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2011年11月28日 (13:01)

FDAがアバスチンの進行乳癌(がん)への適応承認を取り消し

進行乳癌(がん)患者ではリスクがベネフィット(便益)を上回るとして、米国食品医薬品局(FDA)は抗癌薬ベバシズマブ(商品名:アバスチン)の同疾患への適応承認を取り消したことを、FDA長官のMargaret Hamburg博士が発表した。ただし、治癒切除不能な進行大腸(結腸直腸)癌や肺癌、腎臓癌、脳腫瘍などの治療ではまだ同薬を使用できる。

同薬のリスクには、重度の高血圧、出血、心臓発作または心不全、さらに鼻や胃腸など異なる部位での穿孔の発生がある。同長官は「これらはアバスチン服用による大きなリスクであり、同薬の使用が患者に便益をもたらすという強いエビデンス(科学的根拠)がある場合にのみ正当化されうる。手術不能・再発乳癌では明らかに、このリスクを正当化する便益の証拠(proof)がなかった」と述べている。

今回の決定は、転移性乳癌患者において同薬は安全でも有効でもないという、6月にFDA諮問委員会が満場一致で行った勧告に基づくもの。同薬は2008年に転移性HER2陰性乳癌に対し、抗癌薬パクリタキセル(商品名:タキソール)との併用を条件に迅速承認された。その後、同薬を製造しているジェネンテックGenentech社が2件の臨床試験を終了し、標準的な化学療法単独の場合に比べて患者の延命も生活の質(QOL)の向上もなく、腫瘍の増殖に対する抑制効果も小さいことが判明した。

全米乳癌連合(NBCC)は「転移性乳癌の第一選択薬におけるアバスチンの承認取り消しの決定に関してFDAとHamburg長官を賞賛する」としている。一方、ジェネンテック社のHal Barron博士は「今回の措置にかかわらず、我々は治療歴のない転移性乳癌患者を対象としたアバスチンとパクリタキセルの併用の新たな第III(3)相試験を開始し、同薬の便益がより堅固な患者の同定に役立つ有望なバイオマーカーを評価する予定である」と述べている。

米マイアミ大学シルベスターSylvester総合癌センターのStefan Gluck博士は、「アバスチンは、一部の患者には化学療法単独の場合よりも大きな便益をもたらす。同薬は末期の乳癌に対してのみ用いるべきである。最終的に患者は癌により死亡するが、それまで最良のQOLを与えたいと思う」と述べ、医師らが適応外(off-label)で乳癌患者にアバスチンをまだ処方できる点を指摘している。

米国癌協会(ACS)のLen Lichtenfeld博士は「この決定によるすべての影響は現時点では評価しづらいが、乳癌に対するアバスチン使用に関して保険会社が支払い方針を見直すことは明らかである。少なくとも現在同薬を使用し、便益がある転移性乳癌患者の場合は支払い対象になることを願う」と述べている。(HealthDay News 11月18日)

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