ガン完全克服マニュアル

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2014年11月05日 (16:27)

ナノ粒子とウエアラブル端末で“がん検索” 夢の医療の実現に期待高まる

 米IT企業のグーグルが、超微細のナノ粒子と体に装着するウエアラブル端末を組み合わせ、がんや心筋梗塞、脳卒中などの兆候を発見する技術の開発に取り組んでいる。磁気を帯びたナノ粒子を飲み込み、体内の細胞やタンパク質に付着させ、手首に装着した腕時計型端末で引き寄せて体外から分析し発症の可能性を探査する。5年後の実用化を目指している。体内に異物を入れるため、安全性や倫理面で克服すべき課題は多いが、名作SF映画「ミクロの決死圏」(1966年)で描かれた体の内部から病気を治す夢の医療の実現に期待が高まっている。

 「われわれは医学を対症療法的措置から、先を見越した予防的措置に転換させることに挑戦している。ナノ粒子は体の内側から分子や細胞レベルで診察できる能力を与えてくれる」

 グーグルの研究開発部門グーグルXで生命科学チームを率いるアンドリュー・コンラッド氏は10月28日に米紙ウォールストリート・ジャーナルが主催したハイテク関連の会議で、研究の概要を明らかにした。

 グーグルによると、髪の毛の1万分の1、赤血球の1000分の1という超微細で、磁気特性を備えたナノ粒子を含む錠剤を被験者に飲んでもらう。ナノ粒子は血液に運ばれて移動し“標的”となる特定の細胞やタンパク質に付着。分子レベルの組織を採取した後、磁気により腕時計型端末に引き寄せられ、手首の静脈に集まってくる。

 端末のセンサーが、ナノ粒子に付着した組織のデータを収集しホストコンピューターに送信。がん化したり、心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈瘤ができたりしていないか分析する。

 コンラッド氏は「医師から受けるあらゆる検査が、このシステムを通じて可能になり、体内で発症し始めた段階で、病気を発見する一助となる。それがわれわれの夢だ」と語る。

 発見された時点ですでに手遅れというケースが多い膵(すい)臓(ぞう)がんなどの早期発見、外科手術や化学療法後のがんの監視のほか、予防医療への応用も期待されている。

 グーグルは5年後の実用化を目指し、医学だけでなく、化学や電気工学、天体物理学などの分野に携わる約100人の従業員をこの研究に投入する。すでにスイスの製薬大手ノバルティスと協力し、コンタクトレンズ型端末で糖尿病患者の涙から血糖値を測定するシステムの開発にも取り組んでおり、医療分野への進出を加速する。

 医療を中心としたナノテクノロジー分野は、成長ビジネスとして期待されており、米政府もこれまでに200億ドル(約2兆2300億円)超を投入し研究を支援している。

 ただ、課題もある。米科学系ニュースサイト、ライブサイエンスは「体内に異物が長期間滞留することで合併症を引き起こしたり、ナノ粒子が細胞やDNAを傷つけたりする恐れがある」とする専門家の意見を紹介し安全性の問題を指摘した。医療当局から認可を受けるのも通常の医薬品よりハードルが高い。

 またインターネットビジネスを通じて大量の個人情報を収集し、その利用をめぐりプライバシーの問題が指摘されているグーグルが、体内を“検索”して医学データを収集することへ抵抗感を指摘する声もある。それでも、映画に登場する人間をミクロ化する技術より実現の可能性ははるかに高いだろう。(SANKEI EXPRESS)
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