ガン完全克服マニュアル

当ブログはガンを克服するための最新治療法を全て掲載しています。
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2009年1月28日より、新しく掲示板と、病院評価ランキングを追加しました。 どんどん活用して下さい。


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2015年12月30日 (15:34)

オオキンケイギクに抗がん作用 岐阜大・纐纈教授発見

 岐阜大工学部の纐纈守教授(54)=天然物化学=の研究グループが、例年5~7月に鮮やかな黄色に咲き誇るオオキンケイギクの花に抗がん作用のある有用物質が含まれていることを突き止めた。県内全域に生育域を拡大している特定外来生物で、纐纈教授は「有効利用により駆除に弾みが付けば」と話している。
 研究は2年前に着手。岐阜市や近郊でオオキンケイギクを採取し、花をアルコールに漬けて含有成分を抽出した。さまざまな成分を分離・精製したところフラボノイド系の化合物6種類を確認した。
 フラボノイドは黄色い色素として存在する天然の有機化合物で、薬理作用や健康増進効果が報告されている。オオキンケイギクの含有量は刺し身などを飾る食用のキクの約5~6倍、観賞用キクと比べても倍以上あった。
 実験では培養したヒトの白血病細胞に各化合物を投与し観察。うち「4―メトキシランセオレチン」を与えた細胞は2日後には約20%に急減した。市販抗がん薬と同等の強い効果で、DNA鎖を切断し細胞死に導いたと考えられるという。
 4―メトキシランセオレチンは他ではほとんど報告例のない化合物で、纐纈教授は「オオキンケイギクは希少なフラボノイドの供給源。安全性を確認し、効果を高めて薬にする可能性を見いだしたい。花以外の部位からも役立つ成分を探したい」と語った。
 纐纈教授によると、オオキンケイギクから抗がん作用を見いだした研究は、他に例がないという。研究は岐阜大が推進する地域貢献につながる研究プロジェクトに採択されており、学内の成果報告会で発表した。
【オオキンケイギク】 北米原産のキク科の多年草。日本には1880年代に観賞や緑化用で持ち込まれた。一度定着すると在来の野草を駆逐し、景観を一変させるとして外来生物法で栽培や運搬、販売が原則禁じられ、違反すると罰則もある。日本生態学会が生態系などへの影響が特に大きい生物100種を指定した「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれている。
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2015年12月30日 (11:07)

タオル帽子 笑顔も届け 抗がん剤治療で苦しむ患者へ 自身の経験もとにボランティア活動

 東京、福岡で先行上映中の映画「はなちゃんのみそ汁」に、福岡県大刀洗町の末次由美さん(48)が出演している。自身もがんを経験しながらタオルで手作りした帽子をがん患者に贈るボランティア団体「あいう笑(え)がお」の代表を務める末次さんが演じるのは、自分がモデルのボランティア役。末次さんは「映画を通じ、私が笑顔を取り戻せたタオル帽子を多くの人に広めたい」と話す。

 映画は乳がんで2008年に亡くなった安武千恵さん(享年33)と娘のはなちゃん(12)、夫の信吾さん(52)の愛を描いたノンフィクションが原作。末次さんは10年に乳がんを患ったことをきっかけに信吾さんとの交流が始まり、映画にも出演することになった。
 「もうやだ…、死んだほうがマシ」「生きて生きて生きまくってやる!」-。広末涼子さん(35)が演じる千恵さんが抗がん剤治療を受け、苦痛の中で目まぐるしく気持ちが揺れ動くシーンがある。
 「一日の中で弱気になったり強気になったり。私も全く同じだった」と末次さん。治療中は激しい吐き気に襲われ、ゴッソリ抜ける髪の毛に浴室で泣いた。
 力をくれたのが、友人が手縫いしてくれたタオル帽子だった。ヒリヒリ痛む頭皮が柔らかな布地に包まれると、不思議に気持ちが落ち着いたという。
 「同じように治療を頑張っている人に前向きになってほしい」。11年、夫やタオル帽子をくれた友人らとあいう笑がおを設立。月1回集まってタオル帽子を作り、福岡市や同県久留米市の病院に贈ってきた。
 映画では治療中の千恵さんにタオル帽子を手渡した末次さん。「緊張で頭が真っ白になったけど、千恵さん本人に渡せたみたいでうれしかった」。帽子をかぶった千恵さんがはなちゃんに食の大切さを教えていくように、「タオル帽子には小さいけれど誰かの背中を押す力がある」と信じている。

2015年12月29日 (15:37)

子宮のがん 不正出血が一度でもあったら病院行くべきと医師

 原千晶や生稲晃子、仁科亜季子らが子宮頸がんに罹ったことを告白したが、女性が悩むのが子宮にまつわる病だ。がんだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫など、生理やホルモンの影響を大きく受けるため、不調を感じやすい臓器でもある。そして、そうした不調が、がんにつながることがある。子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあり、異なる病気なので注意が必要だ。

 ポートサイド女性総合クリニックビバリータ院長の清水なほみ先生が説明する。

「子宮頸がんは子宮の出口側にできるがんで、かかりやすい年齢は30~40代です。原因は、HPV(ヒューマンパピローマウイルス)というウイルスの感染です。このウイルスは性交渉によってうつるので、最近は若い人でも子宮頸がんになるリスクが高くなっています。

 子宮体がんは、妊娠時に着床のためのベッドとなる子宮内膜の細胞ががんになります。かかりやすいのは40代後半~50代の閉経前後。原因としていちばん大きく関係しているのは、女性ホルモンバランスの変化です」

 予防のための検診として、何をどんなタイミングで受ければいいのだろうか。厚労省の指針では、子宮頸がん検診は「20才以上、2年に1度」を対象とし、子宮体がんについては、検診の指針は定められていない。しかし、イーク表参道の高尾美穂副院長は「自治体の検診だけでは充分とはいえない」と言う。

「自治体の検診すら受けていない人も少なくないのですが、受けていたとしても“2年に1度、ちゃんと受けていたはずなのに…”ということが現場ではよくあります。子宮頸がん検査と自治体の検査には含まれていない超音波検査は、毎年受けたほうがいいでしょう」

 子宮頸がんの予防法のひとつに子宮頸がんワクチンがあるが、副作用の危険性など、使用には賛否両論ある。自覚症状でわかる病気のサインは“不正出血”や“おりものの異常”だ。

「不正出血が一度でもあったら病院に行ったほうがいいですね。特に、子宮体がんは閉経前後の女性に多いのですが、その時期は生理周期が安定しないことも多く、出血しても生理なのか不正出血なのか判断しかねることがあります。生理か不正出血かわからない、疑わしいと思ったら、婦人科を受診し、体がんの検査も考慮すべきでしょう」(高尾副院長)

 ちなみに、超音波検査では、子宮筋腫や子宮内膜症も発見できる。自覚症状がない場合の検診は、全額自費負担となり、7000円程度。症状があれば保険が適用されるので、性交渉を持つ年齢になったら、年齢に関係なく超音波検査も受けるほうがいい。

「子宮筋腫は特に30~40代に多い病気で、筋腫の大小を問わなければ、3人に1人の女性が筋腫を指摘されます。命にかかわる危険性は低いけれど、筋腫ができる場所によっては、小さくても過多月経による貧血を引き起こすことがあります。逆に、閉経後は筋腫ができていても小さくなるので、よほど大きな筋腫ではない限り、問題はありません」(清水院長)

2015年12月29日 (10:41)

後悔しない選択は? 医者は「がん治療」をこう選んでいる

 がんを告げられた時、どうすれば後悔しない選択ができるのか? 「医者は自分や家族ががんになったとき、どんな治療をするのか」などの著書がある東京有明医療大学・川嶋朗教授に聞いた。

「主治医は、自分や家族なら選ばない治療を勧めているのではないか?」 東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長を務め、西洋近代医学と代替・伝統医療を統合させた治療を行う川嶋教授のもとには、こんな相談がしばしば寄せられる。そんな時、川嶋教授は必ず「すべての人に等しくベストの治療はない」と伝える。自分にとって「ベストの治療」を受けるために押さえておくべきことは、次の4つだという。

(1)「数字」を聞く

 たとえば、抗がん剤治療を勧められたとする。受けた場合の生存率はどれくらいか? 受けなかった場合は? 「数字」は客観的なデータだ。いたずらに怖がらずにきちんと聞く。

「私の友人である健康増進クリニックの水上治先生は、『西洋医学でも代替医療でもお金が許す限り何でもやる。ただ、抗がん剤だけは拒否したい』と言う。それは、副作用に苦しむ患者さんを目の当たりにしてきたことと、副作用による突然死を避けるためです」

 抗がん剤では、1~2%の人が心不全で突然亡くなっている。この1~2%を非常に低いと考える人もいるだろう。

「しかし水上先生は、心不全で亡くなる患者さんを実際に見てきて、自分が1~2%に入らない自信はない。身辺整理もできず、会いたい人にも会えず、突然死を迎えたくないというのが希望だそうです」

 客観的なデータを、自分の人生観と照らし合わせて判断する。抗がん剤治療の深刻な副作用と生存率をはかりにかけた時、どちらに傾くかは、人それぞれだ。

(2)すぐ結論を出さない

 セカンドオピニオン、サードオピニオン……と納得のいくところまで意見を求める。川嶋教授の知人の医師には、咽頭がんの治療法について37人の医師に意見を聞いた人もいるそうだ。

「医師は基本的にガイドラインに沿った治療法を提案します。『効果があまり期待できない』『自分なら拒否したい』と思っていても、ガイドラインに定められている治療を行っていれば、何か問題が起こっても責任を問われず、訴えられもしないからです」

 医療の素人である患者では、1人の医師に聞いただけではその本心を見抜けない。しかし、複数の医師に意見を求めれば、違う話が出てくる可能性が高い。日本のがん治療は外科医が中心だが、外科医だけに意見を求めても同じような答えになる傾向がある。放射線治療医や腫瘍内科医といった“外科医以外”にも意見を求めるべきだ。

(3)続けられるか?

 がんは保険がきかない治療も多いが、高額で続けられないものには手を出してはいけない。

「また、代替・伝統療法は西洋近代医学とうまく組み合わせてこそ価値があるのですが、代替・伝統医療だけで『絶対に治る』とうたったり、ほかの治療法を否定するうさんくさい医師も残念ながらいる。注意が必要です」

(4)経験者の話をうのみにしない

「『○○さんはこれでがんが治ったから』と信じ込み、○○さんが受けたがん治療を無条件で支持する患者さんも少なくありません。しかし、それが自分に合った治療法とは限りません」

 “勉強不足”の患者も多いと、川嶋教授は指摘する。自分の治療を選べるのは自分しかいない。肝に銘じるべきだ。

2015年12月28日 (16:46)

抗がん剤は無意味で寿命縮める?治療に有効?具体的効果が出ないのに継続は愚行

 先週の「極論君」は「医者に行くと早く死ぬ」と言っていました。今日の極論君は「抗がん剤を使うと早く死ぬ」と、また同じような論調でまくし立てています。一方の「常識君」は「がんもいろいろだから、効くものも効かないものもあるんじゃないの?」といった乗りで、いつもの無難な立ち位置です。

 まず、抗がん剤が著効(とっても有効)なことは確実にあります。でも、抗がん剤が無効なことも結構あります。たくさんの経験から、「こんながんやこんな患者さんには有効だ」といった著効例の推測に基づき、ある程度の「当たり」をつけることも可能です。そして、たくさんの症例の集積からガイドラインというものが識者たちの集まりで決められたりします。

 ともかく「抗がん剤のお陰」でがんが消失したり、がんが小さくなったり、がんと共存しながら予想以上に長く生きる人は現実にたくさんいます。薬は厚生労働省から認可される必要があり、臨床試験で有効性を確認できなければ市場に出ることはありません。その臨床試験の結果は、統計的に有益であることが説明できる結果ということです。これをエビデンスといったりします。ですから、グループ全体で見ると、飲まないよりも飲んだほうがいいし、抗がん剤の点滴をしたほうがしないで過ごすよりもいいのです。

 しかし、これはグループ全体の統計的有意差で、かつその差は多くの方が思っているよりも大きなものではありません。一般の方が「抗がん剤が有効だ」というフレーズに抱く印象は、飲まない人が3年でほぼ亡くなるとすると、多くの人が10年近く生き抜くようなイメージではないかと思います。

 しかし、そんなすばらしい差が出る抗がん剤はなく、またはごく限られたがんの場合のみで、通常は3年が3年半ぐらいに延びるというぐらいの違いです。でも、統計的には「有効」なのです。その延命効果はグループ全体のものですから、その中にはまれに奇跡のように長生きする人も含まれています。一方で、抗がん剤を使用したグループの中には、使用しないグループよりも短い命で終わった人も当然に含まれています。

●重要な「当たり前の感覚」

「では、どうすればいいのか?」という根本的な問題が残ります。まず、経験的に効くことが多いと思われる薬剤は使用したほうがいいです。しかし、薬剤、特に抗がん剤は両刃の剣です。自分の体も痛めつけながらがん細胞を殺しているのです。がん細胞だけに有効な抗がん剤は、まだ開発の途中です。

 つまり、抗がん剤が効いていなければさっさと投与をやめましょう。そして可能性があるほかの抗がん剤が残っていれば、それを使用しましょう。
 有効性の判断は、基本的に腫瘍の大きさが小さくなる、または腫瘍の個数が少なくなる、または腫瘍マーカーの血液中の値が低下するという変化が指標になります。客観的指標で無効な抗がん剤を使用し続けるほど、馬鹿げたことはありません。自分の免疫力も奪ってしまいます。少なくとも抗がん剤を使用しているのに腫瘍が大きくなる、腫瘍の個数が増加している、腫瘍マーカーが上昇しているといった場合は、しっかりと主治医と今後のことを相談しましょう。

 また、がんが外科手術などによって検査上はなくなっている場合に、抗がん剤を使用するかも意見が分かれます。主治医としっかり相談しましょう。

 極論君が賛成していた「抗がん剤は使用しないほうが長生きする」という意見は、無効な抗がん剤を延々と使用するような医師や病院では概して当てはまることです。そんな病院の医師がしばしば口にするフレーズは、「ほかに治療法がないのだから、抗がん剤が効いていなくても仕方ないだろう。だからこれを続行するのだ」といった論調です。

 無効なら、ぜひとも投与をやめるべきです。そしてエビデンスには現れないような努力を積み重ねるほうが、ずっと長生きする可能性が高いと思っています。「エビデンスがないものは信じるべきではない」ともいわれますが、がんの進行を止めることができない抗がん剤を延々と使用してメリットがあるというエビデンスこそ、まったく存在しないのです。

 効くものは使う、効かないものは使用しないという当たり前の感覚で抗がん剤治療を考えれば問題ないと筆者は思っています。いつもは極論君を結構擁護していますが、今回の極論君の意見には賛成しかねます。
(文=新見正則/医学博士、医師)

