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2015年05月29日 (11:31)

ペメトレキセド+シスプラチンへのベバシズマブの追加で悪性中皮腫患者のOSとPFSが改善

 悪性胸膜中皮腫(MPM)患者に対し、標準的治療であるペメトレキセドとシスプラチンの併用療法にベバシズマブを追加することにより、無増悪生存期間(PFS)は2カ月、全生存期間(OS)は2.75カ月と有意に延長し、毒性は増加したものの管理可能であることが、フェーズ2/3のMAPS(IFCT-GFPC-0701)試験のフェーズ3の部分から示された。5月29日から6月2日まで米国シカゴで開催されている第51回米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で、フランスCaen University HospitalのGerard Zalcman氏が発表した。

 MPM患者のOS中央値は、ペメトレキセドと白金系製剤の併用療法でも13カ月を超えておらず、5年時に生存している患者はいない。

 MPMは血管内皮細胞成長因子(VEGF)とその受容体(VEGFR)を高度に発現することから、進行MPM患者を対象として行われた過去のフェーズ2試験では、ゲムシタビン+シスプラチンにベバシズマブを追加することによりPFSは6.9カ月となったが、プラセボとの有意差は得られなかった。

 MAPS試験は、肺癌領域に関わる470人の医師で構成され、フランス国内の250施設のネットワークでサポートされているFrench Collaborative Thoracic Intergroup(IFCT)がスポンサーを務めて実施された、非盲検、多施設共同のフェーズ2/3試験である。

 対象は、組織学的に確認された悪性胸膜中皮腫で切除不能な患者で、75歳以下、化学療法による治療歴がない、PS 0-2、心血管系の合併症がない、血栓症や出血を認めないなどの条件を満たす患者だった。

 治療は21日を1サイクルとして、6サイクル行い、ペメトレキセド500mg/m2、シスプラチン75mg/m2を1日目に投与するA群、ベバシズマブ15mg/kgを1日目に追加するB群のいずれかに、患者を1:1でランダムに割り付けた。B群で増悪を認めなかった患者には、維持療法としてベバシズマブを増悪または毒性の発現まで継続した。クロスオーバーは行わないこととした。

 フェーズ2の部分では、主要評価項目として6カ月時の病勢コントロール率(DCR)が検討され、達成されたことがすでに発表されている。今回はフェーズ3の部分の結果が発表された。フェーズ3の主要評価項目はOS、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、QOLなどだった。

 2008年2月から2014年1月までに、73施設から448人が登録された。このうち男性は75.4%、年齢中央値は65.7歳(範囲:34.7-75.9)、PS 0-1の患者は96.7%、喫煙者は56.0%だった。

 フェーズ3の主要評価項目も達成され、追跡期間中央値39.4カ月において、OS中央値は、A群16.07カ月、B群18.82カ月、ハザード比は0.76(95%信頼区間:0.61-0.94)となり、B群で死亡のリスクが24%低下した(p=0.0127)。

 PFS中央値は、A群7.48カ月、B群9.59カ月、ハザード比0.61(95%信頼区間:0.50-0.75)となり、ベバシズマブの追加により有意に延長した(p<0.0001)。

 グレード3-4の毒性が発現したのは、A群62.1%、B群71.2%となった(p=0.04)。グレード3-4の血液毒性は、A群49.6%、B群47.3%に発現し、2群間に有意差はなかった(p=0.63)。ベバシズマブに関連する有害事象でB群に有意に多かったのは、グレード3の蛋白尿(0.0% vs 3.2%)、グレード3の高血圧(0.0% vs 23.0%)、グレード3-4の動脈血栓症(0.0% vs 2.3%)だった。

 QOLは両群で維持され、ベバシズマブの追加により毒性は増加したものの、、QOLに悪影響を及ぼすことはなかった。

 Zalcman氏は「標準的治療を行った群のOSもヒストリカルコントロールや過去の報告と比べて延長しており、ベバシズマブの投与に適格な基準を設定したためと考えられる。治癒切除が困難なMPM患者に対し、ペメトレキセド、シスプラチン、ベバシズマブの3剤併用療法は新たな治療パラダイムになる」と話した。
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