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2014年06月17日 (15:54)

電子たばこ規制に科学者反発 「数億人の命救う」とWHOに書簡

 公衆衛生やニコチン研究専門の世界の科学者53人が2日までに、愛用者の急増に伴い、欧米で喫煙制限の動きが活発化する「電子たばこ」を普通のたばこ製品に分類・規制する準備を進めている世界保健機関(WHO)に対し「電子たばこの規制は、たばこの喫煙が原因の病気や死亡を大幅に減らす機会を危うくする」との内容の書簡を送付した。科学者たちは「電子たばこは数億人の命を救う」と主張し、電子たばこの有効性を初めて訴えた。健康への長期的影響などが不透明な電子たばこだけに、今後、大きな論議を呼びそうだ。

 「電子たばこは21世紀で最も意義深い健康分野の技術革新となり得るもので、数億人の命を救うだろう。そのため、電子たばこを普通のたばこのように規制することには抵抗すべきだ」。科学者たちは、WHOのマーガレット・チャン事務局長宛てに送った書簡で電子たばこの利点などについてこう訴え、「たばこの煙が6秒ごとに1人の命を奪うなか、タールを含まない電子たばこは、普通のたばこの有害物質が引き起こすがんや心肺疾患、脳卒中などの予防に役立つ」と明言。そのうえで「電子たばこのような(健康に)低リスクの商品は“問題のひとつ”ではなく“解決策のひとつ”である」と結論づけた。

 ロイター通信やフランス通信(AFP)などによると、WHOは、電子たばこの長期使用時の安全性や禁煙効果に関する科学的根拠が不透明だとして、10月開催の加盟国会合で、電子たばこを普通のたばこに分類・規制する勧告のための準備を進めている。規制されれば加盟国では、電子たばこも普通のたばこと同様、広告の禁止や公共の場での喫煙制限、物品課税の高税率化などが適用される。

 2003年に中国で発明された電子たばこは、電気の熱で気化したニコチンなどを吸う商品。米国だと本体価格が30~100ドル(約3000~1万円)で、普通の紙巻きたばこの約4割も低コストとあって、ここ2年で急速に普及。昨年の全世界での売上高は約30億ドル(約3000億円)に達したという。

 とはいえ、賛否両論相半ばしているのも事実だ。イチゴやミントなどの風味がついたものが人気を集め、ファッション感覚で吸う未成年者が急増。自覚なく依存症に陥る人々を増やすとの批判が高まり、米食品医薬品局(FDA)は今年4月、18歳未満への販売を禁止する年齢規制の導入方針を発表した。

 一方、有害物質のタールが少ないうえ、ニコチンを含まないものもあるなどニコチン摂取量を減らせるため、禁煙効果が高いとの利点も指摘されている。実際、英国で09年から今年、禁煙に成功した6000人を調査したところ、電子たばこによる禁煙成功率はニコチンパッチやニコチンガムの約60倍と極めて高かったことが判明した。

 書簡を送った科学者のひとり、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)のジェリー・スティムソン名誉教授もAFPに、電子たばこが含む有害物質は「極めて微量」で「人々はニコチンを求めてたばこを吸い、タールのために死んでいるのだ」と訴え、電子たばこの利点を強調した。

 WHOの調査によると、たばこで亡くなる人は全世界で年間約600万人で増加傾向にあるといい、これを背景に電子たばこも米ではニューヨークやロサンゼルスで公共の場などでの喫煙が禁止されたほか、ブラジルやシンガポールのように使用自体を禁止する国も出ている。

 今回の一件を受け、英国肺財団のペニー・ウッズCEOはロイター通信に「いずれにせよ、無秩序な状況が続いていることは問題だ」と述べ、何らかの規制は必要との考えを示した。(SANKEI EXPRESS)
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