2015年12月28日 (15:06)

がんと健康の常識、非常識(3)

白川太郎(医学博士)

◆受動喫煙の発がんリスクは信憑性に欠ける

――がんの発生過程を聞くと、生活習慣・環境のすべてに原因があることがよくわかります。これまでたばこや飲酒が発がん要因としてやり玉に挙げられてきましたが、その常識も非常識になりつつあるのでしょうか。

白川 人間の体の多様性を考慮しない20世紀医療の常識は、21世紀のオーダーメイド医療に沿った新常識に書き換えられていくと思います。人によっては、たばこや飲酒が発がん因子、発がん促進因子になりうるのは確か。ただ、飲酒・喫煙習慣をもちながら60歳まで大過なく過ごせたということは、その人が「酒・たばこの習慣があってもDNAの修復能力が高く、がんになりにくい遺伝子」をもっている可能性が高い。いまから禁酒禁煙したところで、我慢することで生じるストレスのほうがよほど免疫力を低下させ、かえって健康には悪影響。逆に「酒・たばこに影響されやすい遺伝子」をもつ人もいる。そういう人は、きちんと調べて治療しなければなりません。
受動喫煙の発がんリスクについては、検証不能な「平山論文」の非科学性と合わせて、喫煙リスク以上に信憑性に欠けるというのが正直なところです。受動喫煙を避ける権利と喫煙する権利は同等だと思っているので、分煙で棲み分ければ問題ないでしょう。

――喫煙率が下がり、受動喫煙の機会も激減しました。それでも肺がんはもちろん、他のがんの発生数も一向に減りません。日本人の健康における課題は何だと考えていますか。

白川 最近の疫学調査で、食事が発がんの最大素因であることがわかってきました。食品・水や食品添加物のなかに発がん因子があり、調理の過程で発がん物質が発生し、摂取後の体内で発がん物質が産生されることがあります。
また、発がんを抑制する栄養が欠如した食事、体を冷やし免疫力を低下させる食事を続けていたり、発がん因子の化学物質を含む農薬、肥料、飼料を使った食品を日常的に口にしている。日本人の大半が、そうした食事と無縁ではないはずです。
国立がん研究センターが発表した「2015年の部位別予測罹患数」では、ついに大腸がんが発生数の1位と予測されました。食生活の欧米化が、欧米人より長めの腸でゆっくり消化する日本人の体質に合わず、大腸がんの増加につながったのです。

――和食中心の食生活への変更を勧めたり、長年の食生活で変更が難しい人には代替案を提案する必要がありますね。医師にそこまでの知見・指導力があるのですか。

白川 日本の医学に栄養学はないので、知識のない医師には指導できません。このことが日本人の健康を守るうえで最大の障害になるのではと危惧しています。がん治療や予防で求められるのは「分子栄養学」で、食品やサプリメントを受け入れる人の治療・予防に必要な栄養や働きを分子レベルで考える学問のこと。 サプリメントや機能性食品が抗がん剤に取って代わるであろう、これからの健康常識に不可欠な知見なんです。
知識をもっているのは農学系統の学者ですが、彼らは患者に直接接して指導できない。病院の栄養士は、医者の処方に従って食事をつくっている。患者は結局、医師に聞くしかありませんが、その医師には知識がない。長年、放置されている構造的な問題です。

――今後の問題どころか、いまの医療現場で顕在化している問題なのですね。

白川 たとえば、がん患者や食の細い老人に対して、玄米など菜食中心の食事、消化のよいお粥を出す医師は新常識がない可能性が高い。粗食や炭水化物のお粥ではタンパク質の摂取量が減ってしまうからです。免疫系を活発に動かすには必須アミノ酸が不可欠なのですが、良質なタンパク質からつくられます。必須アミノ酸が足りないと、体内の抵抗力が落ち、逆に身体を弱らせてしまうことがある。免疫力が落ちたり食べられない人こそ、効率的にタンパク質、それも吸収のよいオリゴペプチドを摂取すべきなのです。
 具体的な食材を挙げれば、卵とシジミ。古い常識ではコレステロール値を高める卵は、病人食・老人食に相応しくないと蛇蠍のごとく嫌われる食材です。ところが、アメリカの疫学調査でコレステロール値が上がっても、死亡率は上がらないことが判明しました。

――タンパク質を取るのが常識の時代が来て、最近は植物性脂肪か動物性脂肪かが議論されていると聞きました。

白川 そうなんです。ここ3、40年間は、マーガリンなど植物性の不飽和脂肪酸が体によくて、バターの動物性飽和脂肪酸は体に悪いとされてきました。いまになってじつは、不飽和脂肪酸の食べ物がいいと結論付けた数十年前のデータ解析が正確ではなかった。そういう話になりつつあるのです。しかも植物性の不飽和脂肪酸は過酸化脂質ができやすいから、むしろ体に悪い。マーガリンよりもバターの時代が訪れようとしています。

◆食事を改革するしかない

――新しい時代の常識に対応した医療を実践して成果を上げている国はありますか。

白川 アメリカです。栄養学のエキスパートが医師と同等の発言権をもって、同じ医療チームのメンバーとして活躍しています。アメリカはかつて、世界で最も抗がん剤を使っていた国ですよ。ただ、当時から抗がん剤治療以外の、栄養学に基づく治療を実践するグループが多かった。彼らの知見と医学界の知見が統合され、脱抗がん剤の動きが始まります。米国がん協会では毎年、がんの死亡者数を公表しています。同協会の報告書によると、がんの死亡率は1990年代に低下に転じ、2003年にはがんの死亡者数が1930年以来初めて減少したと報告しています。その後も、アメリカのがん死亡者数は右肩下がりに減少しつづけているのです。

――1990年前後に国内で生活習慣の大きな変化があったのでしょうか。

白川 肥満の富裕層が、余命を考えて「早死にしたくなければ食事を改革するしかない」と考えたようです。ビジネスエリートたちのあいだで、太った人は自己管理ができない。ビジネスマン失格だという価値観が出てきたのも、同じ時期だったと思います。いまはヘルシーな食事と体内に溜まった有毒物質を体外へ排出する断食のファスティング。この2つがブームです。
多くの日本人は知らない事実ですが、1人当たりの1日の野菜摂取量は、アメリカのほうが日本より多いんですよ。農林水産省が平成25年に発表した「野菜の消費をめぐる状況について」によると、2009年度の日本人1人1年当たりの野菜摂取量は102?(1日平均約280g)に対して、アメリカ人は123?(1日平均約340g)です。

◆医学部に栄養学を

――日本人としては衝撃的な事実ですね。国内ではそうした動きはないのでしょうか。

白川 女性のほうは敏感に察知して、毎朝、野菜スムージーや酵素ジュースを飲んだりしていますよ(笑)。栄養学の知識が医師より詳しい人がゴマンといます。ところが、中年男性は白いパンにマーガリンを塗りたくった朝食に、昼食は牛丼、夜はストレス発散と称して居酒屋で1杯やっている。健康になるはずがありません。

――日本の国を活気づけ、健康な国にするには、中年男性の栄養をどう改善していくかがカギということですね。

白川 日本人の今後の平均寿命・健康寿命を左右する大問題ですから、早急に医学部に栄養学の授業、講座を取り戻す。それが無理なら、医師の生涯教育として栄養学の講習を設けて、その単位を取らないとがんの専門医として認定しない。ある程度の強制力をもたせるかたちで導入しないと、手遅れになってしまいます。

――最後に、口に入るものとして空気はどうですか。

白川 空気の問題も大きいですね。空気は個人でコントロールできないから、それこそ国家管理の問題です。中国の大気汚染、とくにPM2・5の問題は、黄砂と一緒に飛んでくる日本にとっても深刻で、たばこのリスクよりもはるかに心配すべきです。政府として中国に規制を求めてしかるべきでしょう。
また、たばこと関連した簡単な計算問題ですが、仮に肺活量が3リットルあったとしましょう。そのうち空気の出入りで使うのは2リットルぐらい。1分間の呼吸数が十数回として、毎分30リットルの出入り。1時間に1800リットル、24時間なら数万、年間では数百万リットルの出入りです。そのなかに、自動車や工場などの排ガスに含まれる有害物質やPM2・5のような粒がどれだけ入っているか、見当もつきません。その数百万リットルの空気の出入りのなかで、たばこ由来のものが屋外・屋内の喫煙が規制された日本で、どの程度の割合を占めるのでしょう。おそらく微々たるものです。
発がんリスクをいうのであれば、せめて数値的な確率を基に算出すべきで、現在のたばこの疫学調査などはとても科学的な水準に達していません。遺伝も体質も考慮なしに患者を断定するのはそれこそリスクが高い、といわざるをえません。

(取材/構成 清水 泰<フリーライター>)

2015年12月28日 (14:47)

がんと健康の常識、非常識(2)

白川太郎(医学博士)

◆新しい統合医療と混合診療の壁

――白川先生のクリニックでは、リンパ管の中に確実に届き、なおかつ女王蜂のがん幹細胞まで叩ける治療法を実践されているということですね。具体的にはどのような治療をしているのですか。

白川 「遺伝子治療」「温熱治療」「免疫治療」と、サプリメントを取り入れた「栄養療法」を加えた4つを組み合わせた統合医療を実践し、実際に効果を上げています。
まず、無限に分裂するがん細胞の動きを止めるための遺伝子をリンパ管の中に送り込む「遺伝子治療」を行ないます。次に、40度を超える高温に弱い性質を利用して、リンパ管の中に潜むがん細胞を直接叩くために、強力な遠赤外線を当てて体全体を温める「温熱治療」を施す。そして体内から取り出したがん細胞と闘う免疫細胞のNK細胞を、機能を強化したうえで再び体内に戻し、攻撃型T細胞では対応できないがん細胞への攻撃力を高める「免疫治療」を行ないます。
さらに、サプリメントを取り入れた「栄養療法」で全身状態を改善することで、1+1+1+1=4ではなく、時にそれ以上の相乗効果を得られる新しいがん治療です。この治療法と合わせて、病状をモニターするため適宜血液中のがん遺伝子を測定しています。自由診療ですから治療費は全額患者負担です。

――治療の成果を教えてください。

白川 これまで私は500人の患者を診てきました。そのほとんどがステージ4の末期がん患者の方ですが、治療有効率(3年生存率)を約60%にまで伸ばすことができました。国立がんセンターや大学病院といった権威ある拠点病院におけるステージ3、4の治療成績と比べて、治療有効率の高さは明らかです。臨床数が少ないとはいえ、進行・末期がん治療における大きな進歩といえる成果だと思います。

――3大治療、とくに抗がん剤治療の行き詰まりをかなりの研究者や医療者が感じている。にもかかわらず、治療現場の多くで3大治療を組み合わせる標準治療が選択されているのはなぜですか。

白川 理由はいろいろ考えられます。世の中に3大治療以外の治療法は山ほどありますが、ありすぎてどれが効く/効かないの判断ができない。ましてや一人ひとり違う患者に合う治療法を選ぶなどとてもできません。とくに大学病院などの大きな病院ほど保身からマニュアル診療優先の傾向が強い。ガイドラインに則った治療をしていれば、結果はどうあろうと医療者と病院側の責任を問われることがないからです。
制度上は、混合診療という大きな壁があります。医師個人がその患者に保険適用外の治療法がベターだと確信していたとしても、保険診療を順守する病院の方針に反して混合診療を選ぶことは事実上不可能です。この壁は大きいと思います。

――医療行政のほうから新たな動きはありませんか。

白川 免疫治療が第4の治療として保険適用されるという話は耳に入ってきます。どの大学病院でも治験と称して始めていますし、2011年のノーベル生理医学賞は免疫療法の一種である「樹状細胞の役割」を解明したスタインマン博士らが受賞しました。世界の権威が認めた治療法として、いずれ現実にそうなるだろうと思います。ただ、混合診療を認めないまま、高額の免疫治療を保険適用する方針のようですから、何かの治療を保険から外さないと、医療費の増加に歯止めがかかりません。混合診療の解禁以外に妙案があるとは思えないのですが。

◆がん発生の仕組みをがん予防に生かす

――日本人のがん死亡者数は年間約36万人(2013年、国立がん研究センター調べ)で、いまや男性の2人に1人、女性の3人に1人が生涯のうちに何らかのがんにかかると推察されています。「国民病」ともいえる「がん」との付き合い方、予防に関する考え、行動も最新の知見に基づいて変える必要があるのでしょうか。

白川 そうです。がんの新常識を身に付け、予防や再発防止に役立て健康寿命を延ばす。そのためにはまず、がん発生の仕組みを知ることが重要です。じつは健康な人でも、体内では毎日3000~5000個の「がん細胞の元」が生まれています。人の体内では約60兆個の細胞が日々、細胞分裂を繰り返しているのですが、その際に紫外線や放射線、食品などに含まれる化学物質、ウイルス、ストレス、活性酸素などの「発がん因子」によって細胞の遺伝子が傷つけられ、コピーミスが生じるためです。
ただ、この段階はまだがん細胞ではなく、「発がん遺伝子」が作動した、正常な細胞から変異した異形成の細胞にすぎません。人の体内には、がん細胞の分裂を止める「がん抑制遺伝子」があり、発がん遺伝子を正常な遺伝子に修復してくれます。つまり、異形細胞の段階であれば、まだ正常細胞に戻れます。食事や生活習慣の変化など、何らかの要因で正常細胞に戻ることがよくあります。

――傷ついた遺伝子を自動的に修復する機能が備わっているわけですね。

白川 その一方で、体内にはがん抑制遺伝子の働きを邪魔したり、異形細胞の分裂を応援する「発がん促進因子」も多数存在しているのです。血液や体液中にある活性酸素、過酸化脂質、化学物質、有害毒素などがその代表です。発がん促進因子のせいで、がん抑制遺伝子の働きが邪魔されると、遺伝子が変異したままの形で増殖を始め、分裂して新しく生まれる細胞に引き継がれます。ここまで来ると立派ながん細胞です。

――体内にはまだがん細胞を取り締まる「免疫細胞」という警察組織があります。

白川 免疫細胞には、がん細胞という異物を察知して食べてくれる「マクロファージ」、異常な細胞を見つけて攻撃を仕掛ける「攻撃型T細胞」、体内をパトロールして異常な細胞を見つけて殺す「NK(ナチュラルキラー)細胞」などがある。そして体内では、毎日新たに生まれる異形細胞やがん細胞と、5000勝無敗の闘いが繰り返されます。
しかしあるとき、たった1つのがん細胞が「違法改造車」と見破られない外見をもち、免疫細胞をだますことに成功するのです。1度、取り締まりを擦り抜けると、体の中で大幅な「法改正」が行なわれないかぎり、基本的には2度と免疫細胞に退治されることがないので、5~20年の時間をかけて1?のがんへと成長していきます。この1?のがんが、倍の2?、さらに倍の4?に成長するまでの期間はおよそ数カ月です。増殖して大きくなったがんは原発巣を離れ、リンパ管などを通じて体内の別の臓器や組織へ転移していく。転移した進行がんに標準治療が効きにくい理由はすでに説明したとおりです。

