2008年07月03日 (21:27)
子宮頚(けい)がん検診を受けよう
この病気が10〜20代でとても増えています。これは、性交開始年齢が低下したことの影響と考えられます。HPVに感染し癌化のプログラムが始まると、はじめは子宮頚部異形成という前癌状態になり、徐々に性質が悪くなり子宮頚がんに至ります。前癌状態であっても軽ければ自然治癒する場合も多い一方で、随分短期間でがんに進行する例もあります。
このような事情から子宮頚がんの検診開始年齢が引き下げられ、20歳以上の女性が検診の対象となりました。1年に1回の検診さえ受けていれば前癌状態の段階で見つかりますし、ごく早期の子宮頚がんまでなら子宮頚部の部分切除でほぼ100%の治癒が期待でき、子宮を温存することができます。
HPVは性交で感染します。どんなに愛があっても、どんなに真剣に交際していても、性感染症を完全に防ぐことはできません。人間にとって性は必要なもの、命につながるもの、豊かに生きるためのもの。なのに、子宮頚がんという病気自身と性感染症への偏見が二重に当事者を苦しめています。性感染症にかかるリスクを背負う人は、人を愛することができる人。性感染症は生活習慣病であって自分も関係がある病気という認識をすべての人に持ってもらい、偏見をなくしたいと願っています。
私は、産婦人科医として働くことのおもしろさを考えると、女に生まれて良かったと思っています。おそらく男に生まれようが女に生まれようが今と同じ働き方・生き方を選択したと思いますし、女に生まれて損だと思ったことはありません。しかし性感染症、とくに女性が男性より重篤な健康被害を受けるクラミジア感染症(卵管閉塞を来たして不妊になる)と子宮頚がんを診ると、女は損、と思うことがあり、性感染症の問題にはついつい熱くなります。

