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2014年06月17日 (15:42)

のむだけで「大腸がんの精密検査」が可能


 大腸がんの精密検査の方法に、のむだけで苦痛も恥ずかしさもなく検査を受けられる「カプセル内視鏡」が1月から加わった。保険が適用される範囲はまだ狭いが、検査法の選択肢が広がったのは朗報だ。


 女性のがんによる死亡原因の第1位である大腸がん。そのスクリーニングとして自治体や職場などで実施しているのが大腸がん検診(便潜血検査)だ。検診で血便が見つかれば、肛門から内視鏡を挿入して大腸を観察する大腸内視鏡での精密検査(精査)を受けることに。精査でポリープなどの病変が見つかったら、そのまま内視鏡で組織を切除したり、治療したりする処置が必要。ところが血便が見つかった人で精査を受けているのは60%程度にとどまる。大腸内視鏡検査は「痛そう」「恥ずかしい」と敬遠する人が多いためだ。

 この点、最近国内で使えるようになった大腸用カプセル内視鏡は、検査時に苦痛を伴わず、恥ずかしさなどの精神的負担もないため、従来の内視鏡検査に抵抗があった女性などに向く。

 検査の流れはこうだ。患者は検査前日から腸管洗浄剤などを服用して腸内を空っぽにしたうえで、長さ3cmほどのカプセルを服用。カプセルは4~5時間かけて腸内を移動しながら小型カメラで腸内を撮影する。その情報は患者が装着した記録装置に転送される。撮影中は院内を歩き回ったり外出したりすることが可能だ。撮影後は患者が自宅などで回収し、廃棄する。

 カプセル内視鏡の実力について、広島大学病院内視鏡診療科の田中信治教授は、「ヒダの裏や平坦な病変を含めて、通常の大腸内視鏡で観察するのと引けをとらないレベル」と話す。ただし、6mm以下の小さなポリープなどは見つけにくい可能性があるほか、仮に病変が見つかってもカプセル内視鏡では切除や治療ができないため、改めて通常の大腸内視鏡検査が必要だ。

 大腸カプセル内視鏡検査は1月から保険適用され、検査費用は3万数千円(3割負担の場合)。「今のところ、保険が使えるのは、内視鏡が挿入困難な人や、腹部手術を受けて腸管の癒着があって内視鏡の挿入が困難と思われる人などに限られている」(田中教授)。ただ、全額自己負担なら誰でも検査が受けられるほか、より広範囲での保険適用の可能性も模索されている。実施医療機関は、全国で27カ所(2月14日時点)だ。

<この人に聞きました>
広島大学病院 内視鏡診療科 田中 信治 教授
1958年生まれ。84年広島大学医学部卒。北九州総合病院、国立がんセンター病院(現国立がん研究センター中央病院)などを経て、98年から広島大学病院光学医療診療部助教授。07年から現職。
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