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2017年04月13日 (11:28)

子宮頸がん・卵巣がんでも…無事出産できる治療が普及

子宮や卵巣にできたがんのため、以前なら臓器全体を摘出し、妊娠や出産を諦めるしかなかったケースでも近年、部分的な切除にとどめて出産を可能にする治療が広がっている。無事出産できた例も増えている。(原隆也)
子宮頸がん、膣との再結合手術普及

 子宮の入り口「頸(けい)部」にできる子宮頸がんは、20~30歳代の女性に発症しやすい。国立がん研究センターの統計によると、20~30歳代で1年間に診断される患者数は10万人当たり10~20人に上る。

 これまでの治療は、がんが組織の表面にとどまるか、わずかに内側まで食い込んだものに限り、膣(ちつ)から入れたメスやレーザーで部分的に切り取る方法がとられてきた。さらにがんが広がった場合、子宮をすべて摘出しなければならなかった。

 近年は一定の条件を満たせば、頸部の一部分だけを残して切除した後、再度、膣とつなげる手術が数年前から普及している。

 虎の門病院産婦人科部長で元東京大学病院女性外科講師の有本貴英さんによると、2009~17年、東大病院でこの手術を38人に実施した。対象となるのは、〈1〉40歳代前半以下で妊娠・出産の希望が強い〈2〉がんの場所が頸部の最も奥から1センチ以上離れており、大きさが2センチ以下〈3〉リンパ節や他の臓器への転移がない――を満たした場合だ。

 手術を受けた人のうち、5人が妊娠し、20~30歳代の3人が出産した。いずれも母子ともに健康という。また、希望すれば2人目の妊娠・出産も可能だ。

 ただし、この手術では、胎児を支え、雑菌の侵入を防いでいる頸部が短くなるため、流産や早産の可能性も高まる。出産した3人も早産の恐れがあったため、帝王切開した。「子どもを一度は諦めかけていたので無事出産できて良かった」との声も聞かれたという。
卵巣がん、黄体ホルモン服用で

 胎児が育つ子宮体部にできるがんは、40歳代以降の発症が多いが、20~30歳代で発症することもある。基本的な治療は子宮と両方の卵巣の摘出手術だが、がんが表面の子宮内膜にとどまる場合、女性ホルモンの一種、黄体ホルモンの服用で治すこともできる。国内の多施設共同研究では、半年間の服用で患者の5割はがんがなくなっていた。

 副作用として、血が固まりやすくなることには注意が必要だ。血を固まりにくくする薬を一緒に服用することもある。強度の肥満の人は副作用のリスクが大きく、使用できない。がんが消えた後に再発することもある。

 卵巣にできるがんでは、がんが片側の卵巣内にとどまっていれば、この卵巣を切除し、もう片方を残す方法もある。それ以上広がると両側の卵巣と子宮を摘出しなければならない。

 しかし、がんが卵巣の外に現れてきた場合でも、がんの進行度合いにより、もう片方の卵巣と子宮を温存する臨床試験が14年から44施設で進められている。

 有本さんは「女性特有のがん患者の出産の可能性を温存する治療は、がん治療だけでなく、妊娠・出産にも対応できる医療機関で行っていることが多い。がんの進行度を確認して、主治医とよく相談してほしい」と話している。
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