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2014年12月15日 (11:36)

閉経後乳癌患者の術後のアナストロゾール投与では重度の関節症状が投与中止の危険因子である可能性

 閉経後のエストロゲン受容体(ER)陽性乳癌患者において、術後内分泌療法のアナストロゾールの投与中止の危険因子は重度の関節症状で、血管運動神経障害の新規発症または悪化は逆危険因子である可能性が、前向き、多施設共同のコホート研究(SAVS-JP)から示された。12月9日から13日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)で、関西労災病院乳腺外科の柄川千代美氏が発表した。

 閉経後のER陽性乳癌患者に対し、アロマターゼ阻害薬による5年間の術後内分泌療法は標準的な治療であるが、関節症状や血管運動神経障害など、アロマターゼ阻害薬に関連する有害事象が患者のQOLに強く影響し、投与中止に至る場合がある。

 SAVS-JP試験の目的は、患者報告アウトカム(PRO)に基づき、術後内分泌療法でアナストロゾールの投与を受けた日本人の閉経後の乳癌患者について、内分泌療法中止の危険因子を特定することだった。

 対象は、術後内分泌療法でアナストロゾールの5年間の投与を受けた患者391人で、ベースライン、3、6、9、12カ月時に自己報告質問票の回答を収集した。

 追跡期間中央値は44カ月(範囲:5-105)で、アナストロゾールの長期の内服遵守の状況が把握できたのは、391人中378人だった。33人で有害事象のため投与中止となった。治療および患者背景による関節症状や血管運動神経障害に関するアナストロゾールの投与中止について解析した。

 内服遵守の状況が把握できた378人の平均年齢は63.6歳、平均BMIは23.1歳、閉経後の平均期間は13.6年だった。術前化学療法は6.1%、術後化学療法は16.9%、トラスツズマブの投与は7.7%、放射線療法は58.7%が受けていた。

 378人中、67人(17.7%)が中止しており、305人(80.7%)が現在も内服を継続中で、6人(1.6%)は5年間の内服を完了していた。内服中止の理由は、有害事象が33人(9%)、再発が23人(6%)、2次癌6人(1%)、乳癌以外での死亡が1人(0%)、その他の理由が4人(1%)だった。

 有害事象で治療を中止した33人について、その他の345人と比較した。関節症状と血管運動神経障害は、グレード0+1+2(症状なし、またはベースラインからの変化なし+軽度+中等度)とグレード3(重度)に分類した。

 単変量解析では、グレード3の関節症状が内服中止の有意な危険因子であることが示された。関節症状では、グレード3では中止が25%、グレード0+1+2では中止が7.17%で、オッズ比[OR]は4.35(95%信頼区間:1.46-11.55、p=0.0101)だった。これに対し、血管運動神経障害の新規発症または悪化は逆危険因子で、新規発症のORは0.42(95%信頼区間:0.18-0.92、p=0.0305)、悪化のORは0.39(95%信頼区間:0.17-0.84)だった(p=0.0168)。ただし、柄川氏によると、血管運動神経障害の新規発症と悪化には交絡が認められたという。

 そのため多変量解析では血管運動神経障害の悪化を対象としたところ、ORはグレード3の関節症状では4.68(95%信頼区間:1.54-12.85、p=0.0081)、血管運動神経障害の悪化では0.37(95%信頼区間:0.16-0.82、p=0.0134)となった。

 また、グレード3の関節症状と血管運動神経障害の悪化なしの2つを有する場合にアナストロゾールの内服中止の頻度が最も高く、30%だった。中止の頻度が最も低かったのは、グレード0+1+2の関節症状と血管運動障害の悪化の組み合わせで3.9%だった。

 柄川氏は「対象数が少ないため、結論づけることはできない」としたうえで、今回得られた知見について「閉経後の日本人女性に術後内分泌療法のアロマターゼ阻害薬を提案する場合に有用な可能性がある」とした。
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