2015年12月28日 (11:09)

がんと健康の常識、非常識(1)

白川太郎(医学博士)
体の多様性を考慮しない20世紀医療は時代遅れ

◆がん3大標準治療の限界
 
――がんの3大治療は「手術」「抗がん剤」「放射線」ですが、白川先生のクリニックではどの治療も行なっていません。なぜでしょうか。

白川 ステージ3、4の進行・末期がんと呼ばれる患者さんを専門に治療しているからです。ステージ1、2の早期がん・比較的早期のがんであれば、保険適用される現状の3大標準治療で9割方治すことが可能で、私の出番はありません。
しかし、がん細胞が原発巣から遠くのリンパ節や臓器・骨に転移したステージ3から4のがんに対してはいずれも有効ではなく、5年生存率が大幅に下がっています。その数値は私が医師になった1980年代から、ほぼ変わっていません。つまり病院で一般的に行なわれている治療は、進行したがんに対して、ほとんど有効な治療法になっていないということです。

――現実には、転移が広がって手術や放射線治療ができない進行がんの患者に、多くの病院が「抗がん剤」治療を行なっています。抗がん剤治療は有効ではないのですか。

白川 臨床経験と理論上から、効果は限定的だと思います。国立がん研究センターが運営するサイト「がん情報サービス」でも、「化学療法(=抗がん剤治療)で治療可能ながん」として明記されているのは、成人の急性骨髄性白血病や悪性リンパ腫など主に血液のがんの7つに限られます。ステージが進んだ患者は多くの場合、体内のリンパ管を通じて身体中に転移していきますが、抗がん剤はリンパ管に効きにくいのです。そのことが進行・末期がんの治癒率が低い1番の理由で、私が抗がん剤以外の治療法を確立し、世に広めたいと考える最大の動機です。

――なぜ抗がん剤はリンパ管に潜むがん細胞に対して効きにくいのでしょうか。

白川 通常の抗がん剤は血管の中に入って全身を巡ることから、大半が水に溶ける「水溶性」です。そのため、脂に近い性質のリンパ管にはなかなか到達できず、そこに潜むがん細胞を殺すだけの濃度を保つことが難しいのです。しかも、非常に薄い膜のリンパ管は血管と違って、医師が針を刺して確実に抗がん剤を注入することも技術的に不可能とされています。
また、抗がん剤の使用には、薬剤耐性の問題がつねに付いて回ります。最初は効いていたのに、残ったがん細胞が抗がん剤に対する薬剤耐性を獲得し、次第に効かなくなってしまう。抗がん剤でがん細胞の数を減らすことはできても、完治できない理由の1つです。

◆抗がん剤では「がん幹細胞」を殺せない

――まさに水と油ですが、水溶性と脂溶性の両立という難問をクリアし、リンパ管の中まで届く抗がん剤が開発される可能性はないのですか。

白川 可能性はありますし、実例もあります。リンパ管の中だけにがん細胞ができる悪性リンパ腫に対しては、3種類の抗がん剤とホルモン剤を組み合わせた治療法が確立され、よい治療成績を挙げています。しかし残念ながら他の抗がん剤ではまだありません。
そして、じつは抗がん剤治療にはもう1つ、重大な問題があります。それが「がん幹細胞」という新しいがん細胞を生み出せる親玉の存在です。以前はすべてのがん細胞が無限に増殖を繰り返していくと考えられていたのですが、それは親玉のがん幹細胞だけであることがわかってきたのです。例えるなら、「女王蜂(=がん幹細胞)」と「働き蜂(=一般のがん細胞)」のような関係です。女王蜂が働き蜂を生産し、働き蜂は分裂を一定期間繰り返して、ある程度たったら分裂をやめる。すると女王蜂は新しい働き蜂を生み、働き蜂が分裂を繰り返すのです。
これまでは、がん細胞の1つ1つが無限に増殖していくと考えられていたため、とにかく個々のがん細胞を叩いて全滅させることが抗がん剤治療の方針であり目的でした。しかし、がん幹細胞が存在するからには、これを叩かないかぎりがんの完治も進行を止めることもできません。「がん幹細胞仮説」は現在も議論の最中ではありますが、多くの研究者や医療者が納得しつつある有望な仮説です。

――がん幹細胞仮説が新しい常識になると、進行がんには抗がん剤という従来のがん治療の常識も見直す必要がありますか。

白川 そう思います。なぜなら、がん幹細胞には抗がん剤が効きにくいからです。抗がん剤を投与すると、がん細胞は次々と死んでいきます。一見、がん細胞がなくなったように見えますが、女王蜂のがん幹細胞はしっかりと生き残っている。
なぜがん幹細胞が生き残れるのかというと、体内の臓器や組織でがん細胞が集まって塊をつくる固形がんの場合、一般のがん細胞たちががん幹細胞を取り囲むように防波堤をつくって守っているから。死ぬのは働き蜂ばかりで、鎧の中にいる女王蜂までは攻撃が届かないのです。
半面、白血病や悪性リンパ腫といった血液のがんは、ばらばらのがん細胞がうようよと浮いている状態。女王蜂だろうと働き蜂だろうと関係なく抗がん剤の攻撃を浴び、次々と死んでいく。だから血液のがんには抗がん剤が効きやすいのです。
したがって、固形がんに有効な抗がん剤治療をしようとすれば、働き蜂の鎧をすべてどけるか、鎧の中にかいくぐって攻撃するかのどちらかしかありません。しかし、働き蜂を全滅させるほど高濃度の抗がん剤を投与すれば、がんが全滅する前に患者さん自身が死んでしまいます。働き蜂のブロックをかわしてがん幹細胞を叩く方法すら、まだ見つかっていないのです。こうした現状では、たとえ水溶性と脂溶性の問題をクリアした抗がん剤が開発されても、本当にリンパ管の中のがん幹細胞に効くか疑問です。

――時に正しい情報より政治的・経済的判断で動くWHO(世界保健機関)が、抗がん剤禁止令を出したという話は本当ですか。

白川 2014年5月に「抗がん剤治療は中止すべき」という趣旨の勧告をホームページに出したのは事実です。WHO内の化学療法審議会が議論の末、「ほとんどの抗がん剤は固形がんには無効である」との結論に達し、その内容をまとめたレポートをWHOのホームページに掲載したのです。本来なら社会的に議論されるべきレポートですが、日本ではあまり知られていません。なぜならホームページに掲載されたのは半日だけ。世界中のニュースサイトでトップニュースとして紹介されたものの、日本時間では夜中に掲載され、朝にはもう姿を消していたからです。おそらく掲載が化学療法審議会の独断だったのでしょう。内外からの反響の大きさに慌てて引っ込めたのか、真相は藪の中ですが、WHOが禁止令を出しても不思議ではない状況になっているのは確かです。

2015年12月26日 (16:51)

40代女性、今“がん”になったらすべきことのすべて ―自分らしい闘病生活のすすめ

 30代40代の女性は出産・子育て・仕事と、家庭でも職場でも責任が重くのしかかる世代です。若いころに比べて体力の衰えを感じてきたり、高齢になってきた両親の介護の問題が浮上してきたりと頭の痛い問題も山積みです。私がいなければ、しっかりしなければ。そんな時に突然のがん宣告を受けてしまったら…。 『働く女性のためのがん入院・治療生活便利帳 40代、働き盛りでがんになった私が言えること』(講談社)の著者である岩井ますみさんもそのような女性の1人です。

 独身かつフリーランスで仕事をしている著者は、個人事業主として1人で仕事を切り盛りしつつ自宅で高齢の両親を介護していました。彼女が医師から告知されたのは女性のがん死亡率1位でもある大腸がん。3人姉妹の末っ子であり、家族の中で一番若い自分が突然がんという病にかかったことをどう家族に伝えればいいのか…。様々な情報が乱立する中、がんという病とどう付き合うべきなのか。そのような筆者の実際の体験や実感をもとに書かれた手記は、女性として闘病生活を送ることの思いがけない大変さや、見落としがちな心配りにはっとさせられます。

 がんは今やすぐに死に至る不治の病ではなく、手術や治療を受けながら定期的な受診を必要とする持病のようなものと考えるのがふさわしい時代になっています。特に40代50代で発症した場合、闘病生活が長くなることも考えられます。女性であっても責任ある仕事を任されたり、家計を助けるために働いていたりする方が多い中で、入院中・治療中にかかる治療費や働けない間の生活費は切実です。一般の入院保険に加入していたとしても、長く続く闘病生活での資金面の不安は少しでも解決しておきたいですよね。

 筆者が最初にすすめているのが国民健康保険の限度額認定証の手続きをすることです。意外と知られていませんが、入院の前にこの手続きを済ませ、認定証を医療機関の窓口に提示することで支払額が自己負担の限度額内に収められます。国民健康保険以外の保険に加入している場合でもそれぞれの勤務先の担当者に相談すれば手続きが可能です。これにより窓口での支払いを減額できることは大きなメリットになります。

 入院中での過ごし方も女性ならではの提案がされています。明るい気分で過ごせるパジャマの選び方、具合の悪い時でも気軽に気分を変えられるティーバッグのお茶など、できるだけ明るく前向きになれるような入院グッズの選び方はとても参考になります。短期間の入院であっても、できるだけ負担なく落ち着いた状態で病気と向き合う時間は、今後の人生の過ごし方を考える時間でもあります。今まで通りの生活は無理かもしれない。でも、できることは沢山ある。工夫次第で明るく過ごすことができる。

 こうしたアイデアの数々は悲観して暗くなっている女性だけでなく、夫や家族が見てもとても参考になると思います。患者さんへの接し方や声のかけ方なども綴られており、「大丈夫?」の一言が実は負担に感じていたり、甘えすぎてしまった時の叱咤を嬉しく感じたりと不安定な気持ちの中での人との付き合い方にも考えさせられます。入院中はお見舞いの定番とされる花やお菓子が実は困ってしまう品物であることや、気分が悪くなってもなかなか帰ってほしいとは言い出しにくいという意見もお見舞いに行く際の参考になりますね。

 がんだけでなく誰もが病や事故である日突然これまで通りの日常が過ごせなくなることがあると思います。そんな時、誰よりも自分の体を自分自身でいたわってほしい。「無理はしない、でも明るく前向きに過ごす」そのためにできることから少しずつ変えていくことの大切さも詰まった一冊です。

文=朝倉志保

2015年12月26日 (10:55)

胆管がん抑制にも効果 ノーベル賞大村さんの熱帯病薬

 九州大生体防御医学研究所の研究班は22日、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授が開発した熱帯病の特効薬「イベルメクチン」が、治療が難しい肝内胆管がんの抑制にも効果があることをマウス実験で確認したと発表した。同日、科学誌「米国科学アカデミー紀要」電子版に掲載された。
 イベルメクチンは寄生虫の感染で失明につながる「オンコセルカ症」などの特効薬の一つ。西尾美希助教たちの研究班は、肝臓がんのうち、肝内胆管がんと混合型肝がんの発症原因となるタンパク質を特定。その上で、天然由来成分を基にした薬など約2万種類の中から、イベルメクチンなど4種類に、このタンパク質の活性化を抑える働きがあることを確認したという。
 人間の肝内胆管がん細胞を移植したマウスにイベルメクチンを投与したところ、がん細胞の増殖は、投与していないマウスに比べ、3分の1程度に抑えられた。
 肝内胆管がんは、放射線治療が効きにくく、化学療法も効果が低い。厚生労働省の昨年10月調査によると、国内の患者数は約3万人。西尾助教は「新たな治療法の開発が期待できる。熱帯病より高い濃度での投薬が必要で、安全性を確認したい」としている。

2015年12月25日 (16:57)

肺がんは5年頑張れば死なずに済む病気に 新薬が注目集める


 医療の世界は日進月歩だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏がいう。
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「臨床研究から実用化、広く普及するまでのスピードは上がっている。今はまだ治療法が実用段階になくても、5年もあれば治るようになる病気は多いはずです」
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 エイズの治療は近年、飛躍的に進歩した。投薬治療の副作用は以前よりも減り、HIV感染者でも適切に薬を服用すればエイズを発症せずに一般人と変わらぬ生活を送れるようになった。「死の病」から「長く付き合う病」に変わりつつある。
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 11月に米国でHIVに感染していることを告白したハリウッドスターのチャーリー・シーンもその1人だ。
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 かつてのエイズのように「5年頑張れば、死なずに済む病気」は少なくない。例えば、国内で年間約7万2000人が命を落とす肺がん治療で注目を集める新薬が「免疫チェックポイント阻害薬」だ。
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 人体に備わっている免疫細胞は異物や細菌などを攻撃し、身体を病原体から守る。これまでの抗がん剤はその攻撃力を高めるものが主流だったが、一方でがん細胞側には、免疫細胞からの攻撃を弱める「PD-L1」というタンパク質が備わっていることが最近の研究で明らかになった。
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 要は抗がん剤で免疫の“アクセル”を踏んでもがん細胞側が同時に“ブレーキ”を踏む状態になっていた。慶応大学医学部先端医科学研究所所長の河上裕教授が解説する。
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「このブレーキを破壊すれば、免疫細胞はがん細胞を効果的に攻撃できます。『免疫チェックポイント阻害薬』はブレーキ役の『PD-L1』を無効にするよう働きかけます」
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 米製薬会社「ブリストル・マイヤーズ スクイブ」の研究では、この新薬は肺がん患者の死亡リスクを既存の抗がん剤より4割も減らしたという。点滴投与のため、手術の難しい肺がんで特に効果が期待される。最も死亡者数の多いがんでもあるため、肺がんへの研究が優先的に行なわれている。
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 日本ではすでに世界に先駆けて「免疫チェックポイント阻害薬」の実用化が進んでいる。小野薬品工業が開発した「ニボルマブ(商品名・オプジーボ)」が「悪性黒色腫(メラノーマ、皮膚がんの一種)」の新規治療薬として承認された。
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 今後は「近い将来、肺がんでも適用される予定」(前出・河上教授)だという。

2015年12月25日 (10:11)

仕事と治療は両立可能 「がん」で会社を辞めてはいけない

 がんと診断されても、決して会社を辞めてはいけない――。こう言うのは、「健康増進クリニック」の水上治院長だ。欧米からの医療情報を基に、西洋医療に高濃度ビタミンC点滴療法などの補完医療を加え、がん患者に対する心身両面からのサポートに力を入れている。

 水上院長が問題視しているのは、「がんハラ」だ。

「がんを宣告され、将来が見えないような時に『がん治療と仕事は両立できないだろう』と言われ、追い詰められたような気持ちになって辞めてしまう患者さんがたくさんいるのです」

