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2014年07月28日 (11:48)

移植後にGVHDを合併していない急性白血病患者のQOLは化学療法と変わらない、患者調査の結果【臨床腫瘍学会2014】

 急性白血病患者において、同種造血幹細胞移植後は化学療法と比べて身体的QOLは低下するが、精神的QOLは高いことが、横断的な患者調査で明らかになった。また移植後に移植片対宿主病(GVHD)を合併した場合はQOLが低下するが、GVHDを合併していない患者では化学療法を受けた患者と変わらないこともわかった。7月17日から福岡市で開催されている第12回日本臨床腫瘍学会学術集会で、国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科の福田隆浩氏らが発表した。

 20歳以上の急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象に、QOL調査票(SF-36、FACT-LEU、EQ-5D)と、治療や生活状況に関する調査票を用いて、移植後と化学療法後のQOLを評価した。

 患者会や血液内科外来、ホームページから参加を募り、調査票と同意書が返送された578人(回収率82%)を解析対象とした。AML患者は74%、男性は47%、50歳以上の患者が半数を占めた。同種移植を受けた患者は63%(356人)、化学療法(自家移植を含む)は37%(222人)だった。

 また移植時期は第一寛解期の患者が66%、再発後の患者が33%であった。移植後にGVHDを有した患者は47%、GVHDが見られなかった患者が35%、わからないと答えた患者が17%だった。

 今回の解析ではSF-36の3つのサマリースコア(身体的健康度、役割/社会的健康度、精神的健康度)およびFACT-LEUの総得点が用いられた。

 年齢などで調整した平均を比較すると、SF-36の身体的健康度は化学療法群のほうが有意に優れており(p<0.001)、スコアは国民標準値(50)をやや下回る程度だった。役割/社会的健康度も化学療法群で有意に高かった(p=0.080)。一方、精神的健康度は移植群で高く(p=0.012)、FACT-LEU総得点は両群ともほぼ同じだった。

 移植後の精神的QOLが化学療法に比べて高かったことについて、福田氏は「移植を受けた患者さんは厳しい治療を乗り越えたという気持ちが強く、一方、化学療法を受けた患者さんは再発に対する不安があるようだ」と話した。

 次に移植後のGVHDの有無で分けると、SF-36の身体的健康度および役割/社会的健康度は化学療法群とGVHDなしの群はほぼ同じスコアだが、それに比べてGVHDありの群は有意にスコアが低かった(p<0.01)。精神的健康度はGVHDなしの群で有意に高く、化学療法群とGVHD群なしの群のスコアはほぼ同程度だった。FACT-LEU総得点でもスコアはGVHDなしの群で高く、続いて化学療法群、GVHD群ありの群の順だった。

 また移植群において、身体的健康度および役割/社会的健康度は治療終了後の年数が上がるにつれてスコアも高くなったが、精神的健康度のスコアは低下する傾向が見られた。なおGVHDありの群では身体的健康度も年数が上がるにつれ低下した。このため「移植においては特定のHLA型や血縁者間/非血縁者間などで、GVHDを起こしやすい人を見分けることがより大切であることが示された」とした。

 今回は移植と化学療法の比較のみが発表されたが、さらに詳細な解析を秋に開催される学術集会で報告する予定であるとした。
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