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2014年10月25日 (17:41)

「複製1コピー」解明 がん治療など応用期待=三島・遺伝研


 三島市谷田の国立遺伝学研究所などの研究グループが、細胞分裂を正しく導く細胞内小器官「中心体」の構築メカニズムに関する研究成果を発表した。細胞分裂で中心体が複製される際の開始段階の分子の働きを解明し、余分な中心体の複製を防ぐ制御機構を理論的にモデル化。「中心体複製の数の異常はがんや遺伝病、男性不妊に関係しているため、治療や医薬品開発に役立つことが期待される」としている。

 発表したのは同研究所中心体生物学研究室の北川大樹特任准教授ら。グループによると、中心体は細胞分裂時に染色体が複製されて倍加する際、染色体を2方向に引っ張る繊維「微小菅」の形成の中心として働く。中心体が二つに複製されることで細胞分裂が正しく行われるため、余分に複製される場合は染色体を適切に分配できず、細胞分裂に支障が出てがんなどの病気が引き起こされることがあるという。

 グループはヒト培養細胞を用いた調査で、中心体の数を制御する重要な因子である「Plk4」「STIL」「HsSAS-6」の三つのタンパク質がどのように作用し合っているかを確認。中心体の複製が1コピーだけに限られる理論として「中心体の複製開始時に、母中心小体の他の部位から娘中心小体が複数形成されることを抑えるフィードバック機構が存在する」という新しいモデルを提唱した。中心体のコピー数の制御は細胞のがん化と密接な関係があるとされている。グループは「今回の研究は中心体をターゲットとした新しい機序(しくみ)を持つ抗がん剤の開発、中心体の不活化を原因とする遺伝病や男性不妊の原因解明に役立つことが期待される」としている。

 ■中心体とは、動物細胞の細胞内小器官の一つで、タンパク質から成る柱状の構造体「中心小体」2個で構成される。中心小体は母中心小体と娘中心小体に分けられ、新しく形成される娘中心小体は柱状構造の土台部分から構築されることが知られている。
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