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2014年09月08日 (10:55)

胃癌初回化学療法で遅発性悪心は5割以上に発生、多施設共同前向き観察研究【癌治療学会2014】

 胃癌化学療法によって1日目に発生する急性悪心嘔吐は、ガイドラインに準拠した支持療法でほぼコントロールされていたが、2日目以降の遅発性悪心嘔吐の頻度はいまだ高いことが、日本CINV研究会による多施設共同前向き観察研究で明らかになった。8月28日から30日まで横浜市で開催された第52回日本癌治療学会学術集会で、東京女子医科大学化学療法緩和ケア科の倉持英和氏が発表した。

 研究では7日間の患者日記から、悪心嘔吐の発生の有無、重症度、食事の摂取量を分析した。化学療法開始時から24時間以内の発生を急性、それ以後の発生を遅発性と定義した。

 研究に登録された患者は全体で2068人。患者日記と症例報告書がそろい、高度催吐性化学療法(HEC)および中等度催吐性化学療法(MEC)が施行された患者1910人を解析対象とした。

 このうち、胃癌患者は2011年4月から2012年12月までに152人が登録された。うち男性が107人、女性が45人で、年齢中央値は65歳(25-82歳)だった。シスプラチンを含む高度催吐性化学療法が施行されたのは150人、中等度催吐性化学療法は2人だった。

 高度催吐性化学療法に対しては、アプレピタント、5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾンの3剤併用が128人(85.3%)で、5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2剤併用が施行されたのは18人、その他が4人だった。このことから「胃癌領域において、ガイドラインに準拠した制吐療法が85%以上と高い割合で実施されていた」とした。

 悪心嘔吐の発生頻度は、急性悪心が12.7%、遅発性悪心は54%に認められた。急性嘔吐は1.3%、遅発性嘔吐は14%だった。

 また研究では、主治医による悪心嘔吐の発生予測も調べた。その結果、急性悪心が発生すると予測された患者で、実際に発生したのは全体の7.3%、実際には発生しなかった患者が54.3%であった。同様に急性嘔吐ではそれぞれ0.7%、17.3%、遅発性悪心は46.7%、38.8%、遅発性嘔吐は2.6%、18.4%だった。

 このため「医療スタッフによるCINV発現予測と実際の発現頻度の一致度は低く、特に悪心についてはスタッフが過大評価している傾向が見られた」とした。

 多変量解析の結果、ヘモグロビン高値が遅発性悪心の有意な予測因子であったが、その理由については現在のところわからないとした。

 今回の結果について、倉持氏は、「急性期のCINVに関しては、ほぼ満足する支持療法の効果が得られているが、遅発性のCINV、特に制吐剤投与が終わる5日目以降の対策を強化する必要がある」と話した。また今回の解析は初回投与の患者が対象だったが、投与回数が増えるほど、悪心嘔吐は多くなる可能性があると述べた。
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