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2017年07月07日 (19:18)

職域でのがん検診の指針、来年夏ごろに公表 - 厚労省、検査項目など策定に向けた論点も提示


厚生労働省は6日の「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」(WG)の初会合で、保険者や事業主が任意で実施する職域でのがん検診に関する指針を策定し、来年夏ごろに公表する方針を明らかにした。また、策定に向けた論点として、その検診の対象となるがんの種類や検査項目などを提示した。【松村秀士】

 厚労省が先月に発表した2016年の国民生活基礎調査の結果によると、がん検診を受けた人の約3―6割が職域におけるがん検診を受けていた。ただ、職域でのがん検診は、法的な位置付けが明確ではなく、実施者によって検査項目や対象年齢などがさまざまなのが実情だ。また、全体を把握するための統一的なデータフォーマットがなく、精度管理をするのが困難といった課題もある。そのため、WGの上部組織である「がん検診のあり方に関する検討会」では、職域でのがん検診に関する指針を策定した上で、保険者や事業主はこれを参考に実施するのが望ましいとの意見が出た。

 こうした指摘などを受け、6日に開かれた初会合で厚労省は、職域におけるがん検診に関する指針の策定・公表スケジュール案を示すとともに、策定に向けた論点を提示。具体的には、職域でのがん検診について、▽対象となるがんの種類や検査項目、対象年齢、実施間隔▽データを把握できる仕組み▽受けていない人の受診率向上策▽受けやすい環境の整備―を議論するよう促した。

 スケジュール案について、委員からは特に反対の意見は出なかった。ただ、職域での検診の在り方について、羽鳥裕・日本医師会常任理事が、検診を受けた人が精密検査を受けたかどうかを実施者が把握する必要があると指摘。その上で、「(受診者に)精密検査を受けてもらうのを事業主や保険者に義務付けることを言い切らないといけないのではないか」と述べた。これに対して住吉正男・連合雇用対策局長は、実施者に何らかの義務を課すのは法的な整備をしないと難しいとの考えを示した。

 このほか、「職域においても、(市町村が実施する)対策型がん検診と同じようなものが行われることが必要だ」(松田一夫・福井県健康管理協会副理事長)といった声や、「産業医がいない事業所では、(検診を受けた人の)個人情報の保護は人事担当者や労務担当者が行うことになる。産業医制度の問題とも絡めながら議論すべきだ」(立道昌幸・東海大医学部基盤診療学系公衆衛生学教授)といった意見も出た。

 また、職域でのがん検診の指針に関して、福田崇典・聖隷福祉事業団理事が「対策型がん検診のもの(指針)を職域に持ち込むのはスタンダードを下げることになる」とし、市町村を対象にした既存の「がん予防重点健康教育及びがん健診実施のための指針」を職域でのがん検診の指針に適用すれば、従来の検査項目などが限定される恐れがあるとの懸念を示した。

 一方、祖父江友孝・阪大医学系研究科環境医学教授は、「市町村向けの指針では検査項目や対象年齢などは根拠に基づいて定められており、(検査項目などを)不用意に追加するべきではない」とし、市町村向けの指針に従って職域でのがん検診の指針を決めるべきだとの考えを示した。
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