 職場でのがんハラとともに、医師からのがんハラもある。

 家電メーカーで部長職に就いていたAさん(50代)は、首のしこりから精密検査を受けたところ、胃がんが発覚。さらに首、わきの下、リンパ節に転移していた。ステージⅣで手術が不可能な末期がんという診断で、抗がん剤治療を受けることになった。

 医師からは「抗がん剤治療は副作用がつらい。仕事を続けながらの治療は困難」と言われ、職場でも「治療に専念したほうがいい。仕事なんて、いつでも再開できるのだから」と言われた。結局、Aさんは辞表を出した。

 ところが、抗がん剤治療はうまくいき、2年後には転移がんがすべて消えた。残っているのは胃の原発がんだけとなり、手術で切除。その後、10年経っても再発していない。

 Aさんは体は元気を取り戻したが、再就職先が見つかっていない。子供はいま高校生で、大学まで進学させたいと思っている。しかし、妻のパートの給料とこれまでの貯金を切り崩しながら生活している現状では難しい。今後、再発した場合、治療費を払えるだろうかという不安もある。Aさんは「抗がん剤治療の副作用には有休でも対処できた。仕事を辞めたことを猛烈に後悔している」と話している。

■つらい副作用と手を切るのも可能な時代

 水上院長は、「治療をうまくいかせるためにも、仕事をして社会と関わっていることが重要」と考えている。

「不安は、肉体のつらさを何倍にも膨れ上がらせます。退職や休職で自宅にいれば、病気への不安、経済的な不安、再就職の不安は一層高まり、ストレスが増し、免疫力にも影響を与えます」

 水上院長が担当した64歳男性は会社役員。5年半前にステージⅢの進行性大腸がんが見つかり遠隔リンパ節転移もあった。手術後、仕事を続けながら抗がん剤治療を受けた。抗がん剤の副作用があっても、「仕事をしていると気がまぎれる」と辞めることはせず、半休を取ったり、無理のない勤務をしながら対処した。現在はまた仕事の第一線で活躍している。

「適当に休みながら、とにかく仕事を辞めない。ある程度、会社の理解は必要とはいえ、自分から進んで辞めてはいけない」

 水上院長が取り入れている高濃度ビタミンC点滴療法は、免疫力を上げながら抗がん剤の副作用を軽減する効果がある。高濃度ビタミンC点滴療法に限らず、抗がん剤の副作用を軽減する薬はいくつもある。副作用で苦しむ人は、医師がそれらの薬をうまく使いこなせていない場合もある。

「会社を辞めなければならないほどのつらい副作用と、今は手を切ることが可能な時代。まずはその方法を探るべき」

 2人に1人が“がん”と言われる時代。覚えておくべきだ。

2015年12月24日 (16:01)

日本人には食事より気にすべき「がんリスク」がある 誤解だらけの加工肉・赤肉問題(後篇)

  国際がん研究機関(IARC)が10月、ハムやソーセージなどの加工肉を「人に対し発がん性がある」、また牛肉や豚肉などの赤肉を「おそらく発がん性がある」と発表した。普段これらの肉に親しんできた人の中には、衝撃をもって受けとめた人もいるだろう。消費者が買い控えをしたり、食肉企業が沈静化を求めるコメントを発表したりと、波紋が広がっている。

  私たちはこの報告をどう受け止めればよいのか。食べてきた肉に今後どう接すればよいのか。そもそも、がん予防のためにどんな食生活をすればよいのか。

  これら疑問の数々を、がんの予防医学などを研究する専門家に前後篇で投げかけている。

  応じてくれているのは、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長の笹月静氏だ。同研究部は、今回の国際がん研究機関の発表を受け、日本人の赤肉や加工肉の摂取とがんのリスクの関係性を解説した「赤肉・加工肉のがんリスクについて」を発表。笹月氏はこの解説の作成に従事した。

  前篇では、今回の国際がん研究機関の報告内容を整理した。聞き慣れない表現が、少なからぬ人びとに誤解を招いているようだ。

  たとえば、加工肉で分類された「グループ1」は「最もリスクが高いグループ」ではない。正しくは「これまでの研究結果の一致度」により判定されるもので、グループ1に分類されたことは、「因果関係があるとみなすのに充分といえるほど疫学研究の結果が一致していた」ことを意味するという。

  今回の報告内容は、世界中の過去の研究から導き出されたもの。一方、日本人のみを対象に食事と発がんの関連性について調べた研究も行われている。笹月氏もそうした研究やその評価を行ってきた。

  そこで後篇では“日本人について言えること”を、聞いていくことにする。肉の摂取を心配することに、どのくらいの重要さがあるのだろうか。

■加工肉:「最高群」リスクは「最低群」の1.17倍

 ――日本人を対象とした食生活と発がん性の関係について研究をしてきたと聞きます。

 笹月静部長(以下、敬称略) はい。がん研究センターの研究を含む日本人の食事と発がん性についての研究結果を、私たちと各研究機関・大学の研究者が総合的に評価して、2014年に「Meat Consumption and Colorectal Cancer(肉の摂取と大腸がんリスク)」という論文にして発表しています。

 ――その評価からは、日本人の肉の摂取と発がんのリスクについて、どんなことが言えるのでしょう? 

 笹月 加工肉や赤肉の摂取量に応じて、人びとを「最低群」から「最高群」までに分けたとき、加工肉については最高群の大腸がんリスクが最低群の1.17倍となりました。赤肉については、最高群の大腸がんリスクが最低群の1.16倍となりました。

 ――評価の対象とした過去の各研究は、すべて同じ条件で統一されているのでしょうか? 

 笹月 過去の研究では群の分け方が3群だったり5群だったりとばらばらなのですが、それぞれにおける最高群のリスクから総合的に割り出した結果がこの値です。

 ――最も多く摂取した群と最も摂取しなかった群の比較としての「1.17倍」や「1.16倍」・・・。この数値をどう捉えたらよいのでしょう?  

 笹月 大腸がんについては、飲酒といったリスク要因や、身体活動といった予防要因など、他に重要なものがあり、この数値自体の大きさはそれほど心配しなくてもよい値だと私は思います。

 ――今回の国際がん研究機関の報告後、がん研究センターが発信した「赤肉・加工肉のがんリスクについて」でも、日本人について「総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えるでしょう」と述べていますね。

 笹月 はい。総じて欧米の国々に比べて、日本人の肉の摂取量は少ないものです。世界的には、赤肉の摂取量はおおむね1日50~100グラムですが、2013年の国民健康・栄養調査によると、日本人では赤肉が50グラム、加工肉が13グラムです。

  日本人全員がまったく心配する必要ないというわけではありませんが、みんなが食べるのをやめるとか、食べる量を極端に減らさなければならないということには結びつきません。
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■大腸がんでは肉より飲酒の方が重大

 ――今回の国際がん研究機関の報告を受けて、人びとの関心は加工肉や赤肉ばかりに行きがちですが、他にもがんとの関連性が考えられる因子はあるわけですね。

 笹月 はい。私どもは、これまで日本人を対象として実施されてきた研究の結果から、各種がんに対する様々なリスクと予防要因を「確実」「ほぼ確実」「可能性あり」「データ不十分」に分けて評価しました。一覧表にもしています。

  大腸がんについて言えば、肉の摂取よりも飲酒の方がよほど重大なのです。これまでの評価では、飲酒と大腸がんとの関連性は1番高い「確実」です。

  また、肥満も、2番目に関連性の高い「ほぼ確実」です。一方、赤肉や加工肉の摂取は、3番目にあたる「可能性あり」です。

 ――逆に、大腸がんのリスクを下げると考えられる要因もあるのでしょうか? 

 笹月 はい。運動が大腸がんのリスクを下げるのは「ほぼ確実」です。ほかに、食物繊維の摂取やカルシウムの摂取はリスクを下げる「可能性あり」となっています。

 ――心のもちようとして、もしも、肉を食べてがんのことが心配であるなら、その分、運動をすればいいじゃないかと、と考えてもよいでしょうか? 

 笹月 もちろんです。とりかかりやすいところから、リスクを下げることをすればよいのです。1つのことに捕われるのはよくないと思います。

■食事よりも気にすべきことがある

 ――より広い視点で、がん全体について捉えてみると、気にするべき発がんの要因はどういうものでしょうか? 

 笹月 日本人の場合、がん全体のリスク要因として最も重大なのは喫煙です。肺がん、胃がん、食道がん、膵がん、子宮頸がん、また、頭頚部や尿路系のがんなどで関連性の1番高い「確実」となっています。

  がん全体で、次に重大なのは感染症です。がんの種類と関わっている感染症の原因はほぼ決まっています。胃がんとヘリコバクター・ピロリ菌、肝がんとB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、子宮頸がんとヒトパピローマウイルスなどです。
 ――がん全体と食事との関連性はどうなのでしょうか? 

 笹月 食事については、喫煙や感染症ほど関連性の高い要因ではありません。ただ、その中で言えば、塩分摂取は胃がんと「ほぼ確実」に関連性がありますし、熱い飲食物の直接摂取は食道がんと「ほぼ確実」に関連性があります。それと、野菜や果物を極端に食べないのもがんのリスクを高める方向に行きます。

  あくまで喫煙や感染症と比べた場合ですが、バランスのよい食事を心がけていれば必要以上に神経質になることはありません。

■6項目に目を向けたがん予防を

 ――食習慣も含め、がんの予防のために私たちはどんなことに気をつければよいでしょうか? 

 笹月 喫煙、飲酒、食事、身体活動、体型の維持、感染の検査という6つの項目について、それぞれ予防法があります。これまでの研究結果をもとに、確実性の高いものを抽出して6項目にまとめたものです(表)。

  ちなみに、食事について、実は以前は肉についても「摂りすぎないように」といった内容を盛り込んでいたのですが、日本人のデータを見ているとさほど関連性が高くはないので、むしろ取り下げてしまったという経緯があります。

  がん研究センターではほかに、40歳以上の方のご自身の生活習慣からすべてのがんや大腸がんなどのリスクをチェックできる「がんリスクチェック」も用意しています。

■食事に「リスク0」も「確実にリスクを下げる」もない

 ――食事とがんなどのリスクについて、私たちが心に止めておくとよいことを最後に教えてください。

 笹月 何事もそうですが、食事について「リスクが0」ということはありえません。また、確実にリスクを下げることのできる単一の食品や食事というのもありません。

  普段、食事を連続的に摂っている結果として、リスクがどのくらいかは決まってきます。それに、いろいろな食べものを組み合わせて摂ることで、さまざまな成分の相乗効果も出るかもしれませんし、場合によっては相殺効果も起こるでしょう。

  とかく日本人は気質上、リスクが0なのか1なのかを求めようとしがちな気はします。バランスよくいろいろなものを食べるのがよい。結局のところは、こういう言い方に落ち着くのです。

2015年12月24日 (10:09)

自家腎移植、内視鏡ロボで成功 国内初、岡山大病院で実施

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で17日、内視鏡ロボットを使い、機能低下が懸念される腎臓を切り取って体内の別の場所に移す「自家腎移植」が行われ、無事成功した。傷口が小さく、出血が少ないなど患者の身体的負担が軽いのが特長で、ロボットによる自家腎移植は国内初。高度な操作技術が求められるため、同様の手術は世界でも数例しか報告がないという。

 同大病院泌尿器科によると、患者は、腎臓から膀胱(ぼうこう)に尿を送る左の尿管が細くなる尿管狭窄(きょうさく)症を患う30代女性。手術では、下腹部に7カ所の穴を開け、複雑で繊細な動きができるアーム付きの器具を体内に挿入。3次元画像で確認しながら電気メスなどを遠隔操作し、狭窄部分を除いた左の尿管と腎臓を一緒に摘出した後、膀胱の別の部分に移植した。要した時間は約11時間40分だった。

 女性は、約10年前に受けた処置が原因で尿管狭窄症を発症。適切な治療を受けなければ腎機能が失われるため、管がふさがらないよう内部に細いチューブを入れているが、3カ月に1度の交換が必要だった。根治のため検討した開腹手術は、傷口が1カ所で最長20~30センチに達する上、手術時間も15時間程度が見込まれるとして、負担の大きさなどから見送っていた。

 内視鏡ロボットは、同大病院が手術支援用として2010年に導入した「ダ・ビンチ」で、これまで前立腺がんの全摘出手術などで実績を積んできた。担当した荒木元朗講師は「腎がんなどの疾患にも有効な手術。これまで体への負担を理由に敬遠していた患者にとって朗報となる。症例を重ね、手術時間の短縮を図っていきたい」と話した。

2015年12月22日 (16:14)

米国では、転移性の癌と診断された患者の3分の1は仕事を継続している

 米Wisconsin-Madusib大学のAmye Tevaarwerk氏らは、転移性の癌と診断された患者を対象とする調査のデータを分析し、患者の3分の1超が診断後も仕事を続けていること、それを可能にするのは症状の適切な管理であることを明らかにした。研究の結果は、Cancer誌電子版に2015年12月21日に報告された。

 研究者たちは、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)の「Symptom Outcomes and Practice Patterns(SOAPP)」調査のデータを分析して、転移性癌患者の雇用状態の変化に関係する要因を明らかにしようと考えた。

 分析対象になった癌患者668人の患者のうち、236人(35%)はフルタイムまたはパートタイムで働いていたが、302人(45%)は病気のために仕事を中止していた。全体では58%が、診断以降に働き方が変わったと報告していた。

 仕事を続けていた患者とやめてしまった患者を比較したところ、仕事が継続できるかどうかに大きくかかわるのは、病気に由来する症状であることが明らかになった。仕事が継続できる可能性が最も高かったのは、全身状態が良好で、非ヒスパニック系白人の患者だった。驚くべきことに、受けた癌治療の種類、癌の種類、診断からの時間は、仕事が継続できるかどうかに有意に関係していなかった。

 転移性癌の患者にも日常生活があることを医師たちは忘れがちだ。診断時に、病気が仕事に及ぼす影響を予想し、患者に説明すれば、個々の患者が働き方を調整するために役立つだろう。また、症状のコントロールを目的とする医療者の努力は、より多くの患者が仕事を続けることを可能にするはずだ。

2015年12月22日 (11:12)

治療歴のあるPD-L1陽性非小細胞肺癌でpembrolizumabはドセタキセルに比べ優れたOSを示す【ESMO ASIA2015】

 プラチナ系製剤を含む化学療法後に増悪したPD-L1陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し、pembrolizumab(2mg/kg、10mg/kg)の3週おき投与はドセタキセルに比べて有意に全生存期間(OS)を延長させることが、フェーズ2/3試験KEYNOTE-10で明らかになった。米国Yale School of MedicineのRoy S. Herbst氏らが、12月18日から21日までシンガポールで開催されたESMO ASIA 2015で発表した。またこの結果は、Lancet誌電子版12月19日号にも発表された。

 試験は、1ライン以上の化学療法を受けた後に増悪したNSCLC患者を対象に実施された。なお化学療法は、2サイクル以上のプラチナ系製剤を用いた化学療法を含む。患者はECOG PS(0、1)、地域(東アジア、非東アジア)、PD-L1発現レベル(陽性細胞の割合(TPS)50%以上、1-49%)で層別化され、pembrolizumab 2mg/kgもしくは10 mg/kgを3週おきに投与する群、ドセタキセル75mg/m2を3週おきに投与する群に、1:1:1の割合でランダム化された。治療は最長24カ月、もしくは増悪あるいは許容できない毒性が発現するまで継続した。

 主要評価項目は、TPS 50%以上の患者もしくは全患者(TPS 1%以上)におけるOSと無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は、奏効率(ORR)、奏効期間、安全性とした。

 試験では2699人がスクリーニングを受け、このうちPD-L1のTPS 1%以上の1034人が、pembrolizumab 2mg/kg群(345人)、10mg/kg群(346人)、ドセタキセル群(343人)にランダム化された。

 患者は白人が約7割、アジア人が2割を占め、TPS 50%以上の患者が各群ともおよそ4割、TPS 1-49%の患者が6割だった。

 2015年9月30日をカットオフ日とした解析で、フォローアップ期間中央値は13.1カ月(5.7-23.7カ月)だった。

 この結果、TPS 50%以上の患者において、pembrolizumab 2mg/kg群のOS中央値は14.9カ月、10mg/kg群は17.3カ月、ドセタキセル群は8.2カ月だった。ドセタキセル群に対するpembrolizumab 2mg/kg群のハザード比は0.54(p=0.0002)、10mg/kg群は0.50(p<0.0001)だった。またpembrolizumab 2mg/kg群と10mg/kg群のハザード比は1.12となった。

 TPS 1%以上の患者では、pembrolizumab 2mg/kg群のOS中央値は10.4カ月、10mg/kg群は12.7カ月、ドセタキセル群は8.5カ月だった。ドセタキセル群に対するpembrolizumab 2mg/kg群のハザード比は0.71(p=0.0008)、10mg/kg群は0.61(p<0.0001)で、pembrolizumab 2mg/kg群と10mg/kg群のハザード比は1.17だった。

 性別、年齢、ECOG PS、PD-L1 TPS、腫瘍検体の状態(保存、新鮮)などのサブグループの解析でもpembrolizumab群のほうがOSは優れていた。

 PFS(RECIST 1.1、中央評価)の中央値は、TPS 50%以上の患者において、pembrolizumab 2mg/kg群では5.0カ月、10mg/kg群は5.2カ月、ドセタキセル群は4.1カ月だった。ドセタキセル群に対する2mg/kg群のハザード比は0.59(p=0.0001)、10mg/kg群でも0.59(p<0.0001)だった。

 一方、TPS 1%以上の患者では、pembrolizumab 2mg/kg群のPFS中央値は3.9カ月、10mg/kg群は4.0カ月、ドセタキセル群は4.0カ月で、2mg/kg群のハザード比は0.88(p=0.07)、10mg/kg群は0.79(p=0.004)となった。

 ORR(RECIST 1.1、中央評価)は、TPS 50%以上の患者において、pembrolizumab 2mg/kg群30%、10mg/kg群29%、ドセタキセル群8%だった(いずれもp<0.0001)。TPS 1%以上の患者ではそれぞれ18%、18%、9%だった(p=0.0005、p=0.0002)。奏効期間もドセタキセルに比べてpembrolizumabのほうが長かった。

 Pembrolizumabにおけるグレード3-5の有害事象は少なく、pembrolizumab 2mg/kg群13%、10mg/kg群16%、ドセタキセル群35%だった。治療関連死亡はそれぞれ1%、1%、2%であった。

 以上のことから、プラチナ系製剤を含む化学療法で増悪した進行NSCLC患者において、pembrolizumabは新たな標準的治療となりうるとした。

2015年12月21日 (17:12)

EGFR陽性NSCLCの1次治療でアファチニブがPFSを改善、ゲフィチニブとの直接比較【ESMO ASIA2015】

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として、アファチニブとゲフィチニブを初めて直接比較したフェーズ2bのLUX-Lung7試験から、ゲフィチニブよりもアファチニブが無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、奏効率を有意に改善したことが明らかになった。12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で、韓国Samsung Medical CenterのKeunchil Park氏が発表した。

 LUX-Lung7試験は、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者を対象として、EGFRを標的とする2剤を直接比較して評価する、初の前向き、国際的なランダム化比較試験。

 同試験の対象は、IIIB/IV期の肺腺癌で、腫瘍組織にEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失変異[Del19]および/またはL858R変異)が確認された、進行または転移に対する治療歴のない患者だった。

 アファチニブ40mgを1日1回経口投与する群(アファチニブ群)、またはゲフィチニブ250mgを1日1回経口投与する群(ゲフィチニブ群)に、患者を1対1でランダムに割り付けた。試験担当医師が有益と判断した場合は増悪後も治療の継続が認められた。主要評価項目は3つで、PFS(独立審査委員会による評価)、TTF、全生存期間(OS)だった。

 今回は、主要評価項目の中でも重要とされたPFSの結果が発表された。PFSの追跡期間中央値は27.3カ月となり、解析時には多くの患者が試験治療を中止していたため、TTFや安全性の結果も併せて発表された。

 同試験には、2011年12月から2013年8月までに北米や欧州、アジアなど13カ国の64施設から319人が登録され、アファチニブ群160人、ゲフィチニブ群159人となった。解析の時点でアファチニブ群の12.5%、ゲフィチニブ群の6.3%が治療を継続していた。

 患者背景は、女性の割合がゲフィチニブ群でやや多かったことを除き、両群でバランスがとれていた。年齢中央値は両群で63歳、男女比はアファチニブ群43/57%、ゲフィチニブ群33/67%、非アジア人はそれぞれ41%と45%、Del19とL858R変異を認めた患者は両群ともにそれぞれ58%と42%だった。

 結果として、アファチニブ群で増悪のリスクが27%低下することが明らかになった。PFS中央値は、アファチニブ群11.0カ月、ゲフィチニブ群10.9カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.57-0.95)となり、アファチニブ群で有意に改善した(p=0.0165)。

 PFSの改善は経時的に顕著となることも示された。18カ月時の無増悪生存率は、アファチニブ群27%、ゲフィチニブ群15%(p=0.0176)、24カ月時にはそれぞれ18%と8%となり、アファチニブ群で約2倍となった(p=0.0184)。PFSに対するアファチニブの有用性は、EGFR遺伝子変異の状態を含むすべてのサブグループでも一致していた。

 TTFもアファチニブ群で有意に改善した。TTF中央値は、アファチニブ群13.7カ月、ゲフィチニブ群11.5カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.58-0.92)となった(p=0.0073)。

 奏効率は、アファチニブ群70%、ゲフィチニブ群56%となった(p=0.0083)。奏効期間中央値は、アファチニブ群10.1カ月(95%信頼区間:7.8-11.1)、ゲフィチニブ群8.4カ月(95%信頼区間:7.4-10.9)だった。

 さらに、アファチニブによるPFSと奏効率の改善は、Del19を有する患者集団とL858R変異を有する患者集団の両方で認められた。

 両群で観察された有害事象は過去の経験と一致しており、予測可能かつ管理可能だった。薬剤に関連する有害事象はアファチニブ群の97.5%、ゲフィチニブ群の96.2%に発現し、有害事象による減量はアファチニブ群の41.9%、ゲフィチニブ群の1.9%で行われたが、有害事象により投与中止に至ったのは両群ともに6.3%だった。

 毒性プロファイルはやや異なり、グレード3の有害事象で多かったのは、アファチニブ群では下痢(11.9%)、発疹/ざ瘡(9.4%)、口内炎(4.4%)など、ゲフィチニブ群ではALT値上昇(7.5%)、AST値上昇(2.5%)などだった。

 Park氏は「本試験により、EGFR遺伝子変異陽性NSCLCのファーストライン治療として、不可逆的にErbBを阻害するアファチニブがEGFRを可逆的に阻害するゲフィチニブよりも有用性で上回ることが確認された」と結論した。同試験のOSについては、2016年に解析が行われる予定である。

2015年12月21日 (10:10)

アジア人でも乳癌に対するpalbociclibとフルベストラント併用の効果を確認【ESMO ASIA2015】

 内分泌療法後に進行したホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性で転移を有するアジア人乳癌患者において、CDK4/6阻害薬palbociclibとフルベストラントの併用は、フルベストラントとプラセボ併用よりも、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、フェーズ3試験PALOMA-3のアジア人患者における解析で明らかになった。韓国National Cancer CenterのJungsil Ro氏らが、12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で発表した。

 同試験では、内分泌療法による前治療後に進行したHR陽性HER2陰性乳癌患者521人を対象に、palbociclibとフルベストラントを投与する群(palbociclib群)とプラセボとフルベストラントを投与する群(プラセボ群)に2:1の割合でランダムに割り付けた。

 palbociclib群では、palbociclib 125mg/日を3週間投与、1週間休薬とし、フルベストラント500mgを1サイクル目は1日目と15日目に投与し、その後は28日毎に投与した。プラセボ群には、プラセボとフルベストラントを投与した。閉経前女性および閉経周辺期の女性にはゴセレリンが投与された。転移を有する乳癌に対しては前治療として1回の化学療法は認められた。

 2015年3月時点のアップデータ解析では、フォローアップ期間中央値8.9カ月において、主要評価項目であるPFS中央値はpalbociclib 群9.5カ月、プラセボ群4.6カ月(ハザード比0.46、p<0.001)であった(San Antonio Breast Cancer Symposium 2015, P4-13-01)。

 また同試験ではアジア人(日本、韓国)105人がpalbociclib群(74人)とプラセボ群(31人)にランダム化された。患者背景は2群間でバランスがとれていた。
 
 アジア人と非アジア人を比べると、年齢中央値はアジア人では52歳、非アジア人は58歳で、閉経前および閉経周辺期の女性の割合がそれぞれ42%、15%、体重の中央値が56kg、72kgだった。またアジア人の80%は前治療の内分泌療法に反応性を示しており、33%は転移病変に対する治療として化学療法を受けていた。

 この結果、2015年3月時点の解析で、アジア人におけるPFSのハザード比は0.485(95%信頼区間:0.270-0.869、p=0.0065)だった。非アジア人ではPFSハザード比は0.451(95%信頼区間:0.343-0.593、p<0.0001)であり、アジア人と非アジア人でpalbociclibのPFSにおける効果に違いはなかった。

 また臨床的有益率(CR+PR+SD≧24週)は、アジア人ではpalbociclib群70%、プラセボ群52%、非アジア人ではそれぞれ66%、37%だった。

 palbociclib群の有害事象は好中球減少症が最も多かったが(92%)、用量調整で管理可能であった。palbociclib群の発熱性好中球減少症の発現率は4%だった。アジア人と非アジア人で発現率に違いが見られた有害事象は、好中球減少症(それぞれ92%、78%)、口内炎(26%、9%)、発疹(25%、6%)、鼻咽頭炎(21%、10%)、疲労感(19%、45%)だった。
 
 有害事象の多くは軽度もしくは中等度だった。palbociclib群において有害事象による投与中止はなかった。ただしアジア人で、有害事象によるpalbociclibの投与中断は82%、有害事象による投与遅延は51%に見られた。非アジア人では、それぞれ47%、32%だった。また重篤な有害事象の発現率はpalbociclib群14%、プラセボ群23%だった。有害事象による死亡はなかった。

 アジア人と非アジア人で薬物動態に違いはなかった。しかし非アジア人に比べて、アジア人では治療前の好中球絶対数が19%低いことが、好中球減少症の高い発現率の原因ではないかとした。

 これらの結果から、palbociclibとフルベストラントの併用はアジア人患者において、適切な治療選択肢であるとした。

2015年12月19日 (16:11)

がん検診が死亡率高める可能性も 過剰な医療の弊害…医師が解説

 現在、5つのがんに対する集団検診が国によって推進されています。胃、大腸、肺、乳房、それに子宮の各がんです。しかし、どのがん検診も死亡率を下げる効果がないか、むしろ死亡率を高めてしまうものであることは、本連載で述べてきたとおりです。

 検診でがんが見つかれば必ず治療が行われていますから、これは検査だけの問題でなく、治療の方法にも疑義があることを意味します。

 では早期発見・早期治療ができるはずのがん検診で、なぜ死亡率が下がらないのでしょうか。

 「がん=死」というイメージが人々の脳裏に焼きついています。日本では、昭和27年に公開された黒澤明監督作品『生きる』がひとつのきっかけだったように思います。映画の中で、がんを患った主人公を名優・志村喬が演じていましたが、「がんは必ず死ぬ病気」であることが強調されていました。しかし、本当にそうなのでしょうか。

 その昔、がん細胞のかたまりを動物に移植すると、たちまち大きな腫瘍に成長して動物が死んでしまうという研究報告が世界中でなされました。がん=死であることが専門家の共通認識となり、やがて世界中の人々の知るところとなったのです。

 しかし動物にがんを移植しようとしても、普通は拒否反応が起きるため、うまくいきません。もし移植したがんが動物の体内でどんどん大きくなったとすれば、よほどたちの悪いものを選んで実験を行ったと考えられます。動物実験の結果だけから、がんの性質を論ずることはできないのです。

 何も治療せずに、病気を放置した場合にたどる経過を「自然史」といいます。『現代病理学体系-癌の自然史(藤田哲也著)』によれば、ヒトの胃がんや大腸がんは、1個のがん細胞がレントゲン検査や内視鏡検査で発見できるほどの大きさ(直径1センチメートル以上)に成長するまでに、理論上25年くらいかかるのだそうです。しかし現実には個人差も大きく、また、がんが発見されるとほぼ例外なく手術などの治療が行われるため、本当の自然史は誰にもわかっていませんでした。

●放置と最新治療、5年生存率は同じ?

 ところが最近、意外な事実が次々と明るみに出されるようになりました。

 たとえば、CTによる肺がん検診が行われ、小さな変化まで見つかるようになりましたが、ある研究によれば、直径が3センチメートル以下の腫瘍では、サイズとその後の運命、つまり死に至るかどうかとは無関係であることがわかりました。
 乳がんと診断される人の22%くらいは、放置しても自然に消滅してしまう可能性が高いことは、本連載ですでに紹介したとおりです。

 また、海外で行われた調査によると、死亡した人の解剖を行ったところ、たまたま肺がんが見つかった153人のうち、43人は生前に肺がんの診断は受けておらず、症状もいっさいなかったそうです。

 さらに国内で行われた調査によれば、精密検査で胃がんと診断されながら、なんらかの理由で治療をいっさい受けなかった38人の日本人を追跡したところ、5年後に生存していた人が63~68%もいたというのです。胃がんと診断された時点での「進行度」は不明ですが、平均して2期(正式表記はローマ数字/がんが胃壁に留まる)くらいだったとすれば、最新治療を受けた場合の5年生存率とほぼ同じだったことになります。

 がんは放置すると必ず大きくなり、たちまち死に至るとの神話は、すでに崩れ去っています。がんの悪性度には大きな個体差があり、人畜無害なものから極悪なものまでさまざまなのです。無害ながんを検診でたくさん見つけて治療すれば、5年生存率は高く見えるに決まっています。

 がん検診の専門家は、レントゲン検査をCTや内視鏡に替えて「検診の精度が高まった」と自慢しています。しかし、その努力は過剰な診断(over-diagnosis)を助長し、過剰医療の犠牲者を増やしているだけです。

 がん検診の旗振り役が「日本対がん協会」のようですが、いったい誰が、何を根拠に、どんなことをしているのか、国民にわかる言葉で説明してほしいものです。「ピンクリボン」という名の運動を支援している厚生労働省、東京都、日本医師会、朝日新聞社などは、利益相反の有無も含めて自らの責任を明確にする必要があるでしょう。

 がん検診を推進する組織のホームページは、どれも「受けるのが当然」との前提でつくられていて、筆者には誇大広告か詐欺商法にしか見えません。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

2015年12月19日 (10:55)

ガン治療の名医100人【部位別完全リスト】~この人でダメなら仕方ない


 たとえどんなに手術の技量が優れていても、患者を人間として診られない医師は半人前だ。死への恐怖におびえる患者にそっと寄り添ってくれる「ホンモノの名医たち」の保存版リストを公開する。
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この人でダメなら仕方ない

 「彼は『神様』と戦っているんです。神様が患者に『もう亡くなりなさい』と言っているのに、それに抗って手術をする。もし私が患者だったら、先生に手術してもらってダメだとしても本望です」

 こう語るのは、自らも医師で、抗がん剤などの化学療法を行う内科医として名高い友愛記念病院の平岩正樹氏。平岩氏が挙げる「人間として信頼できる医師」の筆頭が、日本大学医学部附属板橋病院の高山忠利教授だ。世界トップレベルの肝がん手術の専門家である。

 「あれほどの技術を持ちながら他の手術には手を出さず、肝がん治療に専念している。極めて謙虚なのです。

 そして、どんなに難しい手術でも果敢にチャレンジする。肝臓にできたがんのうち、まず半分を切り取った後、1週間様子を見てから再手術をするという、他に聞いたこともないような方法に挑戦したこともあります。患者が『病気と戦いたい』と思うなら、ぎりぎりまで並走したいと考える人なのです」(平岩氏)

 がん治療に命をかけている。だから厳格な面があり、部下にきついことを言う場面もある。それでもほとんど休みを取らず、毎日、患者の様子を自分の目で診ないと気が済まないのだから、彼のことを悪く言う人はいないという。

 「本当に細心の注意を払って患者の様子を診ます。世界トップクラスだというのに、ある意味でとても臆病なのです。臆病だから休みも取れない」(平岩氏)

 自分のために「神」に抗ってくれる男―患者にしてみれば、これ以上信頼できる医師はいない。患者が頼るのは彼の「メス」だけではなく、ひたむきに医と向き合う、その「為人」なのだ。

 「医は仁術なり。仁愛の心を本とし、人を救うを以て志とすべし」

 江戸時代の本草学者・儒学者である貝原益軒は『養生訓』にこう記した。同書が著されて300年余りを経て、医療技術の進歩は目覚ましいものがあるが、仁術としての医の本質は変わらない。

 大河ドラマ『宮本武蔵』などに出演した俳優の中康次氏は、'12年、直腸と肝臓のがんで余命半年と宣言された。だが当時かかっていた医師の説明が十分だとは思えず、他の医師を探さざるをえなかった。そんな状況で知り合いに紹介されたのが、北里大学東病院(当時)の佐藤武郎氏だった。

 「まずなにより説明が明確でした。何を聞いても、嘘やおべんちゃらはなく、なるほどと思う答えが返ってくる。人柄も陽気で、接していて信頼できたので、『佐藤先生でダメだったらあきらめよう』とまで思いました」

 中氏は佐藤氏の指示のもと抗がん剤治療を続け、「余命半年」の宣告を受けてから4年目の冬を迎えようとしている。

 信頼できる医師の条件で最も大切なこと。それは患者と「対話する力」だ。複雑な病状と難しい治療法を患者に納得のいく形で説明できるか。それが「この医師となら、難しい病気とも戦える」という患者の信頼感を得る第一歩だ。

 がん研有明病院の消化器外科部長、比企直樹氏は最新技術で手術を行う凄腕の医師だが、患者との対話にはとりわけ気を配るという。

 「患者さんはどなたも大きな不安を抱えておられます。最初に来たときに、私はまず結論からお話しすることにしています。

 いい結論なら、なるべく早く。悪い結論であれば、心を開いてくれるまで話してから告げる。いずれにしても、できるだけ患者さんが大きな望みをもって治療にあたれるようにします。生きる望みを失った瞬間に人は元気を失う。科学的にも『病は気から』が基本なのです」(比企氏)

 比企氏による手術で胃の3分の2を摘出した元ユニクロ副社長の澤田貴司氏が語る。

 「先生の説明は簡潔明瞭なもので、その言葉に安心して手術を受けることができました。術後の経過も先生の説明通りになり、今ではお酒も飲めますし、トライアスロンだってできます。先生には、信頼と感謝の気持ちしかありません」
自分の利益は考えない

 自身も中咽頭がんを患った医師の中原英臣氏は、「医者であっても、がんになってしまえば、まな板の鯉と同じだ」という。

 「私の場合も不安で一杯でした。しかし、診てもらった浅井昌大先生(鎌ケ谷総合病院)や松本文彦先生(がん研究センター中央病院)は、こちらの不安な心を和ませながら懇切丁寧な説明をしてくれました。大橋巨泉さんを診ていらっしゃる伊藤芳紀先生(がん研究センター中央病院)とはいつもプロ野球の話題で盛り上がりますが、先生がご自身の治療の腕に確たる自信を持たれているので、安心してお任せできます」

 もっとも「親切」でありさえすればいい医者になれるかといえば、当然ながらそうはいかない。自分の腕に自信がなく、ただ親切に対応することでしか患者の機嫌を取ることができない医師も多いからだ。中原氏が続ける。

 「特に外科は手術に長けて、自分の腕に自信がなければ患者にきちんと向き合うことはできません。医者から称賛される医者は技術力もあり、信頼できる人が多い。

 ただし腕がいいと評判でもそれを鼻にかけていては進歩がない。サッカーですごいフォワードがいても、周りから嫌われていたらパスが来ません。それと同じで人間性を疑われたら、助手や看護師との連携が取れないし、手術を頼まれることもなくなり、症例を積むことができません」

 自らも乳がんを患った経験のある医療ジャーナリストの増田美加氏は、心ある医師、信頼できる医師の条件として「仕事以外の時間を使って、患者会を支える活動やがん治療に関する啓もう活動を行っていること」を挙げる。

 「例えば、乳腺外科の第一人者である中村清吾先生です。もともとは聖路加国際病院でブレストセンターを立ち上げて、一通りの体制が整ったので後進に道を譲り、自らはそれまで乳腺外科が充実していなかった昭和大学医学部に移られました。

 日本乳癌学会の理事長も務めていて超多忙なのですが、患者会から声がかかれば暇を見つけてセミナーや講演会に出かけていく。忌憚なく思ったことを伝えるタイプで、患者さんたちから慕われています」

 一人でも多くのがん患者を救いたいという理想に突き動かされている医師は他にもいる。NTT東日本関東病院の堀夏樹氏もその一人だ。もともと泌尿器科だった堀氏は、もはや手術や完治するための治療法もないような患者を自宅に帰してあげたいという思いから、30年以上にわたって、在宅医療などの緩和ケアを進めてきた。医療ジャーナリストの安達純子氏が語る。

 「以前は病院の仕事が終わってから在宅訪問を続けていました。自分の利益や時間を度外視して、患者のそばに寄り添ってきた類いまれな人材です」

 元国立がんセンター中央病院長で自らも大腸がんを患った土屋了介・神奈川県立病院機構理事長も、術後ケアの大切さを強調する。

 「研究者としては優れていても、手術をした後、患者さんをほったらかしにして、その後の治療に誠意のない医者が多いんです。患者さんのアフターケアをしっかりできる医師は信頼できますね。

 がんの手術は心臓手術と違い、切って終わりではなく、手術後からの予後治療が長い。

 だから私はあまり『神の手』をもてはやしすぎるのは問題だと思います。きちっとした手術でも再発するのが、がんという病。今後ロボットを使った手術が増えれば、患者さんを助けるのは技術による勝負ではなくなる。再発したときに、きちんと患者の面倒を看られる人が、手術の名手よりも重要になるのです。

 その意味で、中山治彦氏(神奈川県立がんセンター)、鈴木健司氏(順天堂医院)や横井香平氏(名古屋大学病院)は手術の技術も優れているが、アフターケアをしっかりとしています。また、鈴木聡氏(荘内病院)や的場元弘氏(日赤医療センター)など、緩和ケアを専門にしている医師は正面から患者の不安に向き合ってくれるはずです」

 がん患者の悩みに、もっと直接的に関わる医師もいる。順天堂医院で「がん哲学外来」を担当する樋野興夫氏だ。

 「私はアスベスト・中皮腫を研究しています。治療法もほとんどない難病で、患者さんたちと向き合ううちに対話の大切さに気付き、がん哲学外来を開きました」
患者たちに「地元の宝」と愛されて

 普通の医者は技術面で秀でていても、「対話者」としての教育を受けていない場合が多い。だから誰かが患者の胸中をケアしてあげないと「医療の隙間」が生じてしまう。

 「私は患者さんと対話をしながらその悩みを理解し、『言葉の処方箋』を出すことにしています。新渡戸稲造や内村鑑三といったキリスト者の言葉から選んで、3つか5つくらいを紹介するんです。そのうち1つくらいは患者さんの心に届き、悩みを軽減できる」(樋野氏)

 治療がもはや難しいとなったとき、それでも戦おうとする医師もいる。茨城県立中央病院で消化器全般を担当する外科医、吉見富洋氏だ。吉見氏はがんセンターや大学病院で「手術不可能」と言われた患者を積極的に引き受けることで有名だ。

 「人柄としては、陽気でとても快活、まっすぐな方です。他の病院で手術を断られた患者に対しても、ぎりぎりの可能性を探っている」(国立大学のがん専門医)

 ただ、あまりに率直で歯に衣着せぬものの言い方のせいで、上司と衝突したこともあった。そのせいで、一時期、病院内で干され、診療に関われない部署に飛ばされたこともあったという。

 「ところが、かつて吉見先生に手術をしてもらって完治した患者さんたちが、地方新聞に意見広告を出したのです。『私たちは吉見先生のおかげで命を永らえました。先生は地元の宝です』というような内容でした。この広告のおかげで、吉見先生は現場に戻ることができました」(前出のがん専門医)

 良い医者は「病を診るのではなく、人を診る」と言われるが、逆もまたしかりだ。良い医者に出会った時、患者は「メスやクスリを信じるのではなく、人を信じる」のだ。吉見氏は、その典型的な例だと言える。

 今回、紹介した100人の医師たちは、手術の技量、最新の薬や治療法に関して申し分のない知識を備えている上に、人格者として患者や医療関係者の尊敬を集めている人たちばかり。もし不幸にしてあなた自身や家族が病に臥すことになったら、「一緒に戦ってくれる仲間」を探すための一助にしてほしい。

2015年12月18日 (16:17)

1週間経っても治らぬ風邪なら別の病気を疑い検査受けるべき

 風邪は万病の元──その理由は2つあるという。1つは「風邪がさまざまな合併症を引き起こす」ということ。そしてもう1つが「風邪だと思っていたら違う病気だった」ということが多いためだ。「ただの風邪」と侮っていると、その裏には死の危険が潜んでいる。

「一見、風邪のように見えるが実は違う病気だった」というケースがある。これは“ただの風邪だ”と甘く見ていた結果、最悪の事態を招くことになりかねないのだ。

 風邪は医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、喉や鼻など上気道に炎症を起こす病気と定義されている。通常その炎症は感染から1週間ほどで治るもので、熱、鼻水、くしゃみ、咳といった症状は多くの病気の初期症状と似ている。代表的なのが肺炎である。

 少々ややこしいが、肺炎には「まず風邪になり、それをこじらせて罹る場合」と、「風邪ではなく肺炎の原因菌に感染して最初から肺炎に罹った場合」がある。だが肺炎の初期症状は風邪とよく似ており、判断がつきにくい。「風邪だと思って甘く見ていたら実は肺炎だった」というケースは多い。

 医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」名誉所長で、内科医の高築勝義氏が語る。

「発熱や咳が1週間で治まらなければ、風邪以外の病気を疑ったほうがいいでしょう。例えば肺炎なら胸が痛い、息苦しい、意識が朦朧とするといった症状が続くはずです。

 ただ高齢者の場合、こうした症状が表に出にくいので、もし周りから見て食欲が落ちていたり、明らかに元気がなかったり、無口になったりなど普段と違った様子が続いたら、肺炎を疑って医師への診察を促してください」

 5歳未満の子供や高齢者、慢性呼吸器疾患や糖尿病など持病のある人、喫煙者やアルコール依存症の人などは肺炎に罹りやすいといわれるため注意が必要だ。

 他にも急性肝炎、急性白血病、急性腎盂(じんう)炎、急性髄膜炎など発見が遅れると命取りになる病気の初期症状が、倦怠感や咳、発熱といった風邪の症状と酷似している。

 昨年1年間、急性白血病による死亡者は約4300人、急性肝炎でも88人が死亡している(厚労省・人口動態調査)。初期症状を見落とさなければ助かった人もいたのではないか。これらの中には見分けがつく症状をもつものもある。前出の高築氏が続ける。

「急性肝炎は黄疸が出たり、尿の色が濃くなるといった『これは風邪ではないな』と気づきやすい症状を伴います。急性白血病はどこもぶつけていないのにアザができたり、鼻から出血したりしたら要注意。急性腎盂炎は排尿痛や頻尿、急性髄膜炎では重い頭痛や意識障害などそれぞれの病気に特有の症状が出ます。少しでも『いつもの風邪と違うな』と感じた場合には早期受診が賢明です」

 その他、肺がんの初期症状も微熱や咳を伴うことはよく知られている。風邪に詳しい大分県済生会日田病院副院長の加地正英氏は、こう付け加える。

「これは私の経験則なのですが、『風邪をひいたみたいです』といってくる患者の多くは別の病気です。風邪の症状が出て1週間以内に急激に悪化したり、1週間経っても症状が長引く場合は別の病気を疑って早急に検査してもらうべきでしょう。もちろんこれはあくまで目安なので、少しでも不安があれば受診をお勧めします」

 風邪が引き起こす合併症や、風邪とよく似た重大疾患を見誤らないためにできる一番の対応策は、当たり前だが「風邪をひかないこと」に尽きる。

「体調がすぐれないときは自己免疫能力が落ちているために風邪を引きやすい。風邪の原因のほとんどはウイルスなのでうがいや手洗いはもちろん、乾燥を避ける工夫をしてください」(同前)

 たかが風邪、されど風邪。ご用心を。

2015年12月18日 (11:19)

健康に悪い? じつはNGな定番朝食

何かと慌ただしい朝。雑務に追われ、朝食はトーストとコーヒーだけで済ませてしまうなんて人も多いのではないでしょうか? でも、じつはこれ、健康のためにはあまりよろしくありません。定番の朝食メニューも摂り方を間違えると、かえって害になってしまうことも。
家族の健康を守るためにも、押さえておきたい“NG朝食”を紹介します。


●起き抜けのコーヒー
朝の食卓に欠かせない目覚めのコーヒー。起き抜けの脳を覚醒させてくれるだけでなく、コーヒーには死亡リスクを低減させるというデータもあるようです(国立がん研究センター「多目的コホート研究」より)。
しかし、気を付けたいのは飲み方。カフェインの多いコーヒーは血糖値を上昇させやすいため、朝一番などすきっ腹の状態で飲むのは避けたいところ。朝食を食べ終わった後に、食後の一杯として飲むようにするといいでしょう。

●ベーグルやフランスパン
寝坊した子どもが、トースト1枚片手に慌てて家を飛び出していく。漫画ではよくある光景ですが、これも健康上の観点から見ればNG。炭水化物(糖質)はコーヒー同様、血糖値を急上昇させる食品。単体で食べるのは好ましくありません。なかでもベーグルやフランスパン、砂糖をたっぷり含む菓子パンなどは血糖値を上げやすいといわれています。

●砂糖たっぷりのシリアル
ヘルシーなイメージのある朝食用のシリアル。しかし、市販されているもののなかには砂糖をたっぷり含み、朝から糖分を過剰に摂取してしまうものも。ちなみに、女性に人気のグラノーラには、砂糖不使用のものもあります。

●低GI値の食品を選びましょう
血糖値が上がりやすいのは、一般的にパンや白米、麺類、砂糖などの炭水化物。また、肉や卵、乳製品など。しかし、これらはいずれも朝食の定番。これらを避けるとなると、朝食の献立が難しくなります。

ポイントは、同じ炭水化物でも血糖値をおだやかに上昇させる「低GI値」のものを選ぶこと。GI値とは食品が体内で糖に変化し、血糖値が上昇するスピードを計る値で、数値が低いほど健康的といわれています。たとえば、パンでいうとピザ生地のパンやライ麦パンなど、ご飯も玄米や五穀米は低GIです。

また、野菜を先に食べるのも効果的。野菜を摂取することで緩やかに血糖値を上げていき、その後GI値の高い食品を摂るようにするといいでしょう。

というわけで、今回挙げた食品が必ずしもNGというわけではなく、大事なのはその食べ方と量。これらをふまえて、朝から健康的な食卓を目指しましょう。

2015年12月17日 (16:22)

難治性血液がんATL発症阻害剤を開発 東大研究グループ

 ウイルスHTLV1の感染が原因で九州に患者が多い難治性血液がん、成人T細胞白血病(ATL)について、東京大大学院の渡辺俊樹教授(血液腫瘍学)らの研究グループが、発症要因となる血液中の酵素群を特定し、高い確率でがん細胞を殺す化合物(阻害剤)を開発した。がん化していない感染細胞を減らす効果も確認された。5年後の実用化を目指しており、新たな治療薬や発症予防薬への応用が期待される。
 製薬大手の第一三共(東京)などとの共同研究。7日(日本時間8日未明)に米フロリダ州であった米血液学会で発表した。
 グループはウイルス感染が引き金になって「EZH1/2」と呼ばれる酵素群が細胞内で過剰に発生し、正常な遺伝子が発現しなくなった結果、細胞のがん化が進み、ATLが発症するメカニズムを解明した。渡辺教授によると、患者と感染者約30人の細胞を使った実験では、阻害剤を投与後、遺伝子の働きが正常化。がん細胞の多くが死滅するとともに感染細胞も減り、すべての例で有効と確認されたという。
 HTLV1は主に母乳を介して母子感染する。厚生労働省によると、国内感染者は推計100万人超。感染者の約5%が発症し、毎年約千人が死亡している。
 同様の遺伝子の異常はATLだけでなく、他の悪性リンパ腫や白血病でも見られ、渡辺教授は「阻害剤は幅広い種類のがんにも非常に有望。発症予防薬としての利用も視野に新薬承認への治験に取り組みたい」と話した。
=2015/12/09付 西日本新聞朝刊=

2015年12月17日 (10:53)

ボケ防止、がん予防…“赤ワイン”の健康効果最新研究

「動脈硬化を防いだり、悪玉コレステロールの酸化を防止したりと、赤ワインを適度にたしなむことが健康にいいことは、ご存じでしょう。そんな赤ワインの最新の研究発表をご紹介します。まずは、プラハで行われた欧州肥満学会で報告されたもの。糖尿病(2型)の患者さんが、夕食時にグラス1杯の赤ワインを飲むことで糖代謝が改善したというのです」

 そう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。224人に対して2年間行われたこの調査では、夕食時に「赤ワイン」「白ワイン」「水」各150ミリリットルのいずれかを摂取。その結果、ワインを飲み続けたグループが「水」のグループに比べて糖代謝が改善。とくに赤ワインの効果が高かったという。

「さらに、米オレゴン州立大学などの研究グループがネズミに10週間にわたって脂肪分の多い食事を与え、そのうち半分には赤ワインを与えた実験が。赤ワインを与えたマウスでは脂肪肝が減り、血糖値が下がったという結果も話題になりました。これは赤ブドウに含まれる『エラグ酸』が、肝臓内での脂肪細胞の成長を抑えているようです」

 赤ワインの健康効果には、「アントシアニン」「タンニン」などブドウ由来の栄養成分「ポリフェノール」が大きく貢献している。これらが、がんを予防したり、血管の炎症を抑えたりすることは、すでに実証されている。

「最後にご紹介する研究は、その『ポリフェノール』の一種『レスベラトロール』についてのものです。米ジョージタウン大学の研究チームがアルツハイマー病の患者さん119人に高濃度の『レスベラトロール』を投与したところ、アルツハイマー病の原因と考えられている、『アミロイドβ』の脳への蓄積が減少したというのです。研究チームは、認知力の向上も見られたと言いますが、まだまだ検証を重ねる必要がありそうです」

 とはいえ、特効薬のない認知症の予防に、期待を膨らませる報告とも言えるだろう。

「赤ワインは、味以外にも色や香りなど五感を使って楽しめます。ワインが空気に触れることで、味が豊かになるなど、ゆったりした気分で楽しむことができます。私もほかのお酒に比べて、自然とゆっくり飲むことが多いのですが、そうすることで副交感神経の働きをアップさせる効果もあるのです」

 もちろん「百薬の長」は、ほどほどの量でのこと。飲みすぎにはご注意を!

2015年12月16日 (17:24)

膵臓がんリスク10~20倍増 医師に聞いた「膵炎」の怖さ

 お笑いコンビ次長課長の河本準一(40)が、9月末から2度目の急性膵炎で約1カ月間入院していた。膵炎は、酒を飲む人が特に注意しなくてはならない病気だ。東京都立駒込病院・神澤輝実副院長(消化器内科)に聞いた。

★原因は?

 膵炎には急性と慢性がある。

「男性では、急性膵炎の5割、慢性膵炎の7割がアルコール性です。摂取量が多いほど発症リスクが高くなりますが、その量は人それぞれです」

 また、急性膵炎では胆石も主要な要因で、男性で2割、女性では最も多い4割を占める。

★急性と慢性の違いは?

 急性膵炎は、膵臓内では働かない膵液が急激に活性化し、膵臓を消化してしまう病気だ。一方、慢性膵炎は、膵臓内で持続的に炎症が起こり、膵臓の細胞が破壊されて徐々に硬くなる。

「かつては急性膵炎から慢性膵炎には移行しないと考えられていました。しかし、今では再発を繰り返す急性膵炎の一部が慢性膵炎に移行すると指摘されています」

★症状は?

 急性膵炎では、上腹部痛や背部痛。急に起こり、痛みは次第に増し、エビのように体を丸めないと耐えられないほどの激痛になる。放っておいても治らない。

 慢性膵炎でも、同じように上腹部痛や背部痛が起こるケースが多い。しかし、痛みは「激痛」の場合もあるが、「重苦しい感じ・鈍痛」が多い。痛みが出たり、軽くなったりを10年程度繰り返し、やがて痛みが起こらなくなる。

「しかし、治ったのではない。膵臓の細胞が壊れすぎて、痛みを感じなくなってしまったのです」

 この頃になると、体重が落ちたり、膵臓が働かないのでインスリンが分泌されず糖尿病を発症したりする。

★死に至る?

 急性膵炎は、命に関わることがある。

「最新のデータでは死亡率は2.6%ですが、重症急性膵炎になると10.1%まで上昇します」

 慢性膵炎は、すぐ死に至ることはない。しかし、安心はできない。

「がんの中でも予後が非常に悪い膵臓がんのリスクが、健常な人に比べて10~20倍高まります。しかも、定期的にチェックしていても、膵臓の状態が悪いので早期発見が困難。たいていは進行がんで発見されるのです」

 進行膵臓がんになると、打つ手がほとんどないのが実情だ。

★治る?

 急性膵炎は、要因を取り除けば治る例が多い。

「アルコールが原因なら禁酒、胆石が原因なら胆石を取る」

 ところが、慢性膵炎は「不可逆性」、すなわち「治らない」。「治療では進行を止めることに重点が置かれます。しかし最近、世界で初めての項目を入れたガイドラインが日本で作られました」

 それが、「早期慢性膵炎」だ。

★早期慢性膵炎とは?

 慢性膵炎は不可逆性で、一度発症すると膵臓がんのリスクが高くなる。そこで日本では、早期慢性膵炎からの医療の介入が試みられている。

「『治療を始めれば治る可能性があるのではないか』という段階が、早期慢性膵炎です。普通の膵炎は超音波やCTで診断できますが、早期慢性膵炎はそれではわかりません。超音波内視鏡という機器で精密検査を行わなくてはなりません」

 しかも、膵臓の専門医でないと診断は難しい。膵臓専門医は少ないが、病院のHPなどで医師のプロフィルを確認し、受診すべきだ。

「早期慢性膵炎の診断までいかなくても、慢性的に腹痛があり、飲酒習慣があるなら、胃カメラだけでなく血液検査や超音波などで膵臓を調べる。せめて慢性膵炎のチェックはすべきでしょう」

2015年12月16日 (11:32)

がん、心臓手術を乗り越えた「知の巨人」が、後期高齢者になってわかったこと 『死はこわくない』 (立花隆 著)

安楽死や脳死など、長きにわたり、人の「死」をテーマに追い続けてきた立花隆さん。新刊『死はこわくない』(12月5日発売)は、最新の脳科学の知見を得て到達した理想的な「死」について語りおろした一冊です。がん、心臓手術を乗り越え、75歳になった「知の巨人」はいま何を思っているのでしょうか。その心境についてうかがいました。

――「死がこわくない」のはなぜですか?

 自然にそういう気持になったんです。そのことに自覚的になったのは、今回の本を書き終えたときですね。気持的に、自然に死がこわくなくなったんです。だから、自分でいろいろ取材して調べた結果、ロジカルな結論としてそのような考えに至ったということではなくて、自然な気持の流れとして自然にそうなっていたということです。ぼくは今年75歳で後期高齢者になったんですが、その要素というのがいちばん大きい背景だと思います。

 今回の本のなかでは触れていませんが、ロバート・カステンバウムというひとが、人間は年をとるとどういうふうに心境が変化するのか、年齢に応じてそのひとのこころがどういうふうに変わるのかについて書いています。そして、キケロも61歳のころ、『老年について』を書いています。この本は、大カトーが将来有望な若者二人を自宅に招いて老年論を対談形式で語るという体裁になっていますが、いま読んでも非常に面白い本です。とにかくいろんなひとが「老年」について書いていますが、そういうのを読むと、自分もそういう年齢になったこともあって、なるほどと思わされることが多いですね。

 人間というのはおのずから、過去の蓄積の上にあたらしい日々を迎え、年をとっていくわけで、その蓄積が自分のなかで生きたものとして醸成され、そのひとの「いま」を作っているという側面があります。

 やっぱり後期高齢者になってみないと、わからないことが相当あると思いますね。つまりあなた方はまだ若いから、後期高齢者になるのに何十年も必要でしょう。そういうひとは、自分では「死」を知ったつもりになっていても実は全然分かってない、というか分かりようがないということなんです(笑)。

――若い頃には、こうした心境に至るとは思いもしなかった?

 そうですね、偉そうなことを若い頃から書いてきましたが(笑)、いま若いときに書いたものを読み直すと、チャンチャラおかしいという感じの部分が相当ありますね。

 やっぱり年齢を重ねると、年をとっただけのことは自然とあるんですね。とくに人間が年をとったときにどうなるかとか(心身ともにですが)、それから死ぬことについてどう思うようになるかとか、そのあたりは自分が本当に年をとって死が近く見える年齢にならないと、本当のことはわからないと思います。

 死がこわい、こわくないという話で言えば、もっぱら若いときは「死」がこわくて当然なんです。若さにとって死はアンチテーゼそのものですから。さらに、世の中にはいろんなひとがいて、敏感なひとと鈍感なひとがいるから、一概には言えないけれども、人間の生理的な思考におよぼす影響からして、若い頃はやはりこわいに違いないんです。ぼくにも事実、死というのを簡単には考えられないという時代がありました。

 しかし、いまは慣れ親しんでいるという感じですね。ある程度の年齢に達したひとがどんどん死んでいくという、そういう年齢に入るわけですから、自然と「死」というものが慣れ親しんだものになってくるんです。だから、自然とこわくなくなりました。

――人間が死ぬときはどういうふうになるのでしょう。

 今回の本や、20年あまり前に発表した『臨死体験』(文春文庫)でも書いたことなんですが、そのひとが死ぬ状況によってずいぶんちがうと思います。そのひとの肉体的条件、あるいは短い人生の時間幅のなかで、どういう時間帯のなかに位置しているのかっていうね。そういうことがものすごく影響すると思います。ただ、基本的に年をとったひとであれば、自然と落ち着いた気持で死にアプローチできるようです。

 最晩年にいろんな出来事や状況変化があって、精神的に混乱をきたすようなことに遭遇したひとには当てはまらないかもしれませんが、ごく普通に後期高齢者を迎えたひと、そういうひとは自分自身の人生をルックバックすると、60代後半だとまだでしょうが、70歳を超したあたりからすごく安定した気持になるものなんです。そしてさらに5年たって後期高齢者になる。この5年は大きいですね。ぼくもそうですが、周囲に亡くなる人がふえて、そのたびに落ち着いて全体を振り返れるようになる。

 自分の人生全体を過去のものとして振り返る。いろんなことがあったにしても、気持として全体を見渡せる心境になったときというのはね、個人差があるにせよ、大半のひとはすごく安定した気持で振り返ることができるんではないでしょうか。

 ある意味で「死にどき」と言うことができると思いますが、そうした「いつ死んでもおかしくない」時期に自分自身が差し掛かったんだ、ということでしょうね。

2015年12月15日 (16:57)

内臓ダメージを避ける飲み方

今年も忘年会シーズンの到来。楽しくおいしいお酒も連日続くとツライもの。内臓に負担をかけず、さらに翌朝に残らない飲み方について、川崎南部病院 健康管理センター所長の仲眞美子先生に伺ってみた。

「日本人は欧米人に比べて、もともと体質的にお酒に強くありません。お酒にはエチルアルコールという成分が含まれていますが、この成分が肝臓で分解されると、“アセトアルデヒド”という物質に変化します。このアセトアルデヒドとは、発がん性なども指摘される有害物質です。お酒を飲んだときに起こる動悸や赤み、吐き気や頭痛、二日酔いなども、このアセトアルデヒドが作用しています。 
 
この悪さをするアセトアルデヒドを分解する働きを持っているのが、“ALDH2”という2種の酵素です。この酵素がうまく働く人はお酒に強いのですが、日本人はALDH2の働きが悪い人が多いため、悪酔いしたり、翌日までお酒が残ってしまう人が多いわけです。 
 
ただ、お酒が強い人でも、ピッチを上げて飲むとALDH2の分解ペースが追いつかず、悪酔いや泥酔を引き起こします。飲酒では量の制限ばかり着目されますが、実は飲むスピードにも配慮することが必要なのです」 
 
特にALDH2の働きは、年齢とともに低下しやすいという。年齢を重ねると飲めなくなるのはそのためだ。最近お酒に弱くなったと感じる人は、ALDH2の働きが悪くなっていることを自覚して、自分のペース配分にはより慎重になるべきなのだ。

さらに、今夜は飲み会があるという日は、ランチタイムの食事内容を意識することで、内臓への負担もかなり軽減されるという。 
 
「女性の方だとダイエット意識重視で、飲み会がある日のランチを抜いてしまったり、軽めにと小さなサンドイッチやおにぎり1個で済ませてしまう人も多いようです。でも、これはあまりよくありませんね。お酒を飲む日のランチはしっかりいただいてほしいのです。 
 
すきっ腹で飲むと、胃壁に負担をかけるだけでなく、アルコールを分解するのに必要な肝臓の機能を下げてしまうことになります」

また、食べるなら糖質よりも肉や魚、卵などのたんぱく質に留意してほしいという。 
 
「アルコール分解に関わる臓器は肝臓です。肝臓が元気に働くことが、アルコールの分解にもつながります。そのためには良質なたんぱく質の摂取が必須です。お酒を飲む日のランチは糖質を抑えても、たんぱく質はきちんと摂ってほしいですね。 
 
また、飲む席のおつまみもポテトフライや焼きそばなど炭水化物の比重が高いものよりも、焼き鳥やお刺身、焼き魚、から揚げ、卵焼きやチーズなど、たんぱく質が主体のものを取るように心がけましょう。豆腐や納豆など大豆もたんぱく質ですが、動物性たんぱく質のほうがアミノ酸バランスが高いので、肝臓の再合成が早いといわれています。 
 
食べてから2時間ぐらいで再合成が始まるといわれているので、本格的に飲む前にたんぱく質を摂取しておくといいでしょう。お酒というとウコンやシジミを取っていれば大丈夫と思っている人がいますが、たんぱく質がきちんと摂れていなければ、肝細胞内の代謝も進まないのです」

お酒好きな人は、最初の1杯をおいしく飲みたいがために、飲む前の水分摂取を控えることが多い。スポーツ後のビールなどがその代表例だ。 
 
「でも、水分を摂っていないと一気に飲むので、ピッチが上がり、ALDH2の分解スピードが追いつきません。理想的なのは、飲む前にコップ1杯の水や炭酸水を飲んでおくことですね。特にお酒が弱い人は、この方法がおすすめです。 
 
飲む前に水分は摂りたくない、というのであればチェイサーを用意して、お酒を飲みながら必ずチェイサーも飲むようにすると、ペースも量も抑えられます。ちょっとした工夫が肝臓をいたわる飲み方につながるのです」

2015年12月15日 (10:59)

ホジキンリンパ腫サバイバーの妊娠は再発リスクを高めない

 寛解状態にあるホジキンリンパ腫の女性において、診断後の妊娠は再発リスクを高めるというエビデンスはないことが確認された。スウェーデンKarolinska Institutet のCaroline E. Weibull氏らが、Journal of Clinical Oncology誌電子版12月14日号に発表した。

 著者の1人であるスウェーデンUppsala UniversityのIngrid Glimelius氏は、「ホジキンリンパ腫のサバイバーおよび医師は、妊娠が再発リスクを高めるという懸念について、それを支持するような経験的なエビデンスがないにも関わらず、不安を感じていることから、我々はこの研究を実施した」と述べている。

 研究では、スウェーデンのヘルスケア登録と診察記録のデータを用いて、1992年から2009年にホジキンリンパ腫と診断された18-40歳の女性449人を対象に解析を行った。

 患者の状態が寛解になったと判断され、ホジキンリンパ腫の診断後6カ月時点でフォローアップが開始された。妊娠に関連する再発は、妊娠中もしくは出産後5年以内に再発した場合と定義した。

 その結果、449人のうち144人(32%)が、フォローアップ期間中に妊娠した。しかし妊娠に関連した再発は、このうち1人のみだった。一方、妊娠しなかった女性では46人が再発した。したがって妊娠した女性は、妊娠しなかった女性に比べて、有意差はないものの、妊娠に関連した再発リスクは低かった(調整ハザード比0.29、95%信頼区間:0.04-2.18)。

 筆頭著者のWeibull氏は、「これらの知見に基づき、妊娠したホジキンリンパ腫のサバイバーは再発リスクが高いというエビデンスはないことがわかる」と述べている。

 フォローアップ中に出産した女性で再発が少なかったことに関し、可能性のある説明の1つは、healthy mother effectといわれるセレクションバイアスであるという。これは重篤でない病気の女性が妊娠しやすく、かつ再発リスクも低いことを示唆する。

 ただし、年齢や重症度の違いを考慮した後の妊娠確率は、進行期の患者と初期の患者の間で違いはなく、異なるタイプの化学療法を受けた患者間でも、明らかな違いはなかった。このため「この研究でhealthy mother effectを示すエビデンスはない」とWeibull氏は述べた。

2015年12月14日 (17:11)

理研ががん細胞の運動を制御する新しい仕組みを発見 新しいがん転移治療法の開発へ期待かかる

 悪性腫瘍(がん)は無限に増殖するだけでなく、正常な組織との境界を越えて侵入したり(浸潤)、あるいは転移することにより、身体の各所で増大し、その結果宿主の生命を脅かす。このため、がん細胞の浸潤、転移の分子メカニズムを知ることは、新しいがん治療法の開発に有益だという。

 そして、がん細胞の運動や浸潤に重要な働きをするアクチン結合タンパク質としてコータクチンが知られている。実際、コータクチンは多くの浸潤がんで高発現しており、がん転移治療の標的分子として注目されているという。

 今回、理化学研究所(理研)吉田化学遺伝学研究室の吉田稔主任研究員、伊藤昭博専任研究員らの共同研究グループは、酸化ストレス応答転写因子Nrf2の負の制御因子であるKeap1の新しい機能を発見し、がん細胞の運動を制御する新しい仕組みを発見した。

 具体的には、まず共同研究グループは、コータクチンのリジンアセチル化を特異的に認識する抗体を作製し、コータクチンのアセチル化酵素を探索した。その結果、ヒストンアセチル化酵素であるCBPが主要なアセチル化酵素であることを発見したという。
 
 コータクチンは細胞質に存在するタンパク質だが、ヒストンアセチル化酵素であるCBPは主に核内に存在する。この一見矛盾した知見から共同研究グループは、コータクチンは細胞質と核を行き来しているのではないかと考えたという。そこで核外移行の阻害剤であるレプトマイシンBを用いた実験を行ったところ、コータクチンが核から細胞質へ移行できず、核内に蓄積してしまうことがわかった。

 次に、コータクチンの細胞内局在を調節するタンパク質を同定する目的で、コータクチンの複合体解析を行ったところ、酸化ストレス応答転写因子Nrf2の負の制御因子として知られるKeap1を新しいコータクチンの結合タンパク質として発見した。RNA干渉法によりKeap1をノックダウンさせたところ、コータクチンは核にも顕著に観察されるようになったことから、Keap1はコータクチンを細胞質にとどめおく機能があることがわかった。

 コータクチンは外部シグナル(増殖刺激)により細胞の辺縁部、特に細胞運動の際に形成される仮足部分に移行する。そしてコータクチンはアクチン重合を促進することにより、がん細胞の運動を増進させる。そこで共同研究グループは、コータクチンによる細胞の運動増進におけるKeap1の役割についても検討した。その結果、増殖刺激に応答してKeap1はコータクチンとともに細胞辺縁部に移行すること、Keap1がないとコータクチンは辺縁部に移行できないことがわかった。さらにKeap1を欠損させるとがん細胞および正常線維芽細胞の運動性が低下することが分かり、Keap1が細胞運動に重要な働きを持つことが明らかになったという。

 また、コータクチンのアセチル化は、Keap1との結合を阻害することにより、細胞辺縁部への移行を阻害することを見出した。つまり、コータクチンの脱アセチル化を止め、アセチル化を増やすとがん細胞の動きが止まることがわかったことになるという。これらにより、コータクチン脱アセチル化酵素を標的とした新しいがん転移治療法の開発が期待できるとしている。(編集担当:慶尾六郎)

2015年12月14日 (10:30)

乳がんが教えてくれた 笑顔でつくる人とのつながり

福岡県大刀洗町在住の末次寿さんと由美さん夫妻を講師に招いたセミナー「繋ぐ。そして繋がる命。~乳がんが教えてくれた 笑顔でつくる人とのつながり」が11月17日、NTT西日本 九州事業本部で開催されました。由美さんは2010年11月に乳がんの診断を受け、左胸を全摘手術。自身の体験をきっかけに、2011年2月、乳がん患者に手作りのタオル帽子を贈るボランティア団体「あいう笑がお」を設立し、活動を続けています。寿さんは、がん患者とその家族が気軽に語り合える・支え合えるボランティア団体「cocolove.」の代表を務めています。

がん治療にかかる費用ってどれくらい?

この講演は、NTT西日本 九州事業本部が「風とおしの良い職場づくり」「不正不祥事等の根絶」を目指して、開催している「ヒューマンパワーセミナー」の第7回めとして企画されました。今回は、「乳がん検診の大切さ」、「末次夫妻のボランティア活動」に心動かされた九州沖縄の複数の女性社員活動グループとのコラボ企画を実施することができました。テレビ会議システムを利用して九州・沖縄各県の社員約1,200人が聴講しました。

由美さんは、自身が乳がんの診断を受けたときの心境や、左胸の全摘手術を受ける必要があると医師から伝えられたときのこと、退院後の抗がん剤治療について話してくれました。

左胸の奥に鈍い痛みがあり、胸が変形していることに気がついても「まさか自分が…」という思いや、忙しい日常に追われる中で、すぐには病院に行かなかったという由美さん。ピンクリボン月間の10月に初めて乳がんの検査を受け、10日後に医師から乳がんの告知を受けたそうです。

「乳がんと聞いたとき、涙が流れて夫の手をギュッと握りました。『手術しなければどれだけ生きられるのか』と尋ねると、『半年…もって1年かな』と告げられて。私には3人の子どもがいますし、医師から『まだ死ねないでしょ。大丈夫。生きるために手術しよう』と言われ、治療に専念する覚悟ができました」

講演は、由美さんと寿さんの掛け合いで行われました。

乳がんと診断され、左胸を全摘手術し、退院後抗がん剤治療に苦しんだという由美さん。ホルモン療法中は、発熱や発汗、うつ状態を引き起こします。抗がん剤治療の副作用で髪は抜け、生きる気力も希望も打ち砕ける日々。寿さんが当時を振り返ります。

「病と戦っているのは患者本人ですが、患者は病や治療のストレスで誰かに辛く当たるし、家族も戦いの日々です。当時、子どもたちは高校3年生、高校1年生、小学6年生でしたが、みんなで戦おうと思いました」

手術を2日後に控え、家族で温泉に行ったときのこと。「温泉行くよ~!」と、楽しい気持ちでいっぱいだった小旅行が、帰り道は一転、誰もが沈黙となり、言葉にできない不安に襲われたときのこと。手術が終わり、抗がん剤治療で髪がごっそり抜け落ちる由美さんに、心配かけまいと「抜けてもまた生えてくるからいいよ。じいちゃん見てみなよ」と笑ってやり過ごす思いやりを見せてくれた子どもたち。家族が文字通り一致団結し、由美さんと一緒に病と闘う日々が始まりました。

「それでも抗がん剤治療は地獄でした。由美さんは、泣いて、泣いて、泣いて…。僕が『大丈夫、大丈夫』と声をかけて慰めようとしても、『大丈夫じゃない!死にたい!死なせて!』と…。それはもう辛い日々でした」(寿さん)

病や死への恐怖と戦う日々。そんな時、由美さんに友人から手作りのタオル帽子が届きます。「(タオル帽子は)優しい肌触りで、とても嬉しかった」という由美さん。このことを機に、由美さんは闘病生活を続けながら、化学療法を受けている人たちに手縫い帽子を贈るボランティア活動をスタートさせたそうです。

今回の企画では、抗がん剤治療中の方に贈る「手作りタオル帽子」のために、女性社員活動グループにより、新品タオル募集活動が行われ、九州・沖縄で1000枚を超える新品タオルが集められました。「タオル帽子」と「新品タオル」が末次夫妻に手渡されました。

講演の最後には、寿さんから由美さんへのメッセージが届けられました。
個人的なエピソードの中に、普遍的な夫婦愛、家族愛、命の大切さや生きることの尊さが十分すぎるほど伝わる講演でした。

「Canser gift(キャンサーギフト) という言葉がありますが、がんになり、命と向き合い、家族と向き合い、生きることがこんなに尊く、幸せなことだと実感しました。病になるということは、患者も家族も大変なことです。自分のため、大切な人のために、ぜひ、検診に行ってください。そして、どんなに辛い状況になっても、笑っていると幸せになることを忘れないで。そのためにも、日頃からの心の交流の場づくりを大事にしてください」

最後に語られた末次夫妻の言葉に、共感する多くの拍手が送られました。
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