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2015年11月26日 (11:13)

米国で扁平上皮非小細胞肺癌の治療薬としてnecitumumabがゲムシタビンとシスプラチンとの併用で承認

 米Eli Lilly社は11月24日、ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)1を標的としたIgG1モノクローナル抗体necitumumabが、ゲムシタビンとシスプラチンとの併用療法で、転移を有する扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の1次治療薬として、米食品医薬品局(FDA)によって承認されたと発表した。なお非扁平上皮NSCLCの治療には適応されない。

 necitumumabは、遺伝子組み換えヒトIgG1モノクローナル抗体で、EGFR1のリガンド結合部をブロックする。necitumumabはFDAによってオーファンドラッグ指定を受けていた。

 今回のnecitumumabの承認はオープンラベル無作為化多施設共同フェーズ3試験SQUIREの結果に基づく。SQUIRE試験は、転移を有する扁平上皮NSCLCの1次治療として、necitumumabとゲムシタビン、シスプラチンの併用療法(necitumumab群)と、ゲムシタビンとシスプラチン併用療法(GC療法群)を比較した。主要評価項目は全生存期間(OS)であった。

 necitumumabの添付文書には枠組み警告として、心肺停止と低マグネシウム血症が記載されている。同社は、necitumumab投与の適格患者に対して、投与あたり25ドルの支払いのみとする共同負担プログラムなどの援助プログラムを提供するとしている。

 SQUIRE試験は26カ国184施設で実施され、ステージIV扁平上皮NSCLC患者1093人が登録した。両群とも最長6サイクルまで投与が行われた。またnecitumumab群では、病勢安定(SD)以上の患者では病勢進行もしくは許容できない毒性の発現までnecitumumabの追加投与が行われた。

 試験の結果、necitumumab群は有意なOS改善を示し(ハザード比0.84、95%信頼区間:0.74-0.96、p=0.01)、OS中央値はnecitumumab群が11.5カ月(95%信頼区間:10.4-12.6)、GC療法群は9.9カ月(同:8.9-11.1)だった。解析時点での死亡割合はnecitumumab群が77%(418人)、GC療法群は81%(442人)であった。

 無増悪生存期間(PFS)も、necitumumab群で有意に改善し(ハザード比0.85、95%信頼区間:0.74-0.98、p=0.02)、PFS中央値はnecitumumab群5.7カ月(95%信頼区間:5.6-6.0)、GC療法群5.5カ月(同:4.8-5.6)だった。全体の奏効率(ORR)は有意な違いがなく、necitumumab群31%(95%信頼区間:27-35)、GC療法群29%(同:25-33)だった(p=0.40)。

 SQUIRE試験では、心肺停止または突然死がnecitumumab群で15人(3%)、GC療法群は3人(0.6%)に起こっている。necitumumab群の15人のうち12人はnecitumumabの最終投与の30日以内に死亡しており、冠動脈疾患(3人)、低マグネシウム血症(4人)、慢性閉塞性肺疾患(7人)、高血圧(5人)の既往などの併存症を有していた。

 ただし重大な冠動脈疾患、6カ月以内の心筋梗塞、コントロールされていない高血圧や鬱血性心不全の患者はSQUIRE試験には登録されなかった。また冠動脈疾患や鬱血性心不全、または不整脈の既往のある患者では、それらの併存症のない患者に比べて、心肺停止もしくは突然死のリスクが高くなるかについてはわかっていない。

 試験では、低マグネシウム血症がnecitumumab群で83%の患者に起こっており、GC療法群では70%だった。グレード3/4の低マグネシウム血症はnecitumumab群で20%、GC療法群では7%に認められた。

 これらのリスクのため、necitumumabの添付文書には、電解質バランス異常のモニタリングと必要に応じた治療に関する指示が記載されている。また静脈・動脈血栓塞栓症イベント、皮膚毒性、注入に伴う反応、非扁平上皮NSCLC患者における毒性の増加と死亡率の増加、さらに胚胎児毒性に関して、追加警告と使用上の注意が記載されている。

 SQUIRE試験において、necitumumab群の有害事象(全グレード)のうち、発生率が15%以上で、GC療法群よりも2%以上多かったのは、発疹(necitumumab群44%、GC療法群6%)、嘔吐(同29%、25%)、下痢(16%、11%)、ざ瘡様皮膚炎(15%、0.6%)だった。グレード3/4の有害事象のうち、GC療法群よりもnecitumumab群の発生率が2%以上多かったのは、静脈血栓塞栓症イベント(5%、肺塞栓症を含む)、発疹(4%)、嘔吐(3%)だった。
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