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2017年06月13日 (16:06)

肺がんや心筋梗塞のケースも…「肩痛」には重大病が潜む

年齢を重ねると、肩関節や周囲軟部組織が劣化し、ちょっとしたことでも傷ができて炎症が起こる。中には重症のケースもあるが、一般に「五十肩(四十肩)」という概念が浸透しているため、「年齢的に仕方がない」と痛みが過ぎ去るのをじっと待っている人も多い。重大病を見逃して、深刻な事態を招いてしまう可能性があるのだ。

 関町病院(東京・練馬区)の丸山公院長は「肩の痛みの原因は、肩に限ったものではない」と指摘する。肩の痛みは、腱板断裂、肩関節拘縮、石灰沈着性腱板炎など肩に原因があるもの(内因性)と、頚椎、心臓、肺、肝臓、胆嚢など「肩以外」に原因があるもの(外因性)に分かれる。

「医学的にいう『いわゆる五十肩』は自然に治癒するもので、治って初めて『五十肩だった』と言える。もし、市販の鎮痛薬などを1週間ほど使っても痛みが消えないようなら、『いわゆる五十肩』と思わず整形外科を受診すべきです」

 整形外科の領域は幅広いので、肩関節の専門医がいるところが望ましい。日本肩関節学会のホームページから調べられる。

「肩の痛み=五十肩」と安易に考えないことに加え、肩の痛みの対策として知っておくべきことがある。

■軽い痛みでも重症例がある

 痛みが軽いと、大したことがないと思って放置しがちだが間違いだ。

「たとえば腱板断裂では完全に腱板が切れている場合より、不完全に切れている場合の方が痛みは強いことが多い。不完全な断裂の方が癒着や拘縮(硬くなる)が起こりやすく、拘縮による痛みが生じるからです。しかし、程度でいうと完全に腱板が切れている方が重症です」

 頚椎ヘルニアでも肩の痛みが生じるが、感覚神経は損傷されず、運動神経だけが損傷されている「キーガンタイプ」では、痛みはほとんどない。

 また、肩の痛みは心臓や肺など内臓の病気でも生じる。左肩の痛みを「単なる肩こり」程度に思っていたら、実は「心筋梗塞を起こす前触れだった」「肺尖部にできた肺がんだった」というケースは珍しくない。

■腕が上がらなければ積極的な治療を検討

 五十肩が進むと、肩関節が拘縮して肩の可動域が狭くなり、腕が上がらなくなる。日常生活に支障が多々生じる場合は、専門医によるMRI検査などの精密検査を受け、程度によっては「神経ブロック下授動術」を検討することもある。神経ブロック注射の後、縮んで動きが悪くなった組織「関節包」を医師が直接動かし、関節の動きを改善する治療法だ。

「完全な腱板断裂が自然に元に戻るのは難しい。内視鏡手術で癒着した部分を剥がし、関節包を切ったり骨棘を切除した後、腱板を縫合する場合もあります」

 ただし、肩関節の拘縮は予防もできる。鎮痛剤などで肩の痛みを抑えながら、低周波治療、レーザー治療、温熱療法、運動療法などで筋肉の緊張を和らげる。自宅でのマッサージ、肩関節や肩甲骨を動かす運動なども有効だ。

「肝心なのは、そこまで拘縮してしまう前に肩の専門医を受診し、適切な治療を受けることです」

■五十肩の陰に糖尿病あり 

「糖尿病が進行して肩の血管が動脈硬化を起こすと、肩関節組織の変性を起こしやすくなります」 なかなか治らない肩の痛みに糖尿病も関わっていた……というケースはよくあるという。食生活の改善、適度な運動が、生活習慣病予防とともに五十肩の予防にもつながるのだ。
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