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2017年05月15日 (15:11)

日本に5頭しかいない「がん探知犬」、発見率は99.7%


真っ黒で光沢のある毛並みのラブラドールレトリバーのエスパー(メス・8才)は、つぶらな瞳をトレーナーに向けてじっと指示を待っていた。エスパーの前に置かれたのは数十人分の人間の尿検体。そのうちの1つにはがん患者の尿が入っている。順々ににおいを嗅いでいくエスパーが、ある検体の前で動きを止め、トレーナーを振り返った。
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「正解です。それが、がん患者の尿です。よくできたな」
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 エスパーは日本に5頭しかいない、においでがんを見つける「がん探知犬」の1頭だ。千葉県館山市にある「がん探知犬育成センター」で日々、冒頭のような訓練と、実際のがん検査に取り組んでいる。
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 5月2日、がん探知犬での健康診断を行う山形県金山町で町民説明会が開かれ、探知犬の存在がにわかに注目されている。同町は胃がんによる女性の死亡率が全国1位。がんの早期発見のために、1100万円の予算で探知犬による検査を実施するという。
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 我が家の愛犬でも、訓練すれば飼い主の“がん検診”ができるようになる? がん探知犬育成センター代表の佐藤悠二さんが語る。
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「探知犬のがん発見率は99.7%。それは犬が人間の100万~1億倍もの嗅覚を持つから可能なのです。しかし、どんな犬でもがん探知犬になれるわけではなく、狩猟犬として嗅覚が発達したラブラドールレトリバーの中でも、特に優秀な嗅覚と集中力を持つほんのひと握りの犬だけしかなれません」
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 がん探知犬第1号は、天才的な嗅覚を持つ水難救助犬マリーンだ。マリーンは20m近く沈んだ水死体から発せられる微量のガスを嗅ぎ当てるほどで、前出の佐藤さんにその能力を見込まれて探知犬になった。現在、育成センターで活動する5頭はいずれもマリーンの血を引いている。
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「2004年から探知犬の育成を始めましたが、当時の医学界は“がんににおいがあるというのは非科学的だ”と否定的でした。それでも地道な訓練を重ね、マリーンががんを探し当てる確率はほぼ100%に到達しました」(佐藤さん)

2011年、がん探知犬の論文がイギリスの医学誌に掲載されると世界中で話題となり、今では13か国でがん探知犬の実験や育成が行われている。
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「日本の探知犬は優秀で、放置すればがん化する可能性がある“前がん状態”まで発見できます。病院の検査では判明しなかったのに、犬ががんを見つけたことも。いまだに“がんのにおいのもと”が何なのかは解明されていませんが、がん患者に特有のにおいがあることはわかってきています」(佐藤さん)
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 佐藤さんが共同代表を務める「ドッグラボ」では、探知犬による検査を実際に受けることができる。専用の呼気採取バッグに息を吹き入れてラボに送ると、1~3週間ほどで結果がわかるという。
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 費用は3万8000円。病院で全身のがん検査を受ければ軽く10万円を超える。カメラを体に入れるような苦痛を伴う検査もなく、時間の制約もない上に費用も低い。手軽に受けられるのが魅力的だ。
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「今はまだがんの部位をお教えできる段階には至っていません。探知犬の検査で“可能性アリ”となったら、できるだけ早く病院で適切な検査と治療を受けてください」(佐藤さん)
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 犬の嗅覚が、がん治療を劇的に変える時代が来るかもしれない。
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※女性セブン2017年5月25日号
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