でも認知されるようになったため、がんであることをきちんと本人に伝えてから、治療に専念してもらう、というケースが徐々に増えています。

こうした背景には、患者の権利として「インフォームド・コンセント(説明と同意)」や「カルテの開示」などを重視するようになったことも影響しています。隠し事をせずに、医師と患者が互いに信頼し合って治療にあたることで、患者も「この先生に任せよう」と思え、前向きに治療に臨むことができる、ということがあげられます。

また最近では、担当医の治療法を納得して受けるために、患者や家族がほかの医師にも意見を聞く「セカンドオピニオン」を選択することも珍しくありません。現在の病状や検査結果などを担当医に提供してもらうことはもちろん、担当医の診たてをきちんと理解しないとセカンドオピニオンを受ける意味がありません。医師との信頼関係は、色々な場面で必要になってきているのです。

◆それでも十分な「配慮」が必要

現在、国立がんセンター病院では、すべてのがん患者に対し「がん告知」を行っているそうです。本病院では医療従事者に対して「告知マニュアル」を浸透させ、告知を行う際の基本的な心構えのほか、告知された患者や家族の精神面の反応や、起こりうると想定されるさまざまな問題点に留意するように呼びかけています。

なかには絶対「告知してほしくない」という人もいます。家族にそうお願いしているケースもあるでしょう。もし本人の希望が頑なで、家族の総意でもある場合は、検査の段階で医師に伝えるのもひとつの手段です。

ですが、病院側からは、もう1度家族で話し合ったり考え直すように時間をかけて説得されることがあります。なぜ告知してほしくないのか、それは、本人の意思なのか、家族の意思なのか、またその理由がとても大事です。

単に「怖い」とか「知りたくない」ということであれば、きちんと知ったうえで病気と向き合うことが回復への一番の道であり、もし末期ならば、残された時間をどのように過ごすのか考えることも大切ですよ、ということを医師からアドバイスされるでしょう。

家族がそれを聞いて気持ちが変われば、最初に誰が本人に告げるか、どのように告げるかも、医師と相談のうえ決められるでしょう。

2015年09月09日 (16:55)

EGFR-TKI前治療歴ありでEGFR活性化変異とT790M変異陽性の進行NSCLCにAZD9291が有効な可能性【WCLC2015】

 EGFR-TKIによる前治療において病勢進行が認められたEGFR活性化変異とEGFR-TKI抵抗性を誘導するT790M変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、新規EGFR-TKIであるAZD9291が有効である可能性が明らかとなった。世界規模で実施されたオープンラベル単群フェーズ2試験であるAURA2の結果、示されたもの。9月6日から9日までデンバーで開催されている世界肺癌学会(WCLC2015)で、近畿大学の光冨徹哉氏によって発表された。

 AZD9291は、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異と耐性変異であるT790Mを有するEGFRを阻害する、選択性の高いEGFR-TKI。

 AURA2試験の適格患者は、cobas EGFR Mutation Testを用いた中央検査でT790Mの変異状態を確認するために、最近の治療ラインで病状が進行したあとの腫瘍検体が得られている患者とした。さらに少なくとも1つの測定病変があること、WHO PSが0または1、受容可能な臓器機能が適格基準に含まれ、安定した脳転移を有する患者も含めて良いこととした。

 患者はAZD9291の80mgを1日1回毎日服用し、投薬は病状が進行するまで行われた。主要評価項目は独立中央審査(ICR)によるRECIST v1.1での奏効率。副次評価項目は、疾患制御(DCR)率、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性だった。データカットオフは2015年5月1日だった。

 患者は210人が登録された。中央検査による評価で、T790変異に加えて、エクソン19欠失がある患者が65%、L858R変異がある患者が32%、その他の変異がある患者が4%だった。

 ベースラインの患者背景は、年齢中央値が64歳、女性が70%、WHO PS 0が40%、PS 1が60%、アジア人が63%、脳転移があった患者が41%、前治療数中央値は2(1-14)だった。データカットオフ時点で、155人(78%)が投薬を受けていた。

 ICRによる奏効率は71%(95%信頼区間:64-77)で完全奏効が2人、部分奏効が139人だった。DCR率は92%(95%信頼区間:87-95)だった。奏効率のサブグループ解析は、2次治療で73%、3次治療以降で70%となるなど、各グループで大きな変化はなかったが、エクソン19の欠失がある患者で78%だったのに対して、L858R変異の患者では59%だった。

 DoR中央値は7.8カ月(95%信頼区間:7.1-計算不能)で、6カ月時点の効果持続率は75%(95%信頼区間:65-82)だった。PFS観察期間中央値が6.7カ月で、PFS中央値は8.6カ月(95%信頼区間:8.3-9.7)。6カ月PFS率は70%(95%信頼区間:63-76)、9カ月PFS率は48%(95%信頼区間:36-58)だった。

 グレード3以上の副作用は29%に発現し、薬剤関連のグレード3以上の副作用は11%だった。多く認められた副作用は皮疹関連が42%(グレード3以上は1%)、下痢が39%(グレード3以上は1%)だった。間質性肺疾患関連は4人(2%)で発現し、2人(1%)がグレード3以上だった。
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