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2014年09月23日 (16:49)

特殊光線の内視鏡 食道がん早期発見

 発見の遅れで治療が難しくなる例が多い食道がんを、早期に見つけられる検査装置が普及してきた。NBI(狭帯域光観察)内視鏡と呼ばれる機器で、通常の光を当てても分かりにくい小さながんを、特殊な光線で浮かび上がらせる。

自覚症状、表れにくい

 食道がんは、喉から胃の入り口につながる細長い食道のうち、中間部や下部にできやすい。飲酒や喫煙が主な原因と考えられるが、最近は胃酸の逆流が原因となるタイプが増加傾向にある。年間2万人以上が新たに診断され、2012年には1万1592人(男性9724人、女性1868人)が死亡した。

 このがんは、かなり大きくなるまで自覚症状が表れにくい特徴がある。のみ込みにくさや胸の奥の痛みなどを感じた時は、すでにリンパ節や他の臓器に転移した進行がんになっていることが多い。

 たとえ検査を行っても、従来の方法では早期発見が難しい問題もあった。早期の食道がんは平らで、白色光をあてる通常の内視鏡検査では発見しにくいのだ。

 さらに、がんのリスクが高い人の食道は、長年の飲酒や喫煙の影響で粘膜が荒れていることが多く、がんが目立たない。食道の内視鏡検査は、通常は胃の検査と同時に行われるため、食道を詳しく見る時間が限られることも発見を難しくしている。

NBI内視鏡で見ると…

 こうした中、活用され始めたのがNBI内視鏡だ。口から入れた内視鏡の先から、特殊な波長の光を照射する装置で、がんの部分が黒く浮かび上がる。そこを内視鏡で拡大して見ると、正常であればきれいに見えるはずの血管が見えなかったり、変形したりしているなど、がんに特有の変化が分かる。この部分の組織をつまみ取り、病理検査で診断を確定する。

 食道がんの検査としては以前から、食道内にヨード液をまき、がんの有無を内視鏡で確認する「ヨード染色法」もある。正常な粘膜はヨード液を吸収して茶褐色に染まるが、がんの部分は変色しない。がんの範囲がはっきり分かるなど精度が高く、内視鏡による手術時の切除範囲の特定にも使われる。

 だが、ヨード液は粘膜への刺激が強く、患者がむせたり、まいた部分に炎症が起こったりするなどの欠点があり、検診では使いにくかった。

 そこで大阪市立大病院の消化器内科医、永見康明さんは、食道がんの再発の可能性がある患者202人を対象に、早期がんの発見精度をNBI内視鏡とヨード染色法とで比較した。すると、両手法のがん発見率は同等か、NBI内視鏡がやや高い結果となり、NBI内視鏡だけでも、早期がんをほぼ確実に見つけられることが分かった。

飲酒・喫煙習慣ある40歳代以降の人に

 永見さんは「NBI内視鏡は光を当てるだけなので、患者の体に負担をかけず、早期がんを正確に見つけ出せる。早期に発見できれば、口から入れた内視鏡でがんの部分をそぎ取るだけで済むので、飲酒や喫煙の習慣がある40歳代以降の人は、NBI内視鏡検査を定期的に受けてほしい」と話している。(佐藤光展)
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