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2015年04月08日 (17:12)

骨髄移植の成功率を高めるヒントに、血液幹細胞を休息させる酵素を特定

活性化が続くとがんや貧血につながる
新技術

 血液幹細胞(造血幹細胞、HSC)が活性化され過ぎた状態で保たれると、血液がん、血液細胞の枯渇、病気に抵抗する能力の障害につながる可能性がある。

 白血病やリンパ腫で骨髄移植をした後に、成功率を高めるためにうまく移植した血液幹細胞を安定化させるヒントにつながるかもしれない。

ある酵素に注目

 米国スクリプス研究所の研究グループが、血液の専門誌ブラッド誌で2015年3月23日に報告した。

 研究グループは、血液幹細胞の活性化と不活性化というこのメカニズムの解明を試みた。

 その中でも血液幹細胞の中で作られている「ItpkB」という酵素に注目した。ItpkBとは、血液幹細胞とは別の細胞で血液幹細胞の活性化に関与していると知られていた。

 ItpkBの酵素を持っていないネズミを調べたところ、血液幹細胞が休息せずに過剰に活性化していた。血液幹細胞は枯渇してしまい、赤血球の細胞を使い果たして重度の貧血になってしまった。

 ItpkBの働きは「イノシトール」と呼ばれるビタミンの一種を変化させること。イノシトールは細胞の中で伝達する役割をしており、リン酸という酸の一種を付けられると働いてくれる。研究グループは、ItpkBがイノシトールに付いているリン酸を3つから4つに増やす作用があると突き止めた。

血液幹細胞を保護

 イノシトールに4つのリン酸が付くと、細胞の増殖や代謝、免疫系の一部をコントロールしており、ItpkBの役割はここにつながってくると考えられた。

 今回の研究では、イノシトールに4つのリン酸が付くと混乱したシグナルをコントロールして血液幹細胞を保護していることも分かった。

 ItpkBがあるからこそ、血液幹細胞は健康的な不活性期間を維持できると見られる。

 治療につながる可能性もありそうだ。
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