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2014年09月11日 (10:53)

ASCO、進行したHER2陰性乳癌患者を対象とする新たな診療ガイドラインを作製

 米臨床腫瘍学会(ASCO)は、2014年9月2日、進行したHER2陰性乳癌に対する新たな診療ガイドラインを発表した。扱っているのは化学療法と分子標的薬で、ガイドラインは、さまざまな治療薬の有効性と有害事象に関するエビデンスベースの詳細な情報を提供している。

 ASCOの新ガイドラインは、患者の生存期間の延長とQOL改善に焦点を当てて作製された。作製途上で、最善の化学療法がどれなのかは明らかにならなかったが、ガイドラインは、医師と患者が、患者にとって最も許容しやすく、日常生活への負荷が少ない治療を選択するために役立つと期待されている。ASCOは、患者はみずから治療の選択に関わるべきであり、臨床試験に参加する機会があれば積極的に参加すべきだ、との考えを示している。

 進行した乳癌患者の約80%がHER2陰性で、抗HER2薬を用いた治療の対象にならない。新たなガイドラインは、化学療法を開始しようとしている女性が選択肢にできる、全身性の治療について検討している。治療薬はいくつも存在するが、一部は不必要に毒性が高い。ASCOは、乳癌は、さほど強力ではないアプローチでもコントロールが可能である場合が少なくないこと、そうした治療が患者のQOLを高めることに注目して、新たなガイドラインを作製した。

 ASCOの専門家委員会は、1993年から2013年5月までに報告された、進行したHER2陰性乳癌の女性に対する化学療法と分子標的薬の有効性と安全性について検討した、系統的レビューと/またはメタ分析20件と、無作為化試験59件に関する論文を選び、正式な系統的レビューを行った。

 ガイドラインの要点は以下の通り。

・ホルモン療法は、ホルモン受容体陽性の進行乳癌患者には、標準的な第一選択薬として提案すべきだ。例外は、ただちに生命に危険がある状態の患者、または、ホルモン療法抵抗性が懸念される患者となる。

・異なる化学療法薬は、有害事象を減らし、QOLを維持するため、基本的には、併用せずに特定の順序で逐次投与すべきだ。

・医師と患者は協力して治療の選択に当たるべきだ。その際は、それまでに受けた治療、選択肢となる治療に予想される有害事象、治療スケジュール、乳癌以外の慢性疾患(心疾患など)の有無、患者の好みなどを考慮する。最善の治療を明確に示すことはできないからだ。

・ベバシズマブは、ただちに生命が脅かされる状態の、または深刻な症状が見られる患者に、化学療法薬1剤と併用する方法でのみ使用できる。ベバシズマブは、一部の患者に腫瘍縮小と進行抑制をもたらすことが示されているが、全生存期間を延長する効果は見られていない。また、米食品医薬品局(FDA)は、米国で乳癌にベバシズマブを適用することを認めていない。

・他の分子標的薬については、化学療法と併用、または化学療法の代替として用いるべきでは無い。エベロリムスは、ホルモン療法であるエキセメスタンとともに、ホルモン受容体陽性乳癌患者に適用することが認められているが、その適用は、癌がホルモン療法に対する反応性を維持している早期の患者に限られる。

・緩和ケアは、早期に開始し継続すべきだ。

・進行乳癌の患者を治癒に至らしめる治療はまだ無いため、医師は、条件を満たすすべての患者に臨床試験への参加を勧めるべきだ。それらの患者は実験的な治療の利益を得られる可能性がある。
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