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2015年05月28日 (11:41)

前立腺がんの診断に新技術、光を使ってがん細胞の乱れから悪質かどうかを見極める

 生命の危険に関わるような前立腺がんをあらかじめ見極めるための新技術の開発が実用化に向けて動いている。

 米イリノイ大学内のクオンティテイティブ・フェイズ・イメージング研究所のシャミラ・スリドハルン氏らの研究グループが、オンライン科学誌であるサイエンティフィック・リポーツ誌において2015年5月15日に報告している。

手術は過剰である可能性

 米国がん協会によると、2015年、米国で前立腺がんと新たに診断を受けた人は22万800人に上ると推定されるという。前立腺がんで死亡する男性は約2万7540人。がんによる死亡全体の5%に当たる。

 一方で、最近の研究によると、過剰ながんの広い上げや過剰な手術による治療も問題になりつつある。

 有力医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌によると、2010年に前立腺切除を受けた48人のうち寿命の延長のための手術が効果的と判断できたのはわずか1人にとどまっていた。手術によって尿失禁や性的不能といった副作用を起こして、生活の質に影響を及ぼす可能性もある。

 前立腺切除の手術を受けた後には、リンパ節への転移、前立腺の組織、前立腺特異抗原(PSA)の値を参考として再発のリスクを計算する。手術の前に病気の進行が分かれば、そもそも手術を避けられるので望ましい。

光を使った技術

 研究グループでは、「空間光干渉顕微鏡法(SLIM)」とこの方法を使った「定量位相イメージング(QPI)」を用いて、手術前に前立腺がんの進行の度合いを推定できないかを検証した。

 2つの技術は文字通り光を使った技術。組織の単純な見た目だけではなく、がん細胞の乱れを知ることができるところが特徴だ。

 がん細胞のまとまった組織の厚みや光の屈折の変化を画像化して、組織がまとまっているのか、組織の中で成分が断片化されて乱れているのかを確認できる。研究グループは、「生存率が低い転帰の悪い人では、転帰の良い人と比べると、がんの土台となる部分をつなぐ組織に乱れがある」と説明する。

再発の特定に有効

 研究グループは、がんの手術に踏み切る前に、このがんの組織の乱れを確認できるかを前立腺がんの人の組織で調べた。

 研究グループは既に前立腺切除を受けた181人の組織を検証。半分は再発しておらず、半分は死亡していた。

 空間光干渉顕微鏡法で組織の乱れを見ることであらかじめ腫瘍が再発する人を特定できた。

 従来、前立腺がんの進行度を見るために血液検査のPSAという値が参考とされてきた。医療の適正化の面で発言力のある組織、米国予防医学専門委員会(USPSTF)がPSAによる定期的なスクリーニングは推奨しない。PSAが高くなったからといって、症状のない人では命に関わるようながんではない場合も多いと報告されている。前立腺がんの病気の進行は慎重に見る動きが強まっている(前立腺がんはすぐには手術をしない、「積極的な監視」が有効を参照)。

 空間光干渉顕微鏡法が、今後、手軽な病気の状況の判定で威力を発揮するかもしれない。

文献情報

Beckman Researchers Develop New Screening Method for Prostate Cancer Recurrence

http://beckman.illinois.edu/news/2015/05/popescu-prostate-screening
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