2008年04月22日 (09:59)
富士バイオメディックス、「がんの悪性度診断用キット前立腺がんLAT1テストFBM」の製造販売承認申請
体外診断薬承認申請に関するお知らせ
当社は、医薬品等開発支援事業をコアビジネスに、調剤薬局事業、アンチエイジング事業を組み入れた総合的ヘルスケア・サポート企業へと展開を広げております。「アミノ酸トランスポーターを用いたがんの悪性度診断キット」につきましては、独立行政法人科学技術振興機構の平成16年度新規委託開発事業として採択され、北里大学医学部(神奈川県相模原市)および杏林大学医学部(東京都三鷹市)と共同で開発を進めてまいりました。
本日、「がんの悪性度診断用キット前立腺がんLAT1テストFBM」を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に製造販売承認申請を行いましたので、下記の通りお知らせ致します。
記
がん細胞は、無秩序に増殖し転移します。悪性度の高いがんでは宿主であるがん患者を死に追いやります。がん細胞にはその増殖と転移に必要な必須アミノ酸の取り入れ口(トランスポーターという)のアミノ酸トランスポーターLAT1と呼ばれるタンパク質が発現し、正常細胞に発現するアミノ酸トランスポーターLAT2とは異なることを、杏林大学の遠藤仁名誉教授(現当社顧問)らが世界に先駆けて発見しました。このLAT1の抗体を用いて、北里大学の過去32年間のがん患者の手術摘出試料を用いて同大学の岡安勲教授らが当社との共同でLAT1タンパクの発現量を分析しました。その結果、前立腺がんで、LAT1の発現の強かった症例の多くが5年以内にがんが原因で死に至っていました。手術前や手術後でも悪性度が判別できれば、臨床医による治療の内容や追跡検査への集中度は自ずと異なるので、悪性度の予測は極めて重要です。
「がんの悪性度診断用キット前立腺がんLAT1テストFBM」は、がん細胞の細胞膜上に特異的に発現しているアミノ酸トランスポーターLAT1を免疫組織化学的に抗体によって染色して検出ならびにその発現程度を調べるものです。がんの致死性という観点から、判断が難しい前立腺がんでのがんの悪性度を診断できます。前立腺がんは近年その患者数が著しく増加しておりますので、前立腺がんの治療に資する診断キットを開発し、製造販売承認申請に至りました。