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2015年10月08日 (11:02)

標準薬ではコントロール不良のカルチノイド症候群に対しtelotristat etiprateで症状が改善

 標準的な治療であるソマトスタチンアナログ(SSA)治療では十分な効果が見られないカルチノイド症候群患者に対し、telotristat etiprateは高頻度の排便などの症状を改善することが、二重盲検フェーズ3試験TELESTARで明らかになった。9月25日から29日までオーストリア・ウイーンで開催されたEuropean Cancer Congress(ECC2015)で、米国Dana-Farber Cancer InstituteのM.H. Kulke氏らが発表した。

 カルチノイド症候群は神経内分泌腫瘍(NET)の患者に起こる病気で、NET細胞内におけるセロトニンの産生過剰が、高頻度の排便(Bowel movement:BM)や下痢、皮膚の紅潮、腹痛、心臓弁の損傷などのカルチノイド症候群を引き起こす。

 telotristat etiprateは、トリプトファンからセロトニンを合成する酵素であるトリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH)を阻害する経口薬。

 TELESTAR(Telotristat Etiprate for Somatostatin Analogue Not Adequately Controlled Carcinoid Syndrome)試験には、転移性NET患者でSSA治療では十分なコントロールが得られないカルチノイド症候群の患者135人が登録した。適格条件として、1日のBMが4回以上あり、SSA治療を3カ月以上受けている患者とした。

 3-4週間の導入期間ののち、患者を3群に分け、telotristat etiprate(TE)250mgもしくは500mg、プラセボを1日3回、12週間投与した。

 主要評価項目は12週間の二重盲検治療期間における1日の平均BMとした。副次評価項目はセロトニンの代謝物である5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)の尿中の変化量、皮膚の紅潮、腹痛とした。

 3群の患者背景に大きな違いはなかった。平均年齢は64歳、ベースライン時のBMは5.7回/日だった。

 この結果、2つのTE群の1 日あたりのBMはプラセボ群に比べて有意に少なかった(p<0.001)。Hodges-Lehman Estimatorにより治療群の差が評価された結果、プラセボ群に比べてTE 250mg群のBMは0.81回/日の減少、TE 500mg群では0.69回/日の減少が見られた。

 12週目には治療前に比べて、プラセボ群のBMは17%減、TE 250mg群は29%、TE 500mg群は35%の減少が見られた。

 また治療期間の50%以上にわたる期間でBMが30%以上減少した患者の割合は、プラセボ群は20%だが、TE 250mg群は44%(p=0.011)、TE 500mg群は42%だった(p=0.020)。

 尿中5-HIAA値の治療前から12週目での変化量は、プラセボ群では平均11.47mg/24時間の増加があったが、TE 250mg群では40.13mg/24時間の減少、500mg群は57.73mg/24時間の減少が見られた。この結果から腫瘍内のTPHが阻害されていることが示唆されるとした。

 さらに皮膚の紅潮や腹痛はTE群では減少していたが、プラセボ群との有意な違いはなかった。

 TEは全体として安全であり忍容性に優れていた。治療により出現した有害事象(TEAE)はプラセボ群26.7%、TE 250mg群33.3%、500mg群68.9%だった。重篤なTEAEは2.2%、0%、4.4%で、TEAEによる治療中止は13.3%、6.7%、6.7%だった。なお注意すべき有害事象として抑うつと悪心が報告されたが、軽度もしくは中等度で治療中止に至ることはなかった。抑うつはプラセボ群では3人、TE 250mg群で1人、TE 500mg群では6人で報告された。

 これらの結果から、Telotristat etiprateは有意に排便頻度を減少させ、標準的な治療であるSSA治療でコントロールできないカルチノイド症候群を有する転移性NET患者に対し、新たな有望な治療であるとした。
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