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2015年10月07日 (10:56)

ニボルマブは標準化学療法が奏効しなかった日本人食道癌患者において奏効率17.2%で忍容性も良好

 完全ヒト型抗PD-1モノクローナルIgG4抗体ニボルマブは、標準化学療法が奏効しなかった日本人食道癌患者において有効かつ忍容性良好だった。奏効率は17.2%で、奏効した患者では持続的な効果が認められ、治療が継続されている。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されている European Cancer Congress(ECC)で、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の宇良敬氏が、多施設共同オープンラベルフェーズ2試験(JapicCTI-No.142422)の予備的解析の成績として報告した。

 ニボルマブ(ONO-4538)は、PD-1とそのリガンドであるPD-L1/PD-L2の相互作用を阻害することにより、T細胞を介する細胞死を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬である。日本ではすでに根治切除不能な悪性黒色腫に対して製造販売承認され、現在、切除不能な進行・再発非小細胞肺癌に対する効能追加承認申請中である。

 食道癌は悪性腫瘍による死亡の第6位を占め、世界では年間40万人が死亡している。腫瘍組織にPD-L1およびPD-L2の発現を認める43.9%の患者では、発現を認めない患者と比較して予後不良であることが報告されており、抗PD-1抗体は新たな治療オプションとして期待されている。

 本試験の対象は、20歳以上でECOG PS 0または1の、標準化学療法が奏効しなかった日本人食道癌患者。ニボルマブ (3mg/kg) を容認できない毒性の発現または病勢増悪まで2週毎に静注し、6週毎にRECIST v1.1に則って臨床反応性を評価した。

 2015年5月17日までに男性54例女性11例、計65例の食道癌患者に対してニボルマブが投与された。年齢中央値は62(49-80)歳、ECOG PSは 0が29例(44.6%)、1が36例(55.4%)で、前治療数は2以下が21例(32%)、3が24例(37%)、4以上が20例(31%)だった。

 2015年5月17日時点における評価可能64例の独立審査委員会による中央判定でのORR(主要エンドポイント)は17.2%(CR 1.6%、PR 15.6%)で、SD 25.0%、PD 45.3%だった。研究者評価ではORR 20.3%(CR 1.6%、PR 18.8%)、SD 31.2%、PD 43.7%。

 治療を受けた全65例の2015年8月20日時点での有害事象発現率(全グレード)は84.6%で、主なものは下痢20.0%、便秘10.8%、疲労感12.3%、肺感染症12.3%、皮疹10.8%。グレード3/4の発現率は29.2%で、下痢、嚥下障害、疲労感、肺炎が各1例(1.5%)、肝障害、食欲減退が各2例(3.1%)、肺感染症が6例(9.2%)など。宇良氏によれば、肺炎は支持療法により改善した。

 重大な有害事象(死亡、致死性、入院あるいは入院延長を要する、重大な障害あるいは行為能力喪失を招く、先天性異常、他の医学的に重要な事象――のいずれかに該当)で薬剤関連と考えられたものは、2015年5月17日時点において、肺感染、脱水、間質性肺疾患が各2例(3.1%)、下痢、疲労、肝機能異常、低ナトリウム血症、呼吸困難が各1例(1.5%)で、薬剤関連死はなかった。

 これらの成績から宇良氏らは、「ニボルマブは治療歴を有する日本人食道癌患者において有効かつ忍容性良好であると考えられる」とした。
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