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2015年06月04日 (17:03)

アナストロゾールが閉経後DCISに対するアジュバント療法の新たな選択肢に



 腫瘍摘出、放射線療法を行ったDCIS患者に対するアジュバント療法として、アナストロゾールはタモキシフェンと比較して、より乳癌イベント抑制効果が高いことが明らかになった。米国の公的助成研究でもある多施設フェーズ3試験NRG Oncology/NSABP B-35で示されたもので、5月29日から6月2日まで米国シカゴで開催されている第51回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、カナダMcGill University、Jewish General HospitalのRichard G. Margolese氏が報告した。

 2003年6月から2006年6月までに、ER陽性(ER+)またはPgR陽性(PgR+)の閉経後DCISで腫瘍摘出術を受け、放射線療法が予定されていた3104例を登録。年齢で層別化した上で、タモキシフェン(20mg/日)+プラセボ5年間+放射線療法(タモキシフェン群:1538例)またはアナストロゾール(1mg/日)+プラセボ5年間+放射線療法(アナストロゾール群:1549例)に無作為割付した。

 対象全体の年齢分布は60歳超52.9%、60歳以下47.1%、人種は白人87.4%、アフリカ系8.3%、その他4.3%で、ともに両群で差はなかった。また腫瘍はコメド壊死あり40.6%、なし45.0%、不明14.4%、腫瘍径は1.0cm未満34.9%、1.0cm以上24.5%、不明40.6%で、腫瘍の特徴にも両群で差は認められなかった。

 追跡期間中央値8.6年において、タモキシフェン群で発生した乳癌イベント(局所再発、領域再発、遠隔再発、2次乳癌)数は114だったのに対して、アナストロゾール群では84イベントで、10年無乳癌生存率はタモキシフェン89.2%に対してアナストロゾール群93.5%で有意に高かった(HR:0.73、p=0.03)。

 年齢別に解析すると、60歳未満ではタモキシフェン群(722例)で58イベントが発生し、10年無乳癌生存率は88.2%、アナストロゾール(725例)では31イベントが発生し、10年無乳癌生存率は94.9%で、両群には有意差が認められた(ハザード比[HR]0.52、p=0.003)。一方60歳以上では、タモキシフェン群(816例)では56イベントが発生して10年無乳癌生存率は90.2%、アナストロゾール群(814例)では53イベントが発生して10年無乳癌生存率は92.2%で、有意差はなかった(HR:0.95、p=0.77)。

 乳癌イベントを同側、対側、さらに浸潤癌とDCISとに分けると、いずれもアナストロゾール群でイベント数がより少なく、対側浸潤癌については、統計学的有意差が認められた(タモキシフェン群36イベント2.3%対アナストロゾール群37イベント1.3%、HR:0.55、p=0.03)。

 全生存(OS)は、タモキシフェン群では88イベントが発生して10年OSは92.1%、アナストロゾール群では98イベントが発生して10年OSは92.5%とともに良好で、有意差は認められなかった(HR:1.11、p=0.48)。

 タモキシフェンで懸念される有害事象の1つである子宮癌発症は、タモキシフェン群で17/1000例、アナストロゾール群8/1000例と、両群ともに少なく有意差はなかった(相対リスク[RR]=0.47、 95%信頼区間:0.18-1.15)。一方、アナストロゾールの有害事象として懸念される骨粗鬆症性骨折も同様で、ともにイベント数は少なく有意差はなかった(タモキシフェン群50イベント/1000例、アナストロゾール群69イベント/1000例、RR=1.38 、95%信頼区間:0.95-2.03)。

 従来、DCISの長期管理には腫瘍摘出術+放射線療法を行うことが適切で、アジュバント療法としてタモキシフェンを加えることで、浸潤および非浸潤再発、対側原発乳癌を抑制しうることが示されていた。しかしすべての再発が抑制されるわけではなく、浸潤乳癌として再発した場合、これが予後不良な転移疾患である可能性もある。また、子宮癌や血栓塞栓症を懸念してタモキシフェン使用を嫌う患者もいる。そのため、エストロゲンシグナルをより完全に抑制でき、浸潤性乳癌においてタモキシフェン以上の無病生存(DFS)および対側乳癌抑制効果が示されているアロマターゼ阻害薬を用いることで、DCISにおいても、より良好な長期効果を得られることが期待されていた。

 Margolese氏は、「本試験でタモキシフェン、アナストロゾールがともに優れた乳癌抑制効果を示したことは朗報だ。さらに喜ばしいのは、アナストロゾールがタモキシフェンよりも有効性が高く、安全性の点でも問題がなかったことだ。アナストロゾールは、DCISに対するアジュバント療法の新たな、そして好ましい選択肢のひとつになるだろう」と述べた。
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