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2015年10月29日 (10:23)

FDAが腫瘍溶解性ウイルス療法薬を初めて承認

 米Amgen社は、2015年10月27日、腫瘍溶解性ウイルス療法の治療薬であるtalimogene laherparepvecについて、米食品医薬品局(FDA)が生物学的製剤承認申請(BLA)を承認したと発表した。適応は、黒色腫で初回手術後に再発した患者の切除不能な皮膚、皮下、リンパ節の病変に対する局所治療となる。

 talimogene laherparepvecは、大規模臨床試験で示された治療効果に基づいてFDAに承認された、初の腫瘍溶解性ウイルス療法の治療薬となった。ただし、全生存期間(OS)や内臓転移に対する効果は示されていない。

 talimogene laherparepvecは遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI型で、腫瘍内で複製し、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)と呼ばれる免疫を活性化する蛋白質を産生する。talimogene laherparepvecは細胞溶解、すなわち細胞死を引き起こして腫瘍を破裂させる。腫瘍細胞が破裂する際には、腫瘍由来抗原がGM-CSFとともに放出され、腫瘍特異的免疫応答が促進すると考えられているが、正確な作用機序は不明である。

 今回の承認は、多施設共同、非盲検、フェーズ3のランダム化比較試験(OPTiM)のデータに基づいて行われた。同試験ではIIIB期、IIIC期、IV期の黒色腫で切除不能な患者を対象に、talimogene laherparepvecとGM-CSFを比較した。主要評価項目は持続的奏効率(DRR)で、6カ月以上完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が持続した患者の割合と定義された。

 OPTiM試験には436人が登録された。DRRは、talimogene laherparepvecが投与された患者では16.3%、GM-CSFが投与された患者では2.1%となった(p<0.0001)。持続的奏効を認めた患者のうち、29.1%はCR、70.8%はPRが持続的に得られた。talimogene laherparepvecが投与された患者では、奏効までの期間の中央値は4.1カ月となった。

 talimogene laherparepvecが投与された患者で最も多く観察された薬剤による有害反応は、倦怠感、悪寒、発熱、嘔気、インフルエンザ様疾患、注射部位の疼痛だった。多くは軽度から中等度で、72時間以内に消失したものがほとんどだった。グレード3以上の有害反応として蜂巣織炎を認めた。

 Amgen社は、1週間以内に米国の患者がtalimogene laherparepvecを使用できるようにする予定である。同社の予想によると、talimogene laherparepvecの平均費用はおよそ65万ドルとなる。新規の画期的医薬品であることから、用量は患者毎に異なるとみられるため、同社は医療現場と協働してプログラムを進め、適格な参加施設では平均費用を65万ドルに抑えたいとしている。

 臨床的に適格な患者がこの薬剤にアクセスできるよう、Amgen社は米国では同社のプログラムを通し、無料薬剤や一部負担金のクーポンなどの方法で援助するとしている。詳細は同社の「AMGEN Assist」のサイトで閲覧できる。

 なお、talimogene laherparepvecは、免疫不全状態の患者および妊婦には禁忌である